KHR-1
概要
編集登場時は最も安価(アメリカでは約$1,600、日本では¥128,000)に購入できる二足歩行ロボットでこれまで技術力、資金力のある一部の愛好家にしか手が届かなかった二足歩行ロボットが一気に普及するきっかけとなった[2]。
このロボットの身長は34cmで17の自由度(関節)を有する(それぞれの関節は個々のサーボモーターで駆動される)。格闘技のポーズ等幅広い動作が可能である[1]。
KHR-1は無線で制御できる。他の付属品や改造パーツによりサーボをトルクの高い12Vのものに交換したり[3]自由度を増やしたり高性能なマイクロプロセッサの搭載によりリアルタイムでのマスター/スレーブによる運用、ジャイロ、多軸加速度センサの搭載、大型の足の使用が可能となる[4]
腰部には上肢を傾斜させるような自由度は存在せず、構造上追加することも困難である[5]。
近藤科学から供給される基本的なロボットは単純な制御アプリケーションであるHearttoHeartを使用することでユーザーは順次動作やポーズを作成したりできる。ポーズとポーズの間を補間する機能もある[6]。
ユーザーはKHR-1はパソコンによるプログラムとシミュレーションによりいくつかの先進的な制御の開発が可能になった[5]。
KHR-1はROBO-ONE委員会が公認するロボットとなっており[7]、日本のROBO-ONE Jクラスにおいて最も普及したロボットのプラットフォームである。2004年にはRobo-One Jrのカテゴリーで優勝した。
開発の歴史
編集ROBO-ONEの開催により、高トルク型のサーボを使用したロボットが製作されるようになった。ラジコンカーの世界ではあまり販売数が多くない高トルクのサーボの需要が急増したことで近藤科学の社長が自ら調査に乗り出し、ROBO-ONEの製作者の声を聞いて[2]フレームは社員の一人がROBO-ONEに参加していたイトーレイネツ社、ソフトウェアは代表取締役がROBO-ONEに参加していたイクシスリサーチ社によって開発された[1]。 2012年には3代目となる「KHR-3HV」が発売。ダミーサーボを採用するなど,ユーザがロボットのスタイルを変えずに改良できるようになっている[8]。
関連項目
編集脚注
編集外部リンク
編集- 公式サイト
- U.S. Sales at Roboporium
- 梓みきお「ROBO‐ONEから生まれた2足歩行ロボットキット」『日本ロボット学会誌』第24巻第1号、日本ロボット学会、2006年、36-40頁、doi:10.7210/jrsj.24.36、ISSN 02891824、NAID 10017171900、OCLC 5176166097、国立国会図書館書誌ID:7798780、2023年2月12日閲覧。
- 西村輝一「ROBO‐ONEが生み出した「2足歩行ロボットのホビーの世界」」『日本ロボット学会誌』第27巻第9号、日本ロボット学会、2009年、999-1000頁、doi:10.7210/jrsj.27.999、ISSN 02891824、NAID 10026089620、OCLC 9661037504、CRID 1390001204726488320、2023年2月12日閲覧。
- 鈴木真ノ介、高久裕貴「ヒューマノイドロボットにおける歩行運動システムの研究」『小山工業高等専門学校研究紀要』第41号、小山工業高等専門学校、2009年、85-88頁、doi:10.24610/oyama.41.0_85、ISSN 02882825、NAID 130007924806、OCLC 5171219558、国立国会図書館書誌ID:10616365、2023年2月12日閲覧。
- 竹西素子「ビジネスとしての2足歩行プラットフォーム」『日本ロボット学会誌』第30巻第4号、日本ロボット学会、2012年、356-362頁、doi:10.7210/jrsj.30.356、ISSN 02891824、NAID 10030615792、OCLC 5183185675、国立国会図書館書誌ID:023784715、2023年2月12日閲覧。
- 二足歩行ロボット協会『二足歩行ロボット自作ガイド : ROBO-ONEにチャレンジ!』オーム社、2018年、154-155頁。ISBN 9784274222115。 NCID BB26026350。OCLC 1041864051。国立国会図書館書誌ID:028932361 。2023年2月12日閲覧。