アエルマッキ MB-339
アエルマッキ MB-339
アエルマッキ MB-339(Aermacchi MB-339)はイタリアのアレーニア・アエルマッキ社が開発した高等練習機および軽攻撃機。アエルマッキ MB-326の後継機として、イタリア空軍のほか、各国が採用した。
概要
編集MB-339は、MB-326の後期型より機体構成の多くが受け継がれ、アビオニクス及び前部胴体を除き変更点は少ない。前部胴体については、練習生であるパイロットの頭上から可視性を得るため、インストラクターの座席位置を高く配置し直されている。これによる方向安定性の低下を補うため、垂直尾翼の大型化とベントラルフィンの追加も行われた。MB-326と同様、主翼下6箇所のハードポイントに武装を搭載することが可能である。
初飛行は1976年8月12日に行っており、イタリア空軍への引渡しは1979年より開始された[1]。MB-326と同様に、コックピットを単座化し固定機関砲を搭載した攻撃機型MB-339KベルトロIIも開発されたが、諸外国の関心を得られず試作のみに終わっている。ロッキード社と提携しTバードIIとしてアメリカ軍の統合基本航空機訓練システム計画(JPATS計画)選定にも売り込んだが、T-6 テキサンIIに敗北している。
輸出セールスではMB-326ほどの成功を収められなかったものの、1990年代にはコクピットを近代化した改良型も開発され、2000年以降も依然として生産が続けられた。生産機数は200機を超え、その半分はイタリア空軍へ納入されている。
派生型
編集- MB-339X
- 試作機。
- MB-339A
- イタリア空軍向け量産機。
- MB-339KベルトロII
- 1980年代に開発された単座対地攻撃機。試作のみ。
- MB-339B
- 攻撃強化型練習機。試作のみ。
- MB-339C
- エンジンを強化型に換装し、航法・攻撃システムをアップグレードした改良型。若干延長された機首と大型化した翼端増槽が特徴。空中給油プローブの取り付けも可能。
- MB-339CD
- グラスコックピットを導入した近代化型。エンジンはA型に準ずる。
- MB-339 TバードII (ロッキード TバードII)
- アメリカ空軍とアメリカ海軍の統合基本航空機訓練システム計画(JPATS計画)向けに、ロッキードと共同で改良を施した型。不採用。
採用国
編集仕様 (MB-339A)
編集出典: Jane's All The World's Aircraft 1980-81 [2]
諸元
- 乗員: 2名
- 全長: 10.97 m (36 ft 0 in)
- 全高: 3.99 m (13 ft 0 in)
- 翼幅: 10.85 m(35 ft 7.5 in)
- 翼面積: 19.3 m2 (208 ft2)
- 空虚重量: 3,125 kg (6,889 lb)
- 最大離陸重量: 5,895 kg (13,000 lb)
- 動力: ピアッジョ バイパー Mk. 632-43 ターボジェットエンジン、17.8 kN (4,000 lbf) × 1
性能
- 最大速度: 900 km/h (560 mph)
- 航続距離: 1,770 km (1,100 mi)
- 実用上昇限度: 14,600 m (47,900 ft)
武装
- 搭載量: 最大 1,814 kg (4,000 lb) ハードポイント8箇所
- 対空ミサイル:AIM-9 サイドワインダー、マトラ R550 マジック
- 対地ミサイル:AS-11, AS-12, AGM-65 マーベリック
- クラスター爆弾:BAP-100, BAT-120
- ロケット弾:50 mm, 68 mm, 81 mm, 2.75 インチ ロケット弾
参考文献
編集- Taylor, John W.R. (ed.) Jane's All The World's Aircraft 1980-81. London: Jane's Publishing. ISBN 0-7106-0705-9.
脚注
編集関連項目
編集- アエルマッキ MB-326
- BAe ホーク
- ダッソー/ドルニエ アルファジェット
- 空戦乙女☆ヴァージンストライク(機体そのものではなく擬人化した空乙女として多数登場している)