いなげや
日本のスーパーマーケットチェーン、および東京都立川市にあるその運営会社
株式会社いなげや[1][4](英: Inageya Co., Ltd.[4])は東京都立川市に本社を置き、関東地方南部を中心に店舗を展開するスーパーマーケット大手チェーン。イオン傘下のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの子会社である[5]。
本社 | |
種類 | 株式会社[1] |
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市場情報 | |
本社所在地 |
日本 〒190-8517[1] 東京都立川市栄町6丁目1番地の1[1] 立飛ビル1号館 北緯35度42分54.7秒 東経139度25分24.8秒 / 北緯35.715194度 東経139.423556度座標: 北緯35度42分54.7秒 東経139度25分24.8秒 / 北緯35.715194度 東経139.423556度 |
設立 |
1948年(昭和23年)5月20日 (株式会社稲毛屋)[1] |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 2012801000159 |
事業内容 | スーパーマーケット事業 |
代表者 | 代表取締役社長 本杉吉員 |
資本金 |
89億8,100万円 (2021年3月31日現在)[2] |
発行済株式総数 |
5,238万1,447株 (2021年3月31日現在)[2] |
売上高 |
連結: 2,659億1,700万円 単独: 2,139億1,800万円 (2021年3月期)[2] |
営業利益 |
連結: 69億8,200万円 単独: 52億7,200万円 (2021年3月期)[2] |
経常利益 |
連結: 72億9,000万円 単独: 55億6,100万円 (2021年3月期)[2] |
純利益 |
連結: 41億2,400万円 単独: 30億2,300万円 (2021年3月期)[2] |
純資産 |
連結: 555億3,300万円 単独: 427億900万円 (2021年3月31日現在)[2] |
総資産 |
連結: 990億6,400万円 単独: 804億6,900万円 (2021年3月31日現在)[2] |
従業員数 |
連結: 2,805人 単独: 2,045人 (2021年3月31日現在)[2] |
決算期 | 3月31日 |
会計監査人 | 仰星監査法人[3] |
主要株主 |
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス (2024年11月30日現在) |
主要子会社 | 「#グループ・関連会社」参照 |
関係する人物 | 猿渡浪蔵(創業者) |
外部リンク |
www |
概要
編集東京府南多摩郡稲城村(現・東京都稲城市)の農家の子であった猿渡浪蔵が、甲武鉄道(現・中央本線)の立川駅前に移り住み、その周辺(府中、村山、東大和、国分寺)にて大八車による塩干物の引き売りを始めた。次第に商売が繁盛し、野菜なども売るようになったが、引き売りできる品数に限界を感じ、1900年(明治33年)立川の住居を店舗に改装して「稲毛屋」として開業したことが、同社の始まりである。
「稲毛屋」の屋号は、創業者の出生地一帯を鎌倉時代に統治していた地方豪族の稲毛三郎重成にあやかりつけられたものである[広報 1]。千葉市稲毛区とは関係がなく、店舗も存在しない。
沿革
編集- 1900年(明治33年) - 鮮魚商「稲毛屋」を創業[1]。
- 1948年(昭和23年)5月20日 - 「株式会社稲毛屋」を設立[1]。
- 1956年(昭和31年)- セルフサービス販売方式を採用した東京都多摩地域では最初のスーパーマーケットを開設[1]。
- 1965年(昭和40年) - スーパーマーケットチェーンの展開体制を確立[1]。
- 1966年(昭和41年) - 株式会社稲毛屋田無店を吸収合併。
- 1969年(昭和44年) - 多摩平店を営業譲渡。同年12月に本部を東京都東大和市に移転。
- 1973年(昭和48年) - 流通センター(現・武蔵村山センター)を東京都武蔵村山市に開設[1]。
- 1974年(昭和49年) - 第1流通センター(現・武蔵村山残堀店)を開設、一般食料品および雑貨の物流部門を移転。
- 1976年(昭和51年)
- 第1流通センターを東京都立川市に移転(現・立川青果センター)。
- ODS(オープン・デイティング・システム:鮮度保証制度)を日本で最初に実施[1]。
- 1978年(昭和53年)
- 1981年(昭和56年) - 生鮮食品の仕分け保管センターとして第4流通センター(現・武蔵村山センター)を開設。
- 1982年(昭和57年)4月 - 株式会社トス設立[1]。
- 1984年(昭和59年)9月 - 東証第一部に株式上場[1]。商号を株式会社いなげやに変更[1]。
- 1985年(昭和60年) - 本部を東大和市から立川市に移転。同年、共同仕入機構の日本流通産業(ニチリウグループ)に加盟。
- 1986年(昭和61年) - 自社初のSSM(スーパー・スーパーマーケット)である毛呂店を開設。POSシステムの実験を開始する。株式会社よむよむ、株式会社サンフードジャパン、株式会社クックサンの3社を設立。
- 1988年(昭和63年) - 100店舗を達成。
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年) - POSシステムを全店へ導入。 株式会社ウェルパーク設立。
- 1992年(平成4年) - 同社グループ初のSC(ショッピングセンター)となるサビア飯能店を埼玉県飯能市に開設(2015年11月10日閉店)。
- 1994年(平成6年) - 武蔵村山市にベーカリーセンターを開設。同社グループ2店舗目のSCとなるサビア横芝店を千葉県横芝町(現・横芝光町)に開設(2016年5月31日閉店)。
- 1995年(平成7年) - 千葉県野田市に千葉センターを開設。東京都立川市に立川ドライセンター、立川青果センターを開設。
- 1999年(平成11年) - 千葉センターを千葉県船橋市に移転・拡充、新千葉センターを開設。
- 2001年(平成13年) - ウェルパーク、イオン・ウエルシア・ストアーズ加盟。
- 2002年(平成14年) - イオン株式会社が、秀和の保有するいなげや株を引き取り、筆頭株主となる。
- 2004年(平成16年) - イオンと業務提携。
- 2005年(平成17年) - ニチリウグループを脱退。
- 2006年(平成18年) - よむよむ株の9割を株式会社リブロへ売却。レジでの支払い時にクレジットカードが利用可能になる。
- 2012年(平成24年) - 株式会社三浦屋の株式を取得。
- 2014年(平成26年) - 株式会社クックサンを吸収合併。
- 2021年 (令和3年) - 株式会社三浦屋を丸の内キャピタルへ売却。
- 2023年(令和5年)
- 12月6日 - イオンによるTOB成立に伴い同社の連結子会社となる[6]。
- 2024年(令和6年)
- 9月2日 - いなげや傘下のドラッグストア「ウェルパーク」をウエルシアホールディングスに売却[7][8][広報 2]。
- 11月28日 - 上場廃止[9]。
- 11月30日 - 株式交換により、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの完全子会社となる[5][10]。
事業所
編集- 立川 青果・生鮮センター(東京都立川市泉町)
- 国分首都圏ドライセンター(東京都昭島市拝島町)
- 武蔵村山 精肉・鮮魚センター(東京都武蔵村山市伊奈平)
- 入間惣菜センター(埼玉県入間市上藤沢)
- 千葉センター(千葉県船橋市豊富町)
- 国分船橋ドライセンター(千葉県船橋市日の出)
店舗・ブランド
編集→現行の店舗についての詳細は、公式サイトの「店舗一覧」を参照
2024年時点の出店店舗数を以下に示す。地域の分類は上記公式サイト「店舗一覧」に基づく。
- 東京都 - 71店舗(いなげや:55、ina21:12、blooming bloomy:3)
- 埼玉県 - 29店舗(いなげや:25、ina21:1、blooming bloomy:3)
- 神奈川県 - 26店舗(いなげや:21、ina21:4)
- 千葉県 - 6店舗(いなげや:6)
- 全店合計 - 120店舗(いなげや:107、ina21:17、blooming bloomy:6)
かつて台湾現地企業「裕源企業」との合弁により台湾中部において「裕毛屋」として出店していたが現在は資本提携が解消され名称のみが残っている[11]。
- いなげや(Inageya)
- 通常ブランド。2024年現在107店舗が使用している。
- ina21(EDLP形式の店舗)
- 17店舗(千葉県を除く)がこのブランドを使用している。
- blooming bloomy(高質形式の店舗)
- 6店舗(東京都と埼玉県のみ)がこのブランドを使用している。
廃止されたブランド
編集- ESBI(エスビイ、EDLP形式の小型店舗)
- 千葉県を除いた3都県の店舗で使用していたが、最後の1店となった立川南口店の閉店を以て廃止。また、ESBI+(エスビイプラス)の屋号をウェルパークの店舗が使用していた。
地域と共に歩むいなげや
編集POSシステム
編集ポイントカード
編集一部店舗を除き、「ing(アイエヌジー)・ファンカード」と称するポイントサービスを実施している。ポイントカードはクレジット機能なしの「ing・fanクラブカード」と、クレジット機能付きの「ing・fanVカード」の二種類がある。
不祥事
編集- 2003年(平成15年) - チーフをしていた20代男性が過労自殺[12]。
- 2016年(平成28年) - 2014年(平成26年)に脳梗塞で亡くなった従業員が過労死認定される[12]。
- 2017年(平成29年) - 東京地方裁判所が男性従業員に対するパワハラを認め、22万円の賠償を命じる判決を会社と指導員に言い渡した。知的障害を抱える男性従業員に対し、女性上司による差別的言動を認定した[13][14][15]。その後、双方が控訴。2018年に東京高等裁判所で和解成立。女性に不適切な言動があったことや、いなげやが適切な対応ができなかったことを認める内容。いなげやが、精神的に傷つき退職したことに遺憾の意を示し、研修などを充実させて障害者の職場環境の整備に努めることも盛り込まれた。[16][17]
グループ・関連会社
編集出典
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 流通会社年鑑 2003年版, 日本経済新聞社, (2002-12-20), pp. 148-153
- ^ a b c d e f g h i 株式会社いなげや『第72期(2019年4月1日 - 2020年3月31日)有価証券報告書』(レポート)、2020年6月25日。
- ^ 第73回定時株主総会決議ご通知
- ^ a b 株式会社いなげや 定款 第1章第1条
- ^ a b “新生U.S.M.H | ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社”. ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社 | (2024年11月29日). 2024年11月30日閲覧。
- ^ “イオン、「いなげや」を連結子会社化…首都圏でスーパーを展開”. 読売新聞 (2023年11月30日). 2023年12月1日閲覧。
- ^ a b “ウエルシアHD、いなげや子会社のドラッグストア・ウェルパークを完全子会社化”. 読売新聞 (2024年4月18日). 2024年4月19日閲覧。
- ^ a b “ウェルパークを完全子会社化”. 日本経済新聞 (2024年4月19日). 2024年4月19日閲覧。
- ^ “USMHといなげやが統合 11月末に株式交換”. 時事通信 (2024年4月18日). 2024年4月19日閲覧。
- ^ “2024/11/08 IR 株式交換公告”. 株式会社いなげや. 2024年11月30日閲覧。
- ^ “いなげや、台湾合弁から撤退、SM子会社を売却”. 日本食糧新聞. (2002年12月27日) 2020年9月21日閲覧。
- ^ a b 産経ニュース スーパーいなげやでチーフが過労死 平成15年にも過労自殺 遺族が「再発防止」求める
- ^ “障害者に暴言 「いなげや」に賠償命令 東京地裁”. 日本放送協会 (2017年11月30日). 2017年12月2日閲覧。[リンク切れ](アーカイブサイト)
- ^ “スーパー「いなげや」に賠償命令 障害者に女性上司がパワハラ「仕事ぶりが幼稚園児以下だ」”. 産経新聞. (2017年11月30日) 2017年12月2日閲覧。
- ^ “いなげやに22万円賠償命令=知的障害の従業員に暴言-東京地裁”. 時事通信. (2017年11月30日) 2017年12月2日閲覧。[リンク切れ](アーカイブサイト)
- ^ 障害者パワハラ訴訟が和解 いなげやが環境整備を約束 産経新聞 2018年11月6日
- ^ いなげや、元障害者従業員と和解~職場環境が不十分だったことを認める~ 2018年11月9日 障害者雇用ドットコム
広報資料・プレスリリースなど一次資料
編集- ^ いなげや物語(いなげや公式サイト)
- ^ “ウエルシアホールディングスによるウェルパークの完全子会社化、いなげやに於ける子会社の異動(株式譲渡)並びに当該子会社からの特別配当の受領及び特別利益の計上に関するお知らせ”. いなげや・ウエルシアHD・イオン (2024年4月18日).
- ^ 西武鉄道創立100周年記念シリーズ協賛企業一覧 [リンク切れ](アーカイブサイト)
- ^ 『いなげや様と菱食様における店舗在庫最適化支援システムを構築』(プレスリリース)富士通株式会社・株式会社富士通システムソリューションズ、2010年6月10日 。2012年12月16日閲覧。
関連項目
編集- りそな銀行 - いなげやの大株主であるとともにメインバンクである。
- カスミ - 同じく関東を地盤としたスーパーマーケット。同時期にニチリウグループを脱退してイオングループ入りしている。
- ブラック企業大賞2017
- マイヤ - 岩手県大船渡市に本社を構えて、岩手県と宮城県に店舗を構えるスーパーマーケット。CGCグループに加盟し、前社長かつ現在の同社会長が相談役を務めるマークスホールディングスの子会社。現在の社長は元いなげやの取締役が務めている。
- 川尻こだま - 漫画家。Twitterで発表しているエッセイ漫画『あたしゃ川尻こだまだよ』で頻繁にいなげやを取り上げていたことから従業員の間でも話題となり、公式コラボするまでに至る。