Pacman(パックマン)は、Arch Linuxの一コンポーネントとして開発されたソフトウェアパッケージ管理システム。Arch Linux創設者であるジャッド・ヴィネットにより作成された。

Pacman
Arch Linux上で実行されたPacman
作者 Judd Vinet
開発元 Judd Vinet, Arch Linux Community
初版 2002年2月25日 (22年前) (2002-02-25)
最新版
7.0.0[1] ウィキデータを編集 / 2024年7月14日 (3か月前)
リポジトリ ウィキデータを編集
対応OS Linux
プラットフォーム i686, x64,ARM
種別 パッケージ管理システム
ライセンス GNU GPL
公式サイト http://www.archlinux.org/pacman/
テンプレートを表示

概要

編集

Pacmanはインストールするパッケージとその依存関係を自動的に解決し、すべての必要なパッケージのダウンロードおよびインストールを行う。その他にもインストールされたパッケージの検索、アップグレード、削除、クリーンアップや、リポジトリ以外からの、ローカルシステムやインターネット上のパッケージファイルのインストールなど、パッケージ管理に関するほぼすべての作業を行う。理論的には、利用者は一つのコマンドを実行するだけでシステムの完全なアップグレードが行える。また、Arch Linuxの他、Frugalware Linux英語版[2]、Windows上のMSYS2[3]Cygwinのフォーク)のパッケージマネージャーとしてもパッケージをインストールするのにも使われている。

Pacmanはすべてのパッケージに、コンパイルされたバイナリファイルを含む圧縮されたtarアーカイブを使用する。パッケージはリポジトリ設定によりFTPHTTPまたはその両方でダウンロードする。ダウンロードに使用するソフトウェアはデフォルトではwgetだが、aria2など他のダウンロードユーティリティへのカスタマイズも可能である。また、ソースコードからのパッケージ作成を補完するABS(Arch Build System)が用意されている。

主な使用法

編集

パッケージのインストール

編集
リポジトリ上にあるパッケージの検索
pacman -Ss [キーワード]
リポジトリ上にあるパッケージのインストール
pacman -S [パッケージ名]
ローカルシステム上にあるパッケージ (.pkg.tar.xz/gz) のインストール
pacman -U [ファイルパス]
インターネット上にあるパッケージ (.pkg.tar.xz/gz) のインストール
pacman -U [URL]

パッケージの削除

編集
指定したパッケージのみの削除(依存関係にあるものは削除しない)
pacman -R [パッケージ名]
指定したパッケージとそれ以外で使用されない依存関係にあるものを削除
pacman -Rs [パッケージ名]

システムのアップグレード

編集
リポジトリとローカルパッケージデータベースとの同期
pacman -Sy
リポジトリとローカルパッケージデータベースとの同期およびアップグレード
pacman -Syu

ローカルパッケージデータベースの検索

編集
インストール済みパッケージの検索
pacman -Qs [キーワード]
インストール済みパッケージの情報
pacman -Qi [パッケージ名]
インストール済みパッケージのファイルリスト
pacman -Ql [パッケージ名]
インストール済みパッケージのリストアップ
pacman -Qqe > pkglist
リストアップしたパッケージ情報を元にしたインストール
pacman -S $(cat pkglist)

その他

編集
孤立したパッケージの削除
pacman -Rs $(pacman -Qtdq)
パッケージキャッシュ (/var/cache/pacman/pkg) のクリーンアップ
pacman -Scc

脚注

編集
  1. ^ "v7.0.0"; 閲覧日: 2024年7月14日; 出版日: 2024年7月14日.
  2. ^ The Frugalware Developer Team (2007年3月17日). “Package management basics”. Frugalware 0.6 (Terminus) Documentation. 2007年9月23日閲覧。
  3. ^ Package Management - MSYS2”. www.msys2.org. 2021年8月25日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集