ZVI KEVIN
ZVI KEVIN(ツビ ケビン)は、2007年に製造されたチェコ共和国製の民間護身用、および特殊部隊や軍の副兵装(サイドアーム)用[1]に開発された小型自動式拳銃。
概要 | |
---|---|
種類 |
民間用自動拳銃 軍用・警察用自動拳銃 |
製造国 | チェコ共和国 |
設計・製造 | ZVI社 |
性能 | |
口径 | 9mm |
銃身長 | 57mm |
ライフリング |
6条左回り 4条右回り |
使用弾薬 |
.380ACP(9x17mm)弾 9mmマカロフ(9x18mm)弾 |
装弾数 |
6+1発 8+1発(.380ACP弾用) |
作動方式 |
ダブルアクションオンリー ガスディレードブローバック |
全長 | 116mm |
重量 | 400g |
有効射程 | 15m |
概要
編集Type 703、Type 704、Type 706、Type 707、Type 709といったバージョンが存在する。
また、.380ACP弾と9x18mmマカロフ弾の他、9mmゴム弾も使用可能[2]。
機構
編集グリップはクルミ木製またはプラスチック製、バレルとスライドは鋼鉄を使用しているが、フレームは高強度アルミニウム合金を使用することで重量を400gに抑えている。コンパクトかつ軽量であることを売りとしていて、一般的な肩や腰のホルスターの他にも足首に付けたりハンドバッグなどに入れることも推奨している[3]。
本銃の特徴として、ZVI社が"Reverse Gas Withdrawal"と呼ぶ独自のガスディレードブローバック(ガス遅延吹き戻し)方式を採用している点が挙げられる。これは、銃身の薬室上部に2つの小さなガスポートを穿ち、ガスポートから噴出する発射ガスをエジェクションポートの前縁に吹き付けてスライドの後退を遅れさせるというもの[4][5]。
製品名の由来
編集KEVIN(ケビン)の製品名の由来は、映画『ホーム・アローン』の主人公ケビン・マカリスターから取ったもの[6]。
問題
編集ZVI社は、2007年に民間市場に参入したばかりの企業であり、また、チェコ共和国の企業ということも相まって、世界に販売網がない状態にあった。そこで、デザートイーグルやジェリコ941(アメリカでは「ベビーイーグル」という名で販売されている)に似た外見に目をつけたマグナムリサーチ社が販売提携を行い、「マイクロ・デザートイーグル」の名前で販売している。しかし、マグナムリサーチ社はマイクロ・デザートイーグルを『自社で開発した』と発表したため、ZVI社とマグナムリサーチ社の間で問題となっている。
マイクロ・デザートイーグル
編集概要 | |
---|---|
種類 | 民間用自動拳銃 |
製造国 | アメリカ合衆国 |
設計・製造 | マグナムリサーチ社 |
性能 | |
口径 | 9mm |
銃身長 | 57mm |
使用弾薬 | .380ACP(9x17mm)弾 |
装弾数 | 6+1発 |
作動方式 |
ダブルアクションオンリー ガスディレードブローバック |
全長 | 116mm |
重量 | 400g |
有効射程 | 15m |
概要
編集マグナムリサーチ社が自社のホームページでMicro Desert Eagle(マイクロ・デザートイーグル)、もしくはMicro Eagle(マイクロ・イーグル)という名称で販売している。価格は535ドル。
構造や外見はZVI KEVINと変わりないが、マグナムリサーチ社は自社で開発したと発表している。
ちなみに、ZVI社が"Reverse Gas Withdrawal"と呼んでいるものをマグナムリサーチ社は"Gas-Assisted Blowback"と呼んでいる。
脚注
編集- ^ 単なる宣伝文句であり、実際の採用例がある訳ではない
- ^ 実際には9mmパラベラム弾も使用可能という情報もある
- ^ カタログより
- ^ ただし、単に発射ガスが抜ける事で腔圧が低下し、低威力のストレートブローバックとして作動している可能性も否定できない
(事実、ほぼ同程度の銃身長を持つ異なる閉鎖方式の拳銃で同じ弾薬を撃った場合と比較して、銃口初速で10%前後・初活力で最大25%程度の威力の低下が確認されている) - ^ また、その場合は、ライフリングの溝を深くする事で発射ガスを弾頭よりも先に前方へ逃がし、腔圧を低下させているH&K VP70と原理的には同じものになる
- ^ 『月刊GUN 2007年9月号』国際出版株式会社、2007年9月1日、22頁。