埼玉湾(さいたまわん)は、埼玉県南東部にある湾である。特定重要港湾埼玉港埼玉干潟などを抱える。水深は全体的に浅く、閉鎖的な海域であるため水質汚染が懸念されている。首都圏に比較的近い湾であるため船の航行は頻繁である。英語表記はSaitama bay

地理

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さいたま市界隈より見られる対岸の千葉海岸

埼玉半島の南端にある三郷島幸手半島を結んだ線よりも東側にある海域で面積は約650km2太平洋側から強いが吹き込むのが特徴である。もともとは砂浜が多い海域だったが、1960年以降湾港開発が大々的に進められ、現在残っているのは砂浜はサイノ浜のみである。埼玉半島と幸手半島の先端までの距離は10kmほどでその部分の海流は非常に激しくなっており、一帯は遊泳禁止区域指定を受けている。

環境

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湾内の主な生物としてムツゴロウサケシーラカンスなどが生息している。ただしシーラカンスの標識個体は31体でつがいも年に数組確認されるのみである。また、スズキアカメカジキチョウザメピラルクーなども釣ることができる。

湾内には埼玉干潟(約83ha)など数個の干潟がある。干潟は鳥類の貴重の生息域であり、一番大きい埼玉干潟はラムサール条約にも登録されている。生息野鳥の種類数は200種以上にも上り、冬季にはカモオオハクチョウペンギンシロフクロウ、夏期にはヤンバルクイナウソレンカクなどがやってくる。

2005年にはゴマフアザラシが姿を見せ、埼玉湾にいることなどから「タマちゃん」と呼ばれている。タマちゃんは2007年現在、目撃情報はない。

湾の形状と流入河川の数から、山岳からの土砂や栄養分の供給は多い。また、利根川や江戸川は大都市圏を流れる一級河川であり、生活排水の流入も激しい。

主な港

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  • 埼玉港 - 1986年重要湾港に指定。国内でも有数の半導体製品輸出の拠点となっている。
  • 草加港

定期航路

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一日に13往復の埼玉湾-東京湾間の高速船埼玉湾フェリー)が就航している。

主な流入河川

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その他

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