アポモルヒネ
アポモルヒネ(英:apomorphine)とはイソキノリンアルカロイドの一つ。モルヒネから水1分子を取り除くことにより作られる。麻薬には指定されていない。ドパミン受容体D1D2のアゴニストで、塩酸アポモルヒネ水和物としてパーキンソン病の治療に用いられる。 製品名は「アポカイン皮下注30mg」(協和発酵キリン製造販売)。CAS登録番号は [41372-20-7]。嘔吐作用はイヌで感受性が高く、ネコでは低い。
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 100% 皮下注射 |
血漿タンパク結合 | ~50% |
代謝 | Hepatic |
半減期 | 40 分(30-60分の間) |
識別 | |
CAS番号 | 41372-20-7 |
ATCコード | G04BE07 (WHO) N04BC07 (WHO) |
PubChem | CID: 6005 |
IUPHAR/BPS | 33 |
DrugBank | APRD00531 |
ChemSpider | 5783 |
UNII | F39049Y068 |
KEGG | D07460 |
化学的データ | |
化学式 | C17H17NO2 |
分子量 | 267.322 g/mol |
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適応
編集パーキンソン病におけるオフ症状の改善(レボドパ含有製剤の頻回投与及び他の抗パーキンソン病薬の増量等を行っても十分に効果が得られない場合)[1]
作用機序
編集ドパミンD1様及びD2様受容体作動薬であり、線条体においてD1/D2受容体を刺激することによりパーキンソン病における運動機能障害を改善させる。
副作用
編集化学受容器引き金帯 (CTZ) のに作用して嘔吐中枢を刺激することにより嘔吐を引き起こす。[2]
重大な副作用として突発的睡眠、傾眠、QT延長、失神、狭心症、血圧低下、起立性低血圧、幻視、幻覚、幻聴、妄想が報告されている。[1]
参考文献
編集- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版社 1991年 ISBN 4885006104
- 吐山豊秋著 『新編家畜薬理学 改訂版』 養賢堂 1994年 ISBN 4842594047
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
出典
編集- ^ a b “医療用医薬品 : アポカイン (アポカイン皮下注30mg)”. www.kegg.jp. 2021年10月3日閲覧。
- ^ 『新しい疾患薬理学』Katsunori Iwasaki, Shōgo Tokuyama, 岩崎克典., 徳山尚吾.、南江堂、Tōkyō、2018年、398頁。ISBN 978-4-524-40335-6。OCLC 1030482447 。