アメリカ合衆国第111議会
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アメリカ合衆国第111議会 (-がっしゅうこくだいひゃくじゅういちぎかい、米: One Hundred Eleventh United States Congress) は、アメリカ合衆国議会(連邦議会)において、2009年1月3日から2011年1月3日までの2年間にわたって開かれていた会議。1789年に開会した第1回議会から数えて111回目にあたり、上院と下院の二院で構成される。
アメリカ合衆国第111議会 | |||
アメリカ合衆国議会議事堂 (2007) | |||
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期間: 2009年1月3日 – 2011年1月3日 | |||
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上院議長: | ディック・チェイニー 2009年1月20日まで ジョー・バイデン 2009年1月20日 - 現在 | ||
上院仮議長: | ロバート・バード 2010年6月28日まで ダニエル・イノウエ 2010年6月28日 - 現在 | ||
下院議長: | ナンシー・ペロシ | ||
議員: | 上院議員 100名 下院議員 435名 準議員 6名 | ||
上院多数党: | 民主党 | ||
下院多数党: | 民主党 | ||
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会期 | |||
第1会期: 2009年1月6日[1] – 2009年12月24日 第2会期: 2010年1月5日 – 2010年12月22日 | |||
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第111議会はジョージ・W・ブッシュ大統領の任期終了直前に開会し、バラク・オバマ大統領の任期の前半(2年間)とほぼ重なる。2009年1月6日に第1会期が始まった。下院の議席配分は2000年の全米国勢調査に基づいており、議員の顔ぶれは2008年11月4日に実施された議会総選挙の結果による。オバマ大統領が当選を果たした大統領選挙と同時に実施されたこの選挙では、民主党が上下両院で議席数を伸ばし、多数党としての地位を維持した。また同議会では、北マリアナ諸島のために初めて下院の議席が配分された(ただし、グアムなどと同様、投票権を持たない準議員扱いである)[2]。
主な出来事
編集- 2009年1月 — 上院の2議席が空席のまま残された。
- バラク・オバマの大統領就任で空席となったイリノイ州の議席を巡る指名論議が発生。イリノイ州知事ロッド・ブラゴジェヴィッチが後任指名の見返りとして賄賂を要求したとの疑惑の発覚による。この議席には、イリノイ州司法長官や同州会計監査官を務めたローランド・バリス(民主党)が2008年12月31日に後任として指名され、2009年1月15日に宣誓した。
- 現職者ノーム・コールマン(共和党)が占めていたミネソタ州の議席を巡り、コールマンと対立候補アル・フランケン(民主党)が係争。この議席を巡っては、2009年6月30日にミネソタ州最高裁判所の決定に基づいてティム・ポーレンティー知事(当時)がフランケンの当選を発表した[3]。フランケンは同年7月7日に宣誓を行い、就任を果たした。
- 2009年1月8日 — 両院合同会議が、2008年の大統領選挙における選挙人団の票を集計。[1]
- 2009年1月20日 — 大統領バラク・オバマ及び副大統領ジョー・バイデンの就任式開催。
- 2010年6月28日 - 上院最高齢・最古参の議員であったロバート・バード上院仮議長が死去。仮議長ポストはバードに次ぐ古参議員であったダニエル・イノウエ上院議員が引き継いだ。また、バードが占めていたウエストバージニア州の議席については、同年11月に行われる補欠選挙[4] までの任期については、ジョー・マンチン同州知事の首席法律顧問などを務めたカート・グッドウィンが指名され、就任した。
- 2010年11月2日 — 2010年総選挙(中間選挙)。
主な立法
編集可決
編集- 2009年1月16日 — 内務長官ケネス・リー・サラザールに対するサクスビー・フィックス(議員もしくは前議員の閣僚就任にあたり、閣僚と議員の兼職を事実上禁じる憲法第1条第6節第2項への抵触を回避するため、対象者の閣僚報酬額を議員就任当初の報酬額まで減額する特別立法。サラザールは1月20日に上院議員を辞職し内務長官に正式就任)
- 2009年1月29日 — リリー・レッドベター公正支出法 (Lilly Ledbetter Fair Pay Act)
- 2009年2月4日 — 児童健康保険計画再認可法 (Children's Health Insurance Program Reauthorization Act)
- 2009年2月11日 — 地上デジタル放送移行延期法
- 2009年5月22日 - 2009年クレジットカード法 (Credit CARD Act of 2009)
- 2009年6月22日 - 家族の喫煙予防とタバコ規制法 (Family Smoking Prevention and Tobacco Control Act)
- 2010年7月21日 - ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法(Dodd–Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act)
- 2010年12月13日 - 健康で飢えることのない子どもたち法 (Healthy, Hunger-Free Kids Act of 2010)
- 2010年12月22日 - 同性愛者の軍務禁止規定撤廃法 (Don't Ask, Don't Tell Repeal Act of 2010)
- 2011年1月4日 - 鮫保護法(Shark Conservation Act)
保留または廃案
編集- (アルファベット順)
- 2009年アメリカ復興・再投資法 (American Recovery and Reinvestment Act)
- 2009年ブレア・ホルト銃器免許・販売記録関連法 (Blair Holt's Firearm Licensing and Record of Sale Act of 2009)
- コロンビア特別区下院投票権法 (District of Columbia House Voting Rights Act)
- 包括的公有地管理法 (Omnibus Public Land Management Act)
- 改正大統領記録法 (Presidential Records Act Amendments)
- 「第111議会で成立した法律」(上院HP内)も参照。
拒否権発動
編集- なし
主な決議
編集- 未定
特別調査委員会
編集- 大統領就任式に関する両院合同委員会
公聴会
編集- 上院は2009年1月から2月にかけて、オバマ政権の閣僚指名に関する公聴会を開催している。
党派概要
編集上院
編集所属 | 政党 (色付きの欄は、多数党であることを示す)
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合計 | ||||
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民主党 | 無所属 | 共和党 | 空席 | |||
第110議会閉会時 | 48 | 2 | 49 | 99 | 1 | |
開会時 | 55 | 2 | 41 | 98 | 2 | |
2009年1月15日 | 56 | 99 | 1 | |||
2009年1月20日 | 55 | 98 | 2 | |||
2009年1月26日 | 56 | 99 | 1 | |||
2009年4月28日 | 57 | 40 | ||||
最新の勢力比 | 59.6% | 40.4% |
註: 係争中の1議席については、空席扱いとしている[5] 無所属上院議員2名は、いずれも民主党の幹部会に参加している。
下院
編集所属 | 政党 (色付きの欄は、多数党であることを示す)
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合計 | |||
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民主党 | 無所属 | 共和党 | 空席 | ||
第110議会閉会時 | 235 | 0 | 198 | 433 | 2 |
開会時 | 256 | 0 | 178 | 434 | 1 |
2009年1月24日 | 255 | 433 | 2 | ||
2009年2月24日 | 254 | 432 | 3 | ||
2009年4月21日 | 255 | 433 | 2 | ||
2009年4月29日 | 256 | 434 | 1 | ||
最新の勢力比 | 59.0% | 0.0% | 41.0% | ||
準議員 | 5 | 1 | 0 | 6 | 0 |
指導部
編集目次: 上院: | 多数党(民主党)指導部・少数党(共和党)指導部 |
下院: | 多数党(民主党)指導部・少数党(共和党)指導部 |
上院
編集- 上院議長:
- ディック・チェイニー (R), 2009年1月20日まで
- ジョー・バイデン (D), 2009年1月20日 - 現在
- 上院仮議長: ロバート・バード (D)
多数党(民主党)指導部
編集- 多数党院内総務及び民主党会議議長:[6] ハリー・リード
- 多数党院内幹事: リチャード・ダービン
- 民主党会議副議長: チャールズ・シューマー
- 民主党上院選挙対策委員長: ロバート・メネンデス
- 民主党会議書記: パティー・マレー
- 民主党政策委員長: バイロン・ドーガン
- Democratic Steering and Outreach Committee Chair: デビー・スタブナウ
- Democratic Committee Outreach Chair: ジェフ・ビンガマン
- Democratic Rural Outreach Chair: ブランチ・リンカン
- 筆頭院内副幹事: バーバラ・ボクサー
- 院内副幹事: トマス・カーパー、ビル・ネルソン、ラス・ファインゴールド
少数党(共和党)指導部
編集- 少数党院内総務: ミッチ・マコーネル
- 少数党院内幹事: ジョン・カイル
- 少数党院内総務顧問: 未定
- 共和党会議議長: アンドリュー・ラマー・アレクサンダー
- 共和党政策委員長: ジョン・エンスン
- 共和党会議副議長: ジョン・スーン
- 全国共和党上院会議議長: ジョン・コーニン
下院
編集- 議長: ナンシー・ペロシ
- Assistant to the Speaker: クリス・ヴァン・ホーレン
多数党(民主党)指導部
編集- 多数党院内総務: ステニー・ホイアー
- 多数党院内幹事: ジム・クライバーン
- Senior Chief Deputy Majority Whip: 未定
- 多数党筆頭院内副幹事: 未定
- 民主党幹事会議長: ジョン・ラーソン
- 民主党幹事会副議長: ハヴィアー・ベセーラー
- 民主党選挙対策委員長: クリス・ヴァン・ホーレン
- Democratic Steering/Policy Committee Co-Chairs: ジョージ・ミラー、ローザ・デローロ
- 組織研究報告委員長: マイケル・カプアーノ
少数党(共和党)指導部
編集議員
編集上院
編集
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下院
編集議員の交代
編集上院
編集2008年の大統領選挙を受けたオバマ政権での閣僚指名に関連して、4名の議員が交代した。1議席は現在係争中である。
選出州 (class) |
退職者 | 退職理由 | 後継者 | 後継者の就任日 |
---|---|---|---|---|
イリノイ州 (class 3) |
バラク・オバマ (D) (第110議会議員として) |
大統領選出後の2008年11月16日に引退。[8] 議員資格に関して異議が出たため、彼の後任(第110議会の期間中である2008年12月31日に指名)は、第111議会開会から12日後まで就任宣誓をしなかった。[9] | ローランド・バリス [10] (D) | 2009年1月15日[9] |
ミネソタ州 (class 2) |
選挙結果の是非について係争中 | 選挙結果を巡る係争により、現職者ノーム・コールマン(共和党)、推定当選者アル・フランケン(民主党)のいずれも議席についていない。そのためこの議席は、第111議会の開会した2009年1月3日以来空席となっている。 | 未定 | 未定 |
デラウェア州 (class 2) |
ジョー・バイデン (D) | 副大統領となった2009年1月15日に引退。[11] 後任は、2010年11月の補欠選挙までに決まる見通し。 | テッド・カウフマン[12] (D) | 2009年1月16日[13] |
コロラド州 (class 3) |
ケネス・リー・サラザール (D) | 2009年1月20日、内務長官就任に伴い辞職。後任は、2010年11月の補欠選挙までに決まる見通し。 | マイケル・ベネット[14] (D) | 2009年1月22日[15] |
ニューヨーク州 (class 1) |
ヒラリー・クリントン (D) | 国務長官に就任した2009年1月21日に引退。後任は、2010年11月の補欠選挙までに決まる見通し。 | キルステン・ジルブランド (D)[16] | 2009年1月27日 |
下院
編集空席となった3議席は、いずれもオバマ政権での閣僚指名に関連するものである。下院の空席は、州知事が招集する補欠選挙によって埋められる。
選出選挙区 | 退職者 | 退職理由 | 後継者 | 後継者の就任日 |
---|---|---|---|---|
イリノイ州5区 | 空席 | ラーム・エマニュエル (D) は大統領首席補佐官に指名されたため、第110議会の閉会直前に辞職した。2009年4月7日に補欠選挙が行われる予定である。 | 未定 | 未定 |
ニューヨーク20区 | キルステン・ジルブランド (D) | 2009年1月26日、ヒラリー・クリントンに代わって上院議員となったことにより下院議員を辞職。2009年3月31日に補欠選挙が行われる予定である。 | 未定 | 未定 |
カリフォルニア州32区 | ヒルダ・ソリス (D) | 辞職して労働長官に就任すると予想されている。辞職すれば、補欠選挙が行われることになる。 | 未定 | 未定 |
党派の変更
編集上院
編集選出州 (部類) |
氏名 | 変更日 | 変更前の所属政党 | 変更後の所属政党 |
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ペンシルベニア州 (第3部) |
アーレン・スペクター | 2009年4月28日 | 共和党 | 民主党 |
職員
編集上院
編集- Chaplain: バリー・C・ブラック
- Curator: 未定
- Historian: 未定
- Parliamentarian: アラン・フルミン
- Secretary: ナンシー・エリクソン
- Sergeant at Arms: テランス・W・ゲイナー
- Secretary for the Majority: ルーラ・J・デーヴィス
- Secretary for the Minority: デーヴィッドJ・スキアッパ
下院
編集註
編集- ^ a b See Pub.L. 110–430. Section 1 sets the beginning of the first session of the 111th Congress. Section 2 sets the date for counting Electoral College votes.
- ^ Consolidated Natural Resources Act of 2008, Pub.L. 110–229
- ^ フランケンの当選を発表するミネソタ州の公文書{{{1}}} (PDF)
- ^ バードは上院の改選枠組みの中ではクラス1(第1部)に属しており、2006年に再選されていたことから死去の時点で任期が2年ほど残っていた。このため、中間選挙と同日だが補選扱いとなっている。
- ^ a b c 2008年の選挙とその後の再集計で次点となったノーム・コールマン(共和党)は、ミネソタ州選出上院議員に当選したアル・フランケン(民主党)の当選無効を主張して係争中である。いずれの者も、議席にはついていない。
- ^ 民主党の上院多数党院内総務は民主党会議議長を兼ねる。
- ^ バリスは、第110議会中の2008年12月31日に指名された。しかし、彼を指名したロッド・ブラゴジェヴィッチ知事の汚職を巡る論争のために、2009年1月15日まで就任宣誓を許されなかった。
- ^ Mason, Jeff (2009年1月27日). “Obama resigns Senate seat, thanks Illinois”. The Washington Post. 2008年11月21日閲覧。
- ^ a b Hulse, Carl (2009年1月27日). “Burris Is Sworn In”. New York Times: www.nytimes.com. 2009年1月15日閲覧。
- ^ “Burris v. White, Illinois Supreme Court, No. 107816” (2009年1月9日). 2009年1月27日閲覧。
- ^ “Biden to Resign from Senate Thursday”. MSNBC. 2013年12月11日閲覧。
- ^ “Longtime Biden aide picked to fill his Senate seat”. WJLA.com (2008年11月24日). 2008年12月30日閲覧。
- ^ “Illinois, Delaware Senators to Be Seated in First Round of Replacements”. CQ Politics. 2013年12月11日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Official Press Release from Governor Bill Ritter, Jr., Jan. 3, 2009, appointing Michael Bennet”. Colorado.gov. 2009年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月11日閲覧。
- ^ “Ken Salazar sends Senate resignation”. 2013年12月11日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Aide: Kirsten Gillibrand picked as next NY senator”. 2013年12月11日閲覧。
外部リンク
編集- アメリカ合衆国議会人名録
- Congress.gov
- 議員情報(アメリカ合衆国下院HP内)
- 統計と一覧(アメリカ合衆国下院HP内)
- Membership of the 111th Congress: A Profile、議会調査局、2008年12月31日
- 第111議会の人名発音ガイド(inogolo.com内)