ルーシ-M
ルーシM(ロシア語: Русь-М)は、ロシア連邦で開発が計画されていた次期有人宇宙船打ち上げ用のロケットであり、2015年の初打ち上げを目指していた。2018年にはソユーズ宇宙船の次世代型となる予定のPPTS宇宙船の打ち上げに使用される予定であった。ルーシMはTsSKB-プログレスで設計が進められていたが、2011年10月7日に、ロシア連邦宇宙局の長官が開発中止を明らかにした[1]。
機能 | 有人宇宙飛行用打ち上げロケット |
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製造 | NPO エネルギア |
開発国 | ロシア |
大きさ | |
全高 | 61.1 m |
直径 | 11.6 m |
質量 | 673,000 kg |
段数 | 2段式 |
積載量 | |
LEOへのペイロード | 23,800 kg |
打ち上げ実績 | |
状態 | 開発中止 |
射場 | ボストチヌイ宇宙基地 |
第1段 | |
1段目名称 | |
1段目全長 | |
1段目直径 | |
エンジン | 3基のRD-180 |
推力 | それぞれ4.15 MN (933,400 lbf) |
比推力 | 338秒 |
燃焼時間 | |
燃料 | LOX / RP-1 |
第2段 | |
2段目名称 | |
2段目全長 | |
2段目直径 | |
エンジン | 4基のRD-0146 |
推力 | 392.4 kN |
比推力 | 463秒 |
燃焼時間 | |
燃料 | LOX / LH2 |
冷戦時代とは異なり、旧ソ連側は国策企業、旧西側は企業グループと分かれて複合しているが、冷戦時期のようにペイロード要求仕様が高いために、ライバル争いによる熾烈な要求仕様の向上が期待されていた。
歴史
編集2009年春、TsSKB-プログレスはロシアの新型の有人宇宙船計画の新しい打ち上げロケットの開発を受注した。計画は2009年のMAKSで発表され2010年8月までにロシア連邦宇宙局へ宇宙船の予備設計が提出されると期待された[2]。
要求仕様
編集ロシア連邦宇宙局からロケットの安全性が提唱され、最大限の信頼性を備えるように求められた。乗員は打ち上げ時のどの段階においても、またロケットが発射台を離れてからは打ち上げの初期段階における緊急事態でも救出できる事を保障する必要があるとしている。将来の重量級打ち上げ装置としてペイロード重量で50~60トンの規模の基本型はもとより、130~150トンの超重量型を提供しなくてはならないと見積もられており、さらに打ち上げ費用を最小限のコストで提供する必要があるとしている[3]。
詳細
編集入手し得るデータによるとルーシ-Mは第一段にケロシンと液体酸素を燃料とするエネゴマシュ製のRD-180を3基使用し、上段にはキマフトマティキが開発した液体水素と液体酸素を燃料とするRD-0146を4基使用すると推定されていた[4][5]。 無人のペイロードを高度200km、軌道傾斜角51.5°の軌道に23.8トン、有人のペイロードを近点135~遠点400kmの軌道に18.8トン、静止トランスファ軌道に7トン、静止軌道に4トン投入する能力を持つ予定であった[5]。
開発
編集TsSKB-プログレスが計画全体の推進者としてシステム統合すると共に第2段の開発と生産の責任を持ち、マキーエフロケット設計局が第1段の開発を担当し、NPO Avtomatikiが第一段の制御システムを担当する予定であった[5]。
種類
編集複数のルーシ-Mが開発される予定であった[6]。
- ルーシ-MS (ミディアムクラス)
- ルーシ-MP (ミディアムクラス、高高度軌道)
- ルーシ-MT-35 (ヘビークラス)
- ルーシ-MT-50 (ヘビークラス)
種類 | ルーシ-MS[6] | ルーシ-MP[6] | ルーシ-MT-35[6] | ルーシ-MT-50[6] |
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全長 | 不明 | 61,1 | 不明 | 不明 |
最大寸法 | 3,8 | 11,6 | 11,6 | 11,6 |
重量 | 233—235 | 673 | ≈1100 | ≈1433 |
海面高度での推力 | 391,44—394,8 | ≈915,28 | ≈1947 | 1719,6—1948,88 |
低軌道へのペイロード(トン)[сн 1] | 6,5 | ≈23,8 | 33—36 | 53—54 |
静止トランスファ軌道へのペイロード(トン)[сн 1] | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
静止軌道へのペイロード(トン)[сн 1] | — | 4.0 | 7—7,5 | ≈11,5 |
第1段 | 1 × RD-180 | 3 × RD-180 | 5 × RD-180 | 4 × RD-180 |
第1段の推進剤 | ケロシンと液体酸素 | ケロシンと液体酸素 | ケロシンと液体酸素 | ケロシンと液体酸素 |
第1段の推進剤の重量(トン) | 180 | 540 | 900 | 960 |
第2段 | 1 × RD-0124 | 4 × RD-0146 | 4 × RD-0146 | 1 × RD-180 |
第2段の推進剤 | ケロシンと液体酸素 | 液体水素と液体酸素 | 液体水素と液体酸素 | ケロシンと液体酸素 |
第2段の推進剤の重量(トン) | 22,5 | 46,5 | 46,5 | 240 |
第3段 | — | — | — | 4 × RD-0146 |
第3段の推進剤 | — | — | — | 液体水素と液体酸素 |
第3段の推進剤の重量(トン) | — | — | — | 50 |
関連項目
編集脚注
編集- ^ “Replacement for Soyuz rocket canned by Russia”. Spaceflightnow (2011年10月7日). 2011年10月10日閲覧。
- ^ Zak, Anatoly (2009年8月20日). “Russia Reveals Vision for Manned Spaceflight”. IEEE Spectrum. 2009年8月22日閲覧。
- ^ “Theses of the Speech Made by Roscosmos Head Anatoly Perminov at IAC-2009”. Roscosmos. (2009年10月13日). オリジナルの2012年3月15日時点におけるアーカイブ。 2009年10月13日閲覧。
- ^ Coppinger, Rob (2009年8月11日). “The Bear's stars shine brighter”. Flight International. 2009年8月22日閲覧。
- ^ a b c Zak, Anatoly (2009年). “Launch vehicle for the PPTS spacecraft”. RussianSpaceWeb.com. 2009年8月22日閲覧。