TOI-715とは、地球からとびうお座の方向に位置する赤色矮星で、太陽系から約138.5光年離れたところに存在する。2023年、この恒星のハビタブルゾーン内を公転する太陽系外惑星が発見された[1]

TOI-715
星座 とびうお座
分類 赤色矮星
軌道要素と性質
惑星の数 1 + 1?
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  07h 35m 24.56s[1]
赤緯 (Dec, δ) −73° 34′ 38.67″[1]
固有運動 (μ) 赤経: 82.634 ミリ秒/[2]
赤緯: 9.987 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 23.5534 ± 0.0472ミリ秒[2]
(誤差0.2%)
距離 138.5 ± 0.3 光年[注 1]
(42.46 ± 0.09 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) +16.24[2]
物理的性質
半径 0.240 ± 0.012 R[1]
質量 0.225 ± 0.012 M[1]
スペクトル分類 M4[1]
表面温度 3075 ± 75 K[1]
年齢 62+32
−22
億年[1]
他のカタログでの名称
TIC 271971130, 2MASS J07352425-7334388, APASS 33649915, Gaia DR2 5262666416118954368, UCAC4 083-012601, WISE J073524.46-733438.7[1]
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概要

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TOI-715の「TOI」とは、TESS object of interestの略である。スペクトル分類がMの赤色矮星で、質量太陽質量の23%、半径太陽半径の24%である。温度は約3075ケルビンである。

観測期間中にフレアが観測されなかったため、この恒星は太陽よりも古い恒星であることを示唆している。大きな誤差はあるものの、年齢はおそらく60~70億年程度であり、したがってこの恒星は若い赤色矮星に典型的な最初の活発な段階を既に過ぎたとされる[1]

惑星系

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TESSによるトランジット法を用いた観測により、2023年に1つの確認された太陽系外惑星と、まだ確認されていない別の太陽系外惑星の候補の発見が発表された。惑星の最初の観測は2019年であり、このときTOI-715の周囲にスーパーアースに分類される惑星の候補が存在することが公表され、その後、いくつかの地上の天文台によるフォローアップ観測が2年間にわたって実施された[1]

確認された惑星はTOI-715 bと指定され、半径は地球半径の1.55倍で、保守的なハビタブルゾーン内を公転しており、その表面に液体の水が存在する条件が揃っている可能性がある。大気による温室効果を考慮しない平衡温度は234 ± 12ケルビンである。トランジット法のみで発見されたため質量は不明である。この惑星が完全に岩石で構成されている場合、質量は地球質量の7倍、海洋惑星の場合は2倍である可能性がある[1]

同じ研究では地球サイズの2番目の惑星の存在が示唆されており、この惑星も外側の境界に近いもののハビタブルゾーン内を公転しているとされている。この2番目の惑星候補の平衡温度は約215ケルビンとなる[1]

TOI-715の惑星[1]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b 0.0830±0.0027 19.288004+0.000027
−0.000024
89.856+0.018
−0.017
°
1.550±0.064 R
.02 (候補) 0.0986±0.0054 25.60712+0.00031
−0.00036
89.72+0.14
−0.12
°
1.066±0.092 R

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n Georgina Dransfield (11 May 2023). "A 1.55 R⊕ habitable-zone planet hosted by TOI-715, an M4 star near the ecliptic South Pole" (PDF). 王立天文学会月報. {{cite magazine}}: Cite magazineテンプレートでは|magazine=引数は必須です。 (説明)
  2. ^ a b c d TOI-715 -- High Proper Motion Star”. SIMBAD. 2023年8月22日閲覧。