みなかみユネスコエコパーク
群馬県・新潟県にある生物圏保存地域
みなかみユネスコエコパークは、群馬県利根郡みなかみ町・新潟県魚沼市・南魚沼市[1]・南魚沼郡湯沢町を圏域とする「みなかみ生物圏保存地域」の呼称。
概要
編集みなかみユネスコエコパーク地域は[2]、上信越高原国立公園[3]・越後三山只見国定公園[4]・魚沼連峰県立自然公園[5]区域内で、首都圏の生活を支える利根川水源の源流部になり[6]、県境域は山岳地域で中央分水界になっている。固有種のホソバヒナウスユキソウが生え[7]、希少な鳥類の大型猛禽類(アンブレラ種)が生息するなど森林環境が世界的に貴重と評価された。総面積91,368haは、源流部の核心地域(9,123ha)、緩衝地域(60,421ha)、移行地域(21,824ha)の3つに区分されている。
土地利用区分
編集土地利用区分(ゾーニング)は下記のとおりである[8]。
区分 | 基本理念 | 地域 |
---|---|---|
核心地域 (9,123ha) | 生態系や生物多様性保全上重要な地域であり、手つかずの自然等を厳重に保護する地域 (手つかずの原生的な自然環境が利根川の最初の一滴を生みだすエリア) |
利根川源流部・燧ヶ岳周辺森林生態系保護地域[9]【保存地区】 利根川源流部自然環境保全地域[10] 上信越高原国立公園特別保護地区及び第1種特別地域 |
緩衝地域 (60,421ha) | 核心地域に隣接し、核心地域に影響を及ぼさないように教育・研修、エコツーリズムなど保全と活用を推進していく地域 (水源涵養機能をはじめ森林の多様な機能を高めるための保全管理を行い環境教育・調査研究・エコツーリズム等が行われるエリア) |
みなかみ町域の国有林の全域(核心地域及び野外スポーツ地域以外)・群馬県自然環境保全地域の宝川地区[11] 越後三山只見国定公園の第1種特別地域及び特別保護地区の一部(魚沼市) 利根川源流・燧ヶ岳周辺森林生態系保護地域【保全利用地区】の一部(南魚沼市) 緑の回廊三国線[12]、及び上信越高原国立公園特別地域の一部(南魚沼市、南魚沼郡湯沢町) |
移行地域 (21,824ha) | 緩衝地域を支援する機能を有し、私たちが暮らし、経済活動が行われ、自然環境の保全と調和した持続可能な地域 (日々のくらしと経済活動を行う中で豊かな森と水の持続的な利用を積極的に行うエリア) |
核心地域、緩衝地域以外のみなかみ町域の全域 |
経緯
編集- 2001年(平成13年)6月9日 - 『利根川源流讃歌』第1回発表会が開催される[13]。
- 2003年(平成15年)
- 2012年(平成24年)
- 2014年(平成26年)7月 - みなかみ町役場にエコパーク推進室を設置。
- 2016年(平成28年)8月12日 - 日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会において国内審査が行われユネスコへの推薦が決定[18][19]。
- 2017年(平成29年)6月14日 - 第29回人間と生物圏(MAB)国際調整理事会において審議・決定[20][21][22]。
- 2018年(平成30年)2月16日 - LUSHエシカルバイイング(購買活動)で日本自然保護協会と連携、赤谷の森から生まれたラッシュギフトアイテムの包装紙資材として、イヌワシペーパーおよびカスタネットペーパーを開発[23][24]。
山岳
編集河川・ダム
編集交通・峠
編集出典
編集- ^ “みなかみユネスコエコパーク”. 南魚沼市. 2017年12月24日閲覧。
- ^ “みなかみエコパークエリア概要図” (PDF). 南魚沼市. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “上信越高原国立公園(谷川地域)区域及び公園計画図”. 環境省. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “越後三山只見国定公園区域図及び公園計画図”. 新潟県. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “魚沼連峰県立自然公園区域図及び公園計画図”. 新潟県. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “群馬)潤いの源、雪渓の一滴 利根川水系をたどる”. 朝日新聞. (2017年1月1日) 2017年12月24日閲覧。
- ^ “Minakami Biosphere Reserve, Japan” (英語). UNESCO (2020年4月). 2023年2月7日閲覧。
- ^ “みなかみユネスコエコパークの推進エリア” (PDF). みなかみ町. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “利根川源流部・燧ヶ岳周辺 森林生態系保護地域” (PDF). 関東森林管理局. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “利根川源流部自然環境保全地域”. 環境省. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “群馬県自然環境保全地域”. 群馬県. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “緑の回廊三国線”. 関東森林管理局. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “利根川源流讃歌”. 利根川源流讃歌事務局. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “奥利根水源憲章”. 「奥利根水源憲章」推進委員会. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “赤谷プロジェクト”. 関東森林管理局. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “谷川岳エコツーリズム推進協議会”. 谷川岳エコツーリズム推進協議会. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “谷川岳エコツーリズム推進協議会”. 谷川岳エコツーリズム推進協議会(Facebook). 2017年12月26日閲覧。
- ^ “ユネスコエコパークへの推薦決定について”. 文部科学省 (2016年8月12日). 2017年12月26日閲覧。
- ^ “新規 推薦 地「みなかみ」の概要について” (PDF). 文部科学省. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “国内2地域のユネスコエコパークへの登録決定について”. 農林水産省 (2017年6月15日). 2017年12月26日閲覧。
- ^ “物圏保存地域(ユネスコエコパーク)への登録について~第29回人間と生物圏(MAB)計画国際調整理事会での審議結果~”. 環境省 (2017年6月15日). 2017年12月26日閲覧。
- ^ “みなかみがエコパーク登録 世界基準の評価に地元歓喜 「よかった」” (2017年6月14日). 2017年12月24日閲覧。
- ^ “英国発化粧品ブランドLUSH(ラッシュ)日本自然保護協会と連携し、群馬県みなかみ町の「赤谷の森」再生と地域づくりに繋がるギフト商品包装資材などを開発”. PR TIMES (2018年2月9日). 2018年2月11日閲覧。
- ^ “英国発化粧品ブランドLUSH(ラッシュ)が日本自然保護協会と連携し、自然保護と地域づくりにつながる原材料調達を決定!”. 日本自然保護協会 (2018年2月9日). 2018年2月11日閲覧。
- ^ “利根川源流部自然環境保全地域 区域図”. 環境省. 2018年1月14日閲覧。
- ^ “平ヶ岳・白沢山西面”. 群馬県. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “至仏山・笠ヶ岳西面”. 群馬県. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “巻機山東面”. 群馬県. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “朝日岳・白毛門山東面”. 群馬県. 2017年12月26日閲覧。
- ^ “ぐんま県境稜線トレイル”. 群馬県. 2018年1月10日閲覧。
- ^ “「ぐんま県境稜線トレイル」谷川岳・ 馬蹄形縦走コース”. 群馬県. 2018年1月12日閲覧。
- ^ “「ぐんま県境稜線トレイル」三国峠エリア”. 群馬県. 2018年1月10日閲覧。
外部リンク
編集- みなかみユネスコエコパーク
- みなかみユネスコエコパーク (MinakamiBR) - Facebook
- みなかみユネスコエコパーク〈MINAKAMI BR〉群馬県みなかみ町 - YouTube