東京ミッドタウン日比谷
東京ミッドタウン日比谷(とうきょうミッドタウンひびや、英: Tokyo Midtown Hibiya)は、東京都千代田区有楽町一丁目(日比谷)にある複合商業ビルである。三井不動産が手掛ける東京都心部における複合用途型の街づくりブランド「東京ミッドタウン」の第2弾として開発され、2018年3月29日にオープンした。
東京ミッドタウン日比谷 Tokyo Midtown Hibiya | |
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東京ミッドタウン日比谷 (日比谷三井タワー) | |
施設情報 | |
所在地 | 〒100-0006 東京都千代田区有楽町一丁目1-2 |
座標 | 北緯35度40分25.4秒 東経139度45分33.3秒 / 北緯35.673722度 東経139.759250度座標: 北緯35度40分25.4秒 東経139度45分33.3秒 / 北緯35.673722度 東経139.759250度 |
状態 | 完成 |
着工 | 2015年(平成27年)1月28日[1] |
竣工 | 2018年(平成30年)2月[1] |
開業 | 2018年3月29日[2] |
用途 | 事務所、店舗、文化交流施設、産業支援施設、映画館、駐車場、地域冷暖房施設[1] |
地上高 | |
高さ | 191.46m[1] |
最上階 | 35階[1] |
各種諸元 | |
階数 | 地上35階、地下4階、塔屋1階[1] |
敷地面積 |
10,702.32(本体) m2[1] ※1,990.01㎡(広場関連施設) |
建築面積 |
8,652.41(本体) m2[1] ※930.69㎡(広場関連施設) |
延床面積 |
189,244.95(本体) m2[1] ※3,602.43㎡(広場関連施設) |
構造形式 |
主体構造:鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造 杭・基礎:パイルド・ラフト基礎[1] |
エレベーター数 | 乗用49台、非常用3台[1] |
駐車台数 | 400台[1] |
関連企業 | |
設計 |
マスターデザイン:ホプキンス・アーキテクツ 都市計画・基本設計・デザイン監修:日建設計 実施設計・監理:KAJIMA DESIGN 外構実施設計協力:ランドスケープデザイン 外構・外観照明実施設計協力:フォーライツ オフィス共用部環境デザイン:イリア 商業環境デザイン:乃村工藝社 サインデザイン:井原理安デザイン事務所[1] |
施工 |
鹿島建設[1] 東映建工(TOHOシネマズ日比谷) |
デベロッパー | 三井不動産日比谷街づくり推進部[1] |
所有者 | 三井不動産 |
管理運営 | 三井不動産 |
概要
編集三信ビルディング、日比谷三井ビルディング(旧三井銀行本店)という歴史ある建物の跡地と千代田区道という公共施設を含む敷地に官民一体となった街をづくりを行うことで、都市機能の更新を図り、自律的なエリアマネジメントを実践するプロジェクトとして計画された[3]。
今回のプロジェクトの鍵となるのが有楽町一丁目地区土地区画整理事業と都市再生特別地区に係わる都市計画提案である[4]。 有楽町一丁目地区土地区画整理事業は三信ビル、日比谷三井ビルの敷地に千代田区道を含めた約1.4haの敷地を対象に行われ、事業における最大の特徴は三信ビル、日比谷三井ビルの間にあった千代田区道131号の一部を廃道し、道路の付け替えを行うとともに、付け替え後は民間敷地と一体的に広場空間としての公共施設を整備するとともに、付け替え後の敷地の一部を既存道路(千代田区道130号)の歩行空間を拡幅するための用地としても利用したことにある[4]。このように換地手法による土地の交換分合を通じ、敷地集約化による宅地の有効利用を図りながら公共施設を一体的に整備することにより、官民協働のまちづくりとして良質な都市環境を形成したことが大きな特色に挙げられている[4]。
施設は地下4階・地上35階建て、地下1階~地上7階が商業フロア、6階の一部と9階~34階がオフィスフロアで構成され[2]、大企業とベンチャー企業の連携を促すインキュベーション施設も入った。 総工費は1322億円[5]。
2019年(平成31年/令和元年)に第60回BCS賞を受賞[6]。
- 構造
地上部構造は、CFT柱と鉄骨梁によるラーメン構造に、制震装置としてオイルダンパーと座屈拘束プレースを適切に配置することで、地震応答の低減を図っている[7]。またオイルダンパーには鹿島が開発した世界最高レベルの制震効率を達成するHiDAX-Rが初めて採用された[7]。
- 外装
高層部は高透過Low-Eガラス組み込みのユニット型アルミカーテンウォールで、255mmの平面段差を持つプリーツ形状が、外部の堅型アルミフィンとの相乗効果で建物に繊細で優雅な陰影をもたらすと共に、熱負荷低減にも役立っている[7]。曲線を使った「ダンシングタワー」というコンセプトは、近くの内幸町にかつて存在し、舞踏会が多く開かれた鹿鳴館を意識した[8]。
低層部は三信ビルの意匠を継承。高さを100尺(約31m)とすることで右側の日生劇場と高さを合わせて街区の一体感が感じられるようにデザインされている[9]。
- エリアマネジメント
三井不動産は、地元企業や町会等と一般社団法人日比谷エリアマネジメントを2015年(平成27年)3月に設立し、東京ミッドタウン日比谷が完成する前から日比谷の街の賑わいづくりを行い、完成後は日比谷ステップ広場(下記参照)を中心に、街全体で様々なイベントを開催している[10]。
商業フロア
編集地下1階~地上7階が商業エリアとなっており[4]、1階から3階にかけての吹き抜けアトリウムは、商業フロアのデザインコンセプト、「劇場空間都市」の象徴ともとれ、ラクジュアリーかつ開放感のある空間を演出[11]。また地下の日比谷アーケードは三信ビルの記憶を継承し、日比谷の街の記憶をつなぐ空間とした[9]。
ブティックやカフェ、車両展示が一体となったレクサスブランドの体験型施設「LEXUS MEETS...HIBIYA」、コスメブランド「THREE」とレストランが併設した「REVIVE KITCHEN THREE」のほか[2]、有隣堂が運営を手掛ける日本初のアーケード型複合型ショップ「HIBIYA CENTRAL MARKET」など[2]、著名アーティストの監修や企業間のコラボレーションにより誕生したショップなど日本初6店舗、新業態22店舗を含む計60店舗が入居した[2]。また商業部分の中核となるTOHOシネマズ日比谷はシネマコンプレックス(シネコン)を全国で展開するTOHOシネマズの旗艦店である。
- 地下1階
- 日比谷アーケード
- HIBIYA FOOD HALL
- 1階
- LEXUS MEETS
- イセタンミラー
- 2階
- REVIVE KITCHEN THREE
- 3階
- HIBIYA CETRAL MARKET
- 4・5階
- TOHOシネマズ日比谷(後述、出入口は4階のみ)
- 6階
- パークビューガーデン - 「ピープル・イン・ザ・パーク」というキーワードのもとにデザインされ、日比谷公園と皇居を一望できる景観で、来館者がSNSで発信を競うスポットとなっている[12]。
- ビジネス創造拠点「BASE Q」
- 7階
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B1階日比谷アーケード
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2階アトリウムより見上げる
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B1階Hibiya Food Hall
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1階LEXUS MEETS
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2階
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3階ヒビヤ セントラル マーケット
-
6階
TOHOシネマズ日比谷
編集TOHOシネマズ日比谷 TOHO CINEMAS Hibiya | |
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TOHOシネマズ日比谷 (2018年6月1日撮影) | |
情報 | |
正式名称 | TOHOシネマズ日比谷 |
完成 | 2018年2月1日 |
開館 | 2018年3月29日 |
開館公演 |
『グレイテスト・ショーマン』 (ヒュー・ジャックマン主演) 『リメンバー・ミー』(リー・アンクリッチ監督) 『ボス・ベイビー』(トム・マクグラス監督)他 |
収容人員 | (13スクリーン)2,830→2,726人 |
設備 | 本文参照 |
用途 | 映画上映 |
運営 | TOHOシネマズ株式会社 |
所在地 |
〒100-0006 東京都千代田区有楽町一丁目1-2 東京ミッドタウン日比谷4・5F 東京都千代田区有楽町1-1-3 東京宝塚ビル地下1階 |
最寄駅 | 日比谷駅 |
最寄バス停 |
都営バス「日比谷」停留所 (都道304号沿い) 東急バス「日比谷」停留所 (日比谷通り沿い) |
外部リンク | TOHOシネマズ日比谷 |
TOHOシネマズ日比谷(とうほうシネマズ ひびや、TOHO CINEMAS Hibiya)は、東京ミッドタウン日比谷と隣接する東京宝塚ビルにある映画館。経営・運営はTOHOシネマズ。
概要
編集東京ミッドタウン日比谷開業と同時に開館した映画館で、2018年(平成30年)2月4日まで有楽町マリオン内で営業してきたTOHOシネマズ日劇及び2015年(平成27年)2月27日までニユートーキヨービル内で営業してきたTOHOシネマズ有楽座、2005年(平成17年)4月8日まで東宝会館内で営業してきた日比谷映画の後継となるTOHOシネマズの旗艦館である。なお、計画当初は同じく隣接するTOHOシネマズシャンテとも統合する計画だったが、シャンテのファンからの要望に応える形で、シャンテは統合せずそのまま存続した[13]。日比谷シャンテの合歓の広場にあった東宝映像美術所属の彫刻家・小林知己製作の平成ゴジラ像はここに移動され、TOHOシネマズ日比谷のシンボルとなる[14]。
東京ミッドタウン日比谷内には11スクリーン約2,200席を新設、さらに隣接する東京宝塚ビル地下の旧TOHOシネマズスカラ座・TOHOシネマズみゆき座の2スクリーンを改装・統合したことにより、計13スクリーン2830席となり、都心最大級のシネマコンプレックスで、最新の映像設備と快適でゆとりあるシート設計により、新しい映画体験を実現している[7]。
スクリーン
編集総座席数は2,830席→2,726(車椅子席27席)[15]。
スクリーン | 座席数 | 車いす席 | 音響設備 | フロア | 備考 |
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1 | 456→436 | 3 | カスタムオーダーメイドスピーカー | 東京ミッドタウン日比谷 4階・5階 |
TCX |
2 | 98 | 2 | デジタル5.1ch | ||
3 | 98 | 2 | |||
4 | 339→323 | 2 | イマーシブ・サウンド | IMAXレーザー | |
5 | 395→386 | 2 | DOLBY ATMOS(対応作品のみ) VIVEオーディオ |
TCX | |
6 | 98 | 2 | スカルプトサウンド | ||
7 | 151 | 2 | VIVEオーディオ | ||
8 | 120 | 2 | |||
9 | 257→249 | 2 | スカルプトサウンド | ||
10 | 98 | 2 | デジタル5.1ch | ||
11 | 98 | 2 | |||
12 | 489→465 | 2 | VIVEオーディオ(SDDS対応) | 東京宝塚ビル地下1階 | 旧TOHOシネマズスカラ座 |
13 | 106 | 2 | デジタル5.1ch | 旧TOHOシネマズみゆき座 |
- スクリーン1は「TOHO CINEMAS PREMIUM THEATER」と位置づけられ、コンサートホールのような音響を再現する「カスタムオーダーメイドスピーカーシステム」と革製のリクライニングシート「プレミア ラグジュアリー シート」を備える。
- スクリーン1・4・5・9・12は、プレミアボックスシートを備える(スクリーン4・12は2023年に新設)。
- スクリーン4は、IMAXデジタルシアターである。2022年11月4日にIMAXレーザーに設備を更新。鑑賞料金と別にIMAX追加料金(600円)が必要。
- スクリーン5・7・8・12はクリスティ・デジタル・システムズのVIVEオーディオを採用、さらにスクリーン5では対応上映作品に限りドルビーアトモスでの上映が可能となっている。
- スクリーン6・9は、JBLによるスカルプトサウンドを採用している。
オフィスフロア
編集9~34階に位置するオフィスフロアは、"Business Hospitality"をコンセプトにした先進的な機能やサービスでオフィスワーカーの創造性・生産性向上を支援[16]。約1000坪を4分割に利用可能な計画とし、上層階からは、眼下に広がる東京都心部の360度パノラマが一望できる[7]。
日比谷公園の緑を感じながらリフレッシュできる「スカイガーデン」(9階)やカフェ・コンビニ併設の「スカイラウンジ」(9階)を設置したほか[16]、フィットネスルームやシャワールーム、女性専用のパウダールームを用意し、オフィスワーカーの多様な働き方をサポートする施設となっている[16]。
ローンチカスタマーとしてErnst & Youngグループ (EY Japan) が日本拠点として施設オープンより1か月以上早い2018年(平成30年)2月から入居。10階にグループ専用受付を設けるほか、13・15~21・31階に入居し計9フロアを使用している。ほかに、ファーストロジックや不動産コンサルティング会社のHeitman、旭化成もオフィスを置く[17]。
- 8F
- パークウェルネス(入居企業関係者専用フィットネスルーム)
- 9F
- オフィスフロア受付(EY以外の入居企業受付)
- スカイラウンジ(カフェ・コンビニ併設の屋内サービスプレイス)
- スカイガーデン(屋外サードスペース)
- 10F
- EY Japan総合受付(EY専用)
- 13・15~21・31F
- EY Japan[18]
- EY税理士法人
- EY新日本有限責任監査法人
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- 33F
- Heitman (ハイトマン インターナショナル LLC)
- ファーストロジック
日比谷ステップ広場
編集メインエントランス前にある今回の街区再編型の区画整理事業により千代田区敷地と三井不動産敷地によって生み出された約3,600㎡の広場空間[16]。イベント開催時には階段が座席、広場がステージに変身し[12]、色々なイベントが行われ日比谷の街の中心として機能しているとともに、周辺エリアから人の流れを誘引する都市施設としても機能している[16]。
アクセス
編集- 公式サイトを基に作成。
画像
編集-
日比谷公園より外観を見る(2018年3月28日撮影)
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夜景(2018年6月1日撮影)
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低層部を見る(2018年6月1日撮影)
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3階ドレッシングラウンジ
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3階トイレ付近
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6階花園
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 新建築 2018, p. 202.
- ^ a b c d e 月刊レジャー産業資料 2018, p. 61.
- ^ 区画整理 2021, p. 15.
- ^ a b c d 区画整理 2021, p. 16.
- ^ “東京ミッドタウン日比谷が開業 60テナント、シネコン”. 日本経済新聞. (2018年3月29日) 2019年1月12日閲覧。
- ^ “第60回受賞作品(2019年)東京ミッドタウン日比谷”. 日本建設業連合会 2021年6月28日閲覧。
- ^ a b c d e 新建築 2018, p. 99.
- ^ 【賢築の技 開発の妙】三井不、「芸術の街・日比谷」再興『日経産業新聞』2017年11月14日(住建・不動産面)
- ^ a b 新建築 2018, p. 94.
- ^ 区画整理 2021, p. 19.
- ^ 月刊レジャー産業資料 2018, p. 61 - 62.
- ^ a b 「日比谷、大人の劇場都市へ ミッドタウン発、曲線美の空間」『日経MJ』2頁 2019年8月21日
- ^ “TOHOシネマズ「日劇」2月に閉館へ…「シャンテ」は継続決定”. cinemacafe.net (株式会社イード). (2017年8月31日) 2018年5月31日閲覧。
- ^ “新・ゴジラ像が東京に出現 高さ3メートル、最大サイズ”. 日本経済新聞. (2018年3月22日) 2021年6月28日閲覧。
- ^ “施設紹介”. TOHOシネマズ日比谷. TOHOシネマズ. 2018年5月21日閲覧。
- ^ a b c d e 区画整理 2021, p. 17.
- ^ 三井不の東京ミッドタウン日比谷ほぼ満室、旭化成など-事業費2500億円
- ^ EY Japanのメンバーファームが「東京ミッドタウン日比谷」に新東京オフィスを開設
参考文献
編集- 『新建築』新建築社、2018年5月。
- 『月刊レジャー産業資料』綜合ユニコム、2018年5月。
- 『区画整理』街づくり区画整理協会、2021年2月。