SMクラブとは、サドマゾSM嬢からSMサービスが提供される性風俗店である。これらの店では主に男性を顧客として想定しており[1][注釈 1]、「女王様」と一般に呼ばれるサディスト役、「M嬢」や「M女性」、「M子」などと呼ばれるマゾヒスト役によってサービスが行われる[1]

プレイ内容

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大多数のSMクラブにおいて、プレイの前に客の側から店舗ないしSM嬢に対して希望するプレイ、または希望しないプレイ(「NG」)が伝えられる[2]。これらの意思の伝達は、カウンセリング、インタビュー、または書面を通じて行われる[2]

プレイ時間[注釈 2]は60分以上を基本とし、準備・プレイ内容・後片付けに応じて数時間以上にわたりうる[1]

プレイ内容[注釈 3]の基本的なものとしては、「緊縛低温ローソク、アナル責め、言葉責めスパンキング顔面騎乗浣腸、標準的なセックストイ(手枷・足枷・ピンクローター・アナルバイブ・ペニスバンドなど)、聖水手コキ足コキ[1]などが挙げられる。なお、プレイ内容に関する同意の形成過程を放棄し、SM嬢に対してこれを求めない、いわゆる「真性マゾヒスト」[3]の場合、上記の内容に関して時間以外についてはSM嬢に一任されることとなる[4]

法律上の位置づけ

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日本においてSMクラブは、一般に風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)に定める無店舗型性風俗特殊営業店の営業形態(の一つ)に該当する[5]。2005年の風適法改正により、プレイ用の設備・空間が設けられているSMクラブ、すなわちの店舗型性風俗特殊営業としては事実上消滅した[6]

BDSM文化内での位置づけ

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ジェンダーおよびサドマゾヒズム研究を専門とする、福岡女子大学の河原梓水によれば、商業的なBDSMコミュニティであるSMクラブの興隆は、1970年以降にプライベートのBDSMコミュニティ[7]を衰退させる一要因であったと指摘している[8]

また、河原は、サディスト役の「女王様」とマゾヒストである顧客との関係が、取引関係かつ(BDSM文脈における)主従関係となりうることについて説明・報告を行っている[9]

脚注

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注釈

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  1. ^ 河原梓水(2021年)は、近年女性の利用者が増加しつつあることを指摘している[1]
  2. ^ セッション時間とも。
  3. ^ ここでは、いわゆるロールプレイや大まかな流れではなく、個々の行為を指す。

出典

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  1. ^ a b c d e 河原 2021, p. 159.
  2. ^ a b 河原 2021, p. 160.
  3. ^ 河原 2021, pp. 161–162.
  4. ^ 河原 2021, p. 164.
  5. ^ 河原 2021, pp. 158–159.
  6. ^ 河原 2021, p. 169.
  7. ^ 河原 2021, p. 153.
  8. ^ 河原 2021, pp. 168–169.
  9. ^ 河原 2021, p. 161.

参考文献

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  • 河原梓水 (2021-03-31). “現代日本のSMクラブにおける「暴力的」な実践:女王様とマゾヒストの完全奴隷プレイをめぐって”. 臨床哲学ニューズレター (大阪大学大学院文学研究科・文学部) 3: 148-171. doi:10.18910/79260. NCID AA11130116. 

関連項目

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