アトラス航空
アトラス航空(英語:Atlas Air)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州のハリソン町に拠点を置く貨物航空会社である。ギリシア神話の神アトラースにちなんで、アトラス航空と名づけられた。1992年4月に設立。親会社のアトラスエア・ワールドワイド・ホールディングスが株式をNASDAQに上場している(NASDAQ: AAWW)。
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法人番号 | 8700150043233 | |||
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設立 | 1992 | |||
ハブ空港 |
マイアミ国際空港 ジョン・F・ケネディ国際空港 ロサンゼルス国際空港 シンシナティ・ノーザンケンタッキー国際空港 アンカレッジ国際空港 ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港 ハンツビル国際空港 | |||
子会社 |
ポーラーエアカーゴ サザン・エア タイタン | |||
保有機材数 | 109 | |||
就航地 | 101 | |||
本拠地 |
ニューヨーク州 ハリソン町 パーチェス | |||
代表者 | John Dietrich (President & CEO) | |||
売上高 | US$1.40B (FY 2011)[1] | |||
営業利益 | US$171M (FY 2011)[1] | |||
純利益 | US$96.1M (FY 2011)[1] | |||
資産総額 | US$2.39B (FY 2011)[2] | |||
純資産額 | US$1.14B (FY 2011)[2] | |||
外部リンク | www.atlasair.com |
歴史
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運用実態
編集欧米で活躍していた旅客用747を大量購入し、かつ貨物用へ転用の上運用していることは世界的にも有名だが、2000年代に入り新造の-400フレイターを導入している。これら747フレイターで、民間と米軍問わず貨物輸送を行っている。また、2010年代からは他社から-400フレイターを導入し、747クラシックを全て退役させた。日本では成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港、横田基地、嘉手納基地に飛来しているほか、最近では鹿児島、北九州にも顔を出している。
愛知県で製造されたB787型機の主翼部品運搬のために開港以来約10年間中部国際空港へ定期的に飛来し続け、同空港の代名詞ともなっている機体であるボーイング社保有の747-400LCF(ドリームリフター)を運航しているのも同社である。
同社の特徴として、数多くの企業とパートナーシップを結んでいる。キューネ・アンド・ナーゲルやフレックスポート、エーペックス・ロジスティクス、アリババグループなどのフォワーダーから、カンタス航空や日本貨物航空といった航空会社の貨物便委託を受けている。一部の機材にはパートナーシップ企業のロゴが入っており、この機材は原則として特定の路線、特定の便のみで運航されるが、機体整備などの際は通常塗装の機材で運航される。
Amazon.comの専用輸送機『Amazon One』(767-300)の運行を受託している[3]が、2019年に一機墜落している[4]。(後述)
旅客チャーターの参入
編集これまで貨物専門として君臨していた同社だが、近年は軍事・国際旅客チャーター便の運航を開始。旅客として運行されるのは747-400と767-300ERで、この中には元日本航空のJA8077,8088や元全日本空輸のJA404A,405Aが含まれている。また、ヴァージンアトランティック航空から2機(N481MC←G-VROMとN482MC←G-VROYはアリタリア航空発注機のため-443の記号を持つ)が移籍してきた。767-300ERはアシアナ航空、LAN航空(現在のLATAM航空)など使用していたもので、アメリカ国内のローカル空港発着にも対応した機材である。必要に応じて757、767、777クラスも今後導入が予定されている[要出典]。
保有機材
編集現在のアトラスグループ保有機数は109機である。 このうち、アトラス航空で運用される機材は以下の航空機で構成される(2022年現在):
- ボーイング737-800BCF 8機 (全機アマゾン・エアからのリース)
- ボーイング747-400F 35機 (うち4機がBDSF型。他4機は日本貨物航空等からの移籍機でN40*KZのレジ機が元NCA機である。最近ではポーラーエアカーゴから5機、シルクウェイウエスト航空から2機が移籍してきた。シルクウェイウエスト航空機に関しては、元々マレーシア航空の貨物部門MAS Kargoが導入したため、カスタマーコードがH6を持つ。)
- ボーイング747-400LCF(ドリームリフター) 4機(全機ボーイングからの受託で、2010年8月にエバーグリーン航空から移籍)
- ボーイング747-400 6機 (1機ストア)
- ボーイング747-8F 12機
- ボーイング767-300/300ER 6機 (2機ストア)
- ボーイング767-300F/300BCF 20機 (18機はアマゾン・エアで運用)
- ボーイング777F 2機 (1機はMSC Air Cargo塗装、もう1機はノータイトルで運航)
ちなみに、ボーイング747-8Fも12機を発注したが、初期製造にあたる3機の発注を取り消し9機の導入へ変更された。その後新型コロナウイルスの流行による貨物需要の好調もあり、4機の発注を行なった。ボーイングは747型機の製造完了を2022年と決めており、この4機が本シリーズ最終導入機となる[5]。そして2023年1月31日に最終号機のN863GTが引き渡され、747シリーズの製造は全て終了した。
フロリダ州マイアミにあるアトラス航空乗務員訓練所では、自社パイロットの訓練だけでなく、アメリカ空軍第89空輸航空団(メリーランド州アンドルーズ空軍基地)から政府専用機パイロットの訓練も委託されているほどの信頼と実績もある。
なお、同社が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は7Uで、航空機の形式名は747-47UF, 747-87UF などとなる。
かつてはボーイング747型機のクラシックと呼ばれる100,200,300型機を運用した。200型機の中には元全日空機、タイ国際航空機、アリタリア-イタリア航空機、300型機はヴァリグ・ブラジル航空機も存在していた。
画像
編集-
ボーイング747-200
(元・アリタリア航空) -
ボーイング747-400
(元・日本航空) -
ボーイング747-400
(元・全日空) -
ボーイング747-400F
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ボーイング747-8F
(パナルピナ塗装)
事故
編集2019年2月23日、アトラス航空3591便(ボーイング767-300F、マイアミ国際空港発ヒューストン国際空港行きのアマゾン専用機)が、テキサス州でアプローチ中に墜落。乗員3人は全員死亡[6][7][8][9][10]。原因は着陸復航モードの誤った作動に対して副操縦士が不適切な反応をしたことであるとされた。
脚注
編集- ^ a b c Atlas Air Worldwide Holdings (AAWW) annual SEC income statement filing via Wikinvest.
- ^ a b Atlas Air Worldwide Holdings (AAWW) annual SEC balance sheet filing via Wikinvest.
- ^ “Amazon.com、自前の貨物航空機の運航開始”. 日経 xTECH. (2016年8月8日)
- ^ “3 people on board Cargo jet that crashed in Chambers County” (英語). KBMT. 2019年2月24日閲覧。
- ^ . https://www.aviationwire.jp/archives/218871
- ^ “Cargo jet with three reported aboard crashes in water near Houston”. NBC News. 24 Feb 2018閲覧。
- ^ Josephs, Leslie. “Atlas Air Flight 3591: Cargo jet crashes near Houston with 3 aboard”. www.cnbc.com. 24 February 2019閲覧。
- ^ Swift, Tim. “3 dead after cargo plane from Miami crashes outside Houston”. WPLG. 24 February 2019閲覧。
- ^ “3 people on board Cargo jet that crashed in Chambers County”. KBMT. 24 feb 2019閲覧。
- ^ Collman, Ashley. “Breaking news: Boeing 767 cargo plane crashes in Texas, reportedly killing all three on board”. INSIDER. 24 february 2019閲覧。
外部リンク
編集- Atlas Air
- Atlas Air Worldwide Holdings (@atlasairworldwide) - Instagram