WavPack
WavPackは、David Bryant が開発したフリーかつオープンソースの可逆音声圧縮コーデックである。
開発元 | David Bryant |
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最新版 |
5.7.0
/ 2024年2月29日[1] |
リポジトリ | |
プラットフォーム | クロスプラットフォーム |
種別 | 音声コーデック(エンコーダ) |
ライセンス | BSDライセンス系 |
公式サイト | www.wavpack.com |
拡張子 | .wv[2] |
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開発者 | David Bryant |
種別 | オーディオ |
特徴
編集WavPack は、量子化ビット数 8, 16, 24, 32bit(32bit に関しては整数型/浮動小数点数型の両形式) サンプリング周波数 6kHz - 192kHz のパルス符号変調方式(PCM)をサポートし、パルス密度変調方式(PDM)であるDSD(DSDIFF, DSF)もサポートする。またサラウンドストリームもサポートしている。圧縮率は、他の可逆圧縮方式と同様に音源によって変化するが、概ね30%から70%となる。
他の可逆圧縮方式と比較すると、圧縮率は平均的にFLACやApple Losslessよりも高く、TAKに並ぶ高速なエンコード及びデコード速度を誇る。
WavPack はよく知られたパブリックドメインの技術だけを用いており、とくに特許を取得したことのあるいかなる手法・アルゴリズムの使用も避けられている。このことによってオープンソースかつロイヤリティフリーであることが保障されている。
ハイブリッドモード
編集WavPackにはまた、通常の圧縮形式(圧縮後の拡張子は .wv)のほかに「ハイブリッドモード」と呼ばれる機能があり、これを使用すると2つのファイルを生成する。そのうちの1つは非可逆圧縮された小さいファイル (.wv)、もう1つは補正(correction)ファイルと呼ばれるファイル(.wvc)で、.wv ファイル単独でも再生できるが、両方を組み合わせると完全な可逆復元が可能である。つまり、可逆復元と非可逆復元を選択使用できるファイル類が、一度の圧縮操作で生成される。
このような「ハイブリッド」機能は、MPEG-4 SLSやDTS-HDマスターオーディオなどにもある。
概要
編集- オープンソースであり、BSD-系ライセンスで提供されている。
- マルチプラットフォーム対応
- 誤り訂正
- ストリーミングサポート
- 多チャンネルオーディオ、高解像度サポート
- ハイブリッドモード
- ハードウェアサポート(Rockboxファームウェアを使用)
- メタデータサポート(ID3v1、APEタグ)
- RIFFチャンクをサポート
- Replay Gain 互換
- Win32向けの自己解凍型ファイルを作成できる。
- 32ビット整数/浮動小数点ストリームをサポート
- キューシート埋め込みをサポート
- MD5ハッシュによる高速完全性チェック
- 対称モードと非対称モードがある(エンコード時間が異なる)
対応プラットフォーム
編集対応オペレーティングシステムは、UNIXおよびUnix系(Linux、macOS、Solaris、FreeBSD、OpenBSD、NetBSD、Tru64、HP-UX など)と、Windows、DOS、Palm OS、OpenVMS である。
対応アーキテクチャは、x86、ARM、PowerPC、AMD64、IA-64、SPARC、Alpha、PA-RISC、MIPS、68kなどである。
歴史
編集David Bryant は1998年中ごろWavPackの開発を開始し、間もなくバージョン1.0をリリースした。このバージョンは非可逆圧縮しかできなかった。間もなくバージョン2.0をリリース。このバージョンも非可逆圧縮であり、音響心理学的マスキング効果などは利用していない。1999年、バージョン3.0をリリース。圧縮率を犠牲にした高速モード、ヘッダのないPCMオーディオファイルの圧縮、32ビット巡回冗長検査による誤り検出などをサポート。その後も開発は続き、バージョン3.xでハイブリッドモードをサポートした。
最新版は2019年12月15日付のバージョン5.2.0である。
サポート
編集ソフトウェア
編集いくつかのソフトウェアがこのフォーマットを最初からサポートしている。他にもプラグインで対応しているものもある。WavPackの公式サイトには、Winamp、Nero Burning ROM などアプリケーション向けのプラグインや DirectShow用フィルタが公開されている[3]。
2006年10月、WinZipはバージョン11.0ベータからWavPackのフォーマットをサポートしている[4]。この拡張はZIPファイルフォーマットの拡張として同フォーマットを管理しているPKWARE社が正式対応し、公式なAPPNOTE.TXTファイル(バージョン6.3.2)に記載され、2007年9月28日にリリースされた[5]。
ハードウェア
編集オープンソースのRockboxファームウェアをインストールすることで、デジタルメディアプレーヤーでWavPackをサポートできる。例えばアイリバーの製品やiPodなどである[6]。
Cowon A3 もWavPackに対応している。
関連項目
編集脚注・出典
編集- ^ “WavPack 5.7.0 Release”. 2024年12月11日閲覧。
- ^ 補完的に
.wvc
も使用される。 - ^ “WavPack downloads”. 2009年7月1日閲覧。
- ^ “WinZip - Additional Compression Methods Specification”. WinZip International LLC (2006年11月15日). 2008年1月6日閲覧。
- ^ “APPNOTE.TXT - .ZIP File Format Specification”. PKWARE Inc (2007年9月28日). 2008年1月6日閲覧。
- ^ “Sound Codecs, Rockbox Wiki”. 2009年7月1日閲覧。
外部リンク
編集- 公式サイト
- WavPack forum at Hydrogenaudio Forums
- ReallyRareWares 過去のバージョンが置いてある
- A comparison of several Lossless Audio encoders at Hydrogenaudio Wiki.
- WavPack on MultimediaWiki
- WavPack frontend