めだかの兄妹
「めだかの兄妹」(めだかのきょうだい)は、わらべ(高部知子・倉沢淳美・高橋真美)の3拍子の楽曲で、1枚目のシングル。1982年12月21日に発売。「めだかの兄弟」は誤記。
「めだかの兄妹」 | ||||
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わらべ の シングル | ||||
初出アルバム『のぞみ・かなえ・たまえ めだかの兄妹』 | ||||
B面 | 春風の郵便屋さん | |||
リリース | ||||
規格 |
7インチレコード 7K-85 | |||
ジャンル | 童謡、アイドル歌謡曲 | |||
時間 | ||||
レーベル | フォーライフ | |||
作詞・作曲 |
荒木とよひさ(作詞) 三木たかし(作曲) 坂本龍一(編曲) | |||
チャート最高順位 | ||||
わらべ シングル 年表 | ||||
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概要
編集1982年10月13日にテレビ朝日系列『欽ちゃんのどこまでやるの!』のエンディングにてこの曲が歌われた[1]。たちまち子供たちの間で流行し始め、幼稚園関係者からも楽譜を求める問い合わせが殺到する[2]。
当初レコードは1983年1月発売予定だったが、反響の大きさから前倒しされ、1982年12月21日にフォーライフ(現:フォーライフミュージックエンタテインメント)から発売された[3]。その後この曲の人気はサラリーマンにまで広まった[4]。
レコード売上は3か月で70万枚を突破した[3]。累計で公称では100万枚を超える大ヒットになった[5]。なお、オリコン集計では約88.5万枚を売り上げ[6]、次作「もしも明日が…。」に次ぐヒットとなった。
「めだかの兄妹」は、『欽ちゃんのどこまでやるの!』主演の萩本欽一が親交のある三木たかしに「最近、兄妹をテーマにしたほのぼのとした歌が全くないので、そんな歌を作ってほしい」と頼んだことがきっかけで制作された[4]。編曲を担当した坂本龍一は1週間苦しんだという[4]。メロディはワルツで[1]、童謡とポップス調の親しめる内容に仕上がっており[4]、「新童謡」といわれた[4]。
なお、発売翌年の1983年に、いわゆる「ニャンニャン事件」により、萩本のぞみ役の高部がグループから脱退したため、本作は3人体制では唯一(最初にして最後)のシングルになった。
収録曲
編集両曲とも、作詞:荒木とよひさ 作曲:三木たかし 編曲:坂本龍一
- めだかの兄妹 -(3:19)
- テレビ朝日系『欽ちゃんのどこまでやるの!』挿入歌
- すずめの兄弟を倉沢淳美、子猫の兄弟を高部知子、めだかの兄弟を高橋真美が歌う。
- 春風の郵便屋さん -(4:10)
余談
編集坂本龍一がのちに『欽ちゃんのどこまでやるの!』にゲストとして出演した際、『めだかの兄妹』の編曲の仕事について、「どうしてこれが自分のところに来たのかと思った」と率直な感想を語っている。
物品税にまつわるエピソード
編集「めだかの兄妹」は当初、『新しい時代の童謡』というコンセプトで製作された。発売当時は物品税があり(消費税導入時に廃止)、レコードは『生活必需品ではない』という考えから物品税の課税対象とされていたが、例外的に童謡は教育に配慮して物品税は非課税扱いとされた。
本作を発売したフォーライフ・レコードは当初「A面曲・B面曲共に童謡である」と判断し、物品税を申告しなかった[7]。だが大ヒットしたため、後に童謡(非課税)か歌謡曲(流行歌)(課税)かで争いとなった[7]。国税庁はA面曲の「めだかの兄妹」は「童謡とも流行歌ともはっきりしない」[7]「童謡的流行歌」[8]と判定。一方でB面曲の「春風の郵便屋さん」は流行歌(歌謡曲)と判定し、その上でB面曲のほうが録音時間が長いという理由で、課税対象とした[7]。フォーライフは東京国税局と交渉したが、結局フォーライフ側が折れる形で国税庁の判断を受け入れ、1983年6月10日までに1983年3月末までの売上50万枚分の物品税3000万円を改めて払うことで決着した[8]。一方で、本曲を収録した10曲録音のカセットテープ『のぞみ・かなえ・たまえ めだかの兄妹』は非課税となった[9]。
これに対し、作曲家の中田喜直は国税庁の主張に反論し、ある曲が童謡か否かは歌詞で判断すべきであり、歌詞からみれば「めだかの兄妹」は明らかに童謡であるとした[7]。
カバー
編集- しゅうさえこ - 1983年。アルバム『さっこおねえさんといっしょ』に収録。
- 石井由美、大園智英子、高羽千尋、コロムビアゆりかご会 - 日本コロムビア版カバー音源(編曲:たかしまあきひこ)。1983年発売のコンパクト盤「運動会用レコード めだかの兄妹/ゆかいな仲間/世界を花でかざりましょう/ラッパを吹いて」(規格品番:EE-3062)A面1曲目に収録。また、1983年発売のLP『創立50周年記念 うたえ!ゆりかご会』、2001年発売『おやこでうたおう!こどものうたスーパーヒット』など、複数の子供向け楽曲のコンピレーション・アルバムに収録されている。
- たいむりい - ポニー、キャニオン・レコード版カバー音源。1983年発売のLP・カセットテープ『こどもテレビのうた ベストアルバム めだかの兄妹〜およげ!たいやきくん』収録。
- マーチングフェローズオーケストラ - インストゥルメンタル。ビクター音楽産業からシングルレコード「めだかの兄妹/マーチングマーチ」(SK-2013)として発売。
- ドリーミング(コーラス:森の木児童合唱団) - 1991年。アルバム『アンパンマンがえらんだこどものうた 〜いちねんせいになったら』などに収録。
- 羽生未来 - 2003年。『けんたろうとミクのワイワイキッズ ワイワイキッズ♪最新ベストソング おきにいり』に収録。
- さくら学院帰宅部sleepiece - 2011年。アルバム『さくら学院 2010年度 〜message〜』に収録。
キャラクター商品
編集「めだかの兄妹」のイメージに合わせたアニメーションによるミュージック・ビデオが制作され、『欽ちゃんのどこまでやるの!』などで放送されていた。このアニメキャラクターは13社が商品化権を取得し、例えばバンダイはぬいぐるみを、大松工業はサンダルを販売した[10]。なおこのアニメキャラクターはテレビ朝日ミュージックが著作権を保有している[10]。
絵本
編集- 『講談社のこどもテレビブック(47) めだかのきょうだい うたのえほん』
- 企画:テレビ朝日ミュージック、原画:南家こうじ、制作:スタジオぴえろ。講談社、1983年、ISBN 4-06-108567-0。
チョコ菓子
編集その他
編集脚注
編集- ^ a b 長田暁二『昭和の童謡アラカルト―戦後編』ぎょうせい、1985年、250頁。ISBN 4324001243。
- ^ 『昭和の童謡アラカルト―戦後編』250-251頁。
- ^ a b 『昭和の童謡アラカルト―戦後編』252頁。
- ^ a b c d e 『昭和の童謡アラカルト―戦後編』251頁。
- ^ わらべ、TOWER RECORDS ONLINE(CDジャーナル)、2012年7月30日(2017年6月27日更新)。
- ^ 『1968-1997 オリコンチャートブック アーティスト編 全シングル作品』オリコン、1997年、p.392.
- ^ a b c d e 「ヒットしたら なんになる 流行歌か童謡か 『物品税払え』国税庁は流行歌扱い レコード会社は拒否」『毎日新聞』1983年5月24日付東京朝刊、21頁。
- ^ a b 「『めだか』やはり流行歌 レーコド会社(ママ)3000万円納税」『毎日新聞』1983年6月10日付東京夕刊、15頁。
- ^ 読売新聞解説部(著)『間接税のわかる本』読売新聞社、1983年、90-93頁。NDLJP:11950483/50
- ^ a b 「サンダルの人気スイスイ?──大松工業、『めだかの兄妹』版権を取得」、『日本経済新聞』1983年6月21日付地方経済面(静岡)、6頁。