LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999
『LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999』(ライフ・ア・リュウイチ・サカモト・オペラ・いちきゅうきゅうきゅう)は、1999年に坂本龍一が行ったオペラの名称。
解説
編集- 坂本龍一初のオペラ公演で、構想・作曲・指揮を坂本自身が行っている。
- 公演は朝日新聞創刊120周年記念とテレビ朝日開局40周年記念を兼ねたイベントでもあった。
- アドバイザーは浅田彰。
- テーマは「共生」。
- 元々坂本はオペラが嫌いだった(太ったおばちゃんが10代の小娘を演じるなど)。しかし、「オペラ」の言葉の意味が「opera(作品)」=「opusの複数形」であることを知り、マルチメディア(音楽と映像)と連想させるものであることから、坂本の考えるオペラを構想。坂本の嫌いな従来のオペラをそぎ落とした結果が表現されている。
- 20世紀音楽史を坂本なりに閉じる目的もあった。
- オペラを構築するため、20世紀音楽を回顧したところ、100年後に19世紀のベートーヴェンやブラームスのように聴かれていく曲が20世紀にはないだろう、あるとしても武満徹かビートルズくらいで、総じて20世紀にはたいした曲が生まれなかったと分析している。[1]
公演後
編集インスタレーション作品
編集高谷史郎と共に、オペラ「LIFE」をベースにしたインスタレーション作品「LIFE - fluid, invisible, inaudible...」を制作[2]、展示。
- 2007年3月10日–5月28日 山口情報芸術センターにて展示[3][4]。
- 同年9月15日–11月4日 NTTインターコミュニケーション・センターにて展示[5]。
DVD、ビジュアルブック
編集- DVD
2008年5月28日 「LIFE - fluid, invisible, inaudible...」の発売[8][9]。
- ビジュアルブック
リリースされたアルバム
編集- LIFE IN PROGRESS(オペラのスケッチとなったアルバム)
- RAW LIFE OSAKA(大阪公演を収録)
- RAW LIFE TOKYO(東京公演を収録)
- AUDIO LIFE(大阪と東京公演のベストテイクを収録)
日程
編集外部リンク
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 坂本龍一+高谷史朗「LIFE」のテクストを〈読む〉。オペラ(1999年)ならびにインスタレーション(2007年)使用テクストを集成[10]。
- 音楽史の転換点に立って—Opera「LIFE」の位置(坂本龍一+浅田彰)
- Installation「LIFE ‐ fluid, invisible, inaudible…」をめぐって(Installation「LIFE ‐ fluid, invisible, inaudible…」への序(浅田彰))
- Installation「LIFE ‐ fluid, invisible, inaudible…」アーティスト・トーク(坂本龍一+高谷史朗、モデレーター:浅田彰)
- Opera「LIFE」の語るもの—解説に代えて(浅田彰)
出典
編集- ^ アルバム『US』より。
- ^ 坂本龍一; 忌野清志郎; 筑紫哲也 (1999-10-15). “坂本龍一・忌野清志郎と語るオペラ「LIFE」パンク「君が代」--時代と歌”. 金曜日. 創刊6周年特別企画 筑紫哲也編集のページ (1) 7 (39 通巻293): 9-17.
- ^ “laptop concert (new installation: Ryuichi Sakamoto + Shiro Takatani "LIFE - fluid, invisible, inaudible ..." commisioned by YCAM”. 山口情報芸術センター (2007年3月10日). 2018年2月2日閲覧。
- ^ Sakamoto, Ryūichi、Takatani, Shiro、Yamaguchi Center for Arts and Media (編)、NTT インターコミュニケーション・センター (編)『Life : fluid, invisible, inaudible--』NTT Publishing、2007年。ISBN 9784757170360。OCLC 434880286。
- ^ a b c d “NTTインターコミュニケーション・センター〔ICC〕において坂本龍一氏と高谷史郎氏のコラボレートによる企画展「LIFE - fluid, invisible, inaudible ...」を開催!”. 東日本電信電話株式会社 (2007年8月3日). 2018年2月2日閲覧。
- ^ 坂本龍一、浅田彰「20世紀音楽史の終わりに--オペラ《LIFE》に寄せて〔対談〕」『Inter Communication』第10巻1 (通巻35)、2001年1月1日、18-26頁、ISSN 0918-3841、OCLC 5179104784。
- ^ 坂本龍一、浅田彰 (編集)、柄谷行人 (編集)「討議 20世紀音楽史の終わりに オペラ『LIFE』の位置 坂本龍一+浅田彰」『批評空間』II-23、太田出版、1999年1月1日、148-161頁。
- ^ Ryuichi Sakamoto + Shiro Takatani. Life - fluid invisible inaudible. Commons; エイベックス・マーケティング(発売). OCLC 675226059。
- ^ 坂本龍一、高谷史郎、後藤繁雄「スペシャル対談 LIFEからLIFEへ」『Inter communication』第17巻1 通巻63、2008年、5-15頁、ISSN 0918-3841、OCLC 5179118951。
- ^ 坂本龍一、高谷史郎、浅田彰 (監修 )「LIFE-TEXT」、NTT出版、2010年、ISBN 9784757170421、NCID BB04903807。