MITコンピュータ科学・人工知能研究所
MITコンピュータ科学・人工知能研究所(MIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory、CSAIL)は、マサチューセッツ工科大学にある学際的研究所。2003年7月1日、MITコンピュータ科学研究所とMIT人工知能研究所の合併により創設された。CSAIL は研究領域においても研究員の人数においてもMIT最大の研究所である。所長は教授のロドニー・ブルックス。その建物はフランク・ゲーリーが設計した Stata Center である。World Wide Web Consortium(W3C)の本拠地も務めている。
研究活動内容
編集CSAIL の研究活動は半自律的研究グループによって構成されており、各グループの責任者として1名以上の教授か研究員がいる。研究領域は以下の7分野に分類される。
- 人工知能
- 計算生物学
- グラフィックスとビジョン
- 言語と学習
- 計算理論
- ロボット工学
- システム(コンピュータ・アーキテクチャ、データベース、分散システム、ネットワークとネットワークシステム、オペレーティングシステム、プログラミング方法論、ソフトウェア工学などを含む)
World Wide Web Consortium本拠地
編集さらに、CSAILはWorld Wide Web Consortium(W3C)をフランスのERCIM、日本の慶應義塾大学SFC研究所、中国の北京航空航天大学とともに運営しており、その本拠地になっている。
関係する著名人
編集前身となった2つの研究所の関係者も含む。
- マッカーサー・フェロー: ティム・バーナーズ=リー、Erik Demaine、Daniela Rus、ピーター・ショア、リチャード・ストールマン
- チューリング賞受賞者: レオナルド・エーデルマン、フェルナンド・J・コルバト、バトラー・ランプソン、ジョン・マッカーシー、マービン・ミンスキー、ロナルド・リベスト、アディ・シャミア
- ロルフ・ネヴァンリンナ賞受賞者: マデュ・スーダン、ピーター・ショア
- ゲーデル賞受賞者: シャフィ・ゴールドワッサー(2回受賞)、Silvio Micali、Charles Rackoff、Johan Håstad、ピーター・ショア、マデュ・スーダン
- グレース・ホッパー賞受賞者: ロバート・メトカーフ、シャフィ・ゴールドワッサー、ガイ・スティール・ジュニア、W. Daniel Hillis
- 教科書執筆者: Harold Abelson、Gerald Jay Sussman、Thomas H. Cormen、Charles E. Leiserson、Patrick Winston、ロナルド・リベスト、Clifford Stein
- カール・ヒューイットは、Plannerプログラミング言語の設計者で、並行システムのアクターモデルを生み出し、Scientific Community Metaphor の開発者の1人。
- デービッド・ダナ・クラークは、インターネットのプロトコル設計責任者の1人であり、Jerome H. Saltzer(CSAILの一員)および David P. Reed と共に重要な論文 "End-to-End Arguments in Systems Design"(システム設計におけるエンドツーエンドの必要性)を執筆した(エンドツーエンド原理参照)。
- シーモア・パパートはプログラミング言語LOGOの発明者。
- ジョセフ・ワイゼンバウムは、コンピュータシミュレートされたセラピスト ELIZA を生み出した。
- Bob Frankston は 最初の表計算ソフト VisiCalc 開発者の1人。
- 研究所からスピンオフして成功した企業もいくつか存在する。