I love ((G)I-DLEのアルバム)
I love(アイラブ)は韓国の5人組ガールズグループ(G)I-DLEによる5枚目のミニアルバム。2022年10月17日にカカオエンターテインメントを通じてCUBEエンターテインメントからリリースされた。タイトル曲『Nxde』を含む全6曲で構成されており、前作の『I NEVER DIE』から約7ヶ月ぶりの作品である。
『I love』 | ||||
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(G)I-DLE の EP | ||||
リリース | ||||
録音 | 大韓民国 | |||
ジャンル | ロック/メタル、ダンス、ラップ/ヒップホップ、R&B/Soul | |||
時間 | ||||
レーベル | カカオエンターテインメント | |||
プロデュース | ソヨン | |||
(G)I-DLE アルバム 年表 | ||||
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EANコード | ||||
EAN 8804775252280 | ||||
ミュージックビデオ | ||||
Nxde - YouTube |
背景
編集(G)I-DLEのリーダーであり、アルバムの統括プロデューサーであるソヨンが5月13日放送のバラエティ番組「私は一人で暮らす」にて今回のアルバムのコンセプトについての言及があった[2][注 1]。
アルバムの作業は6月のソウルツアーを皮切りに始まったワールドツアー「2022 (G)I-DLE WORLD TOUR [JUST ME ( )I-DLE]」で海外へ行く前からレコーディングやジャケット写真の撮影など全て準備しており、ソヨンは「話したいストーリーが明確にあったので早く準備を行なった」と語っている[3]。
9月13日にスポイラービデオを公開して、アルバムのリリースを予告してから[4]、トラックリストやコンセプトフォト、オーディオスニペットや『Nxde』のミュージック・ビデオのティザーなどをリリース日まで日を追って公開させた[5]。
10月21日、Mnet『M COUNTDOWN』への出演を皮切りに音楽番組のプロモーションを開始[6]。
コンセプト
編集「私じゃない姿で愛されるくらいなら、ありのままの姿で憎まれたい」というメッセージの下、自身が望んでいない建前は脱ぎ捨て、飾らない素直な姿を見せるという覚悟が込められている[7]。
本作はマリリン・モンローをオマージュしている。それに準えてメンバーは、全員金髪にしてアルバムの活動へ参加した。メンバーによってそれぞれ金髪の種類が異なっており、ウギはオレンジが入った「ダイアモンドオレンジ」、ミンニは暗い金髪、シュファとソヨンは明るい金髪、ミヨンはシュファとソヨンとは少し暗めの金髪である[8]。特に今まで髪の毛のブリーチやカラーを避けてきたシュファの金髪への変身は反響が大きく、シュファはソヨンからの適切なコンセプトに対する説明を受けてから2-3日間悩んだ末に金髪にすることを決意した[9]。それに関連してメンバーのミンニは、単独コンサートが終了した後の会食にてシュファが初めて金髪にしたと聞いた時号泣したという[10]。(G)I-DLEのリーダーであるソヨンはアルバムのコンセプトに対して下の様に語っている[11]。
「 | どんな時代でも、外見への偏見はいつもあったようだ。マリリン・モンローも白痴美とセックスシンボルとして見られていたが、実は賢くて本を愛する人物だった。私たちも芸能人だから『そういった人なのだろう』と偏見を持っていらっしゃる方々もいると思うが、違うと伝えたい。 | 」 |
—ソヨン(I loveのオンラインメディアショーケースより) |
アルバムのコンセプトフォトはアルバムのテーマを踏襲して3種展開されており、ハート型のオブジェとメンバーのランジェリー姿と共に愛という感情に対する両面性を表現したActバージョン[12][13]、ガウンを着て足を組んだ団体写真が特徴的なBornバージョン[14]、ウサギの仮面をつけて薄暗い部屋にあるソファに腰掛け、誰からでも愛されるアーティストの裏側を表現したX-Fileバージョンが存在する[12][15]。
収録曲
編集# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 |
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1. | 「Nxde」 | ソヨン | ソヨン, Pop Time, Kako | ソヨン, Pop Time, Kako |
2. | 「LOVE」 | ソヨン | ソヨン, ビック・サンチョ (YummyTONE) | ソヨン, ビック・サンチョ (YummyTONE) |
3. | 「Change」 | ミンニ, ソヨン | ミンニ, BreadBeat | BreadBeat |
4. | 「Reset」 | ソヨン | ウギ, BOYTOY (Blatinum), Disko (Blatinum), PLZ (Blatinum) | ウギ, BOYTOY (Blatinum), Disko (Blatinum) |
5. | 「조각품」(→ 彫刻品) | ソヨン, ミンニ, フーディニ | ミンニ, フーディニ | フーディニ, Raw |
6. | 「DARK (X-file)」 | ソヨン | ウギ, Siixk Jun | Siixk Jun |
音楽性
編集ソヨンが全曲、ウギとミンニがそれぞれ2曲楽曲制作に参加している本アルバムは、トラックの6番目からストーリーを繋いでおり、公式SNSにて公開されたトラックリストが掲載された画像では6番目から逆順に記されている。これは6番目が最初に恋をした時の姿だとすると、逆順に5番目、4番目、3番目、2番目と愛の過程を経験して1番目の様になるという意味が込められている[16]。
タイトル曲の『Nxde(読み: ヌード)』はオペラ「カルメン」のアリアである「ハバネラ」をサンプリングさせており、飾らない姿を見せるという覚悟を「ヌード」という単語になぞらえて表現し、卑猥な視線を大胆の皮肉る歌詞が特徴的な楽曲である[12]。ヌードについてソヨンは「『ヌード』という単語はわいせつ的で、いやらしいと感じる方もいるだろう。しかし露出ではなく、本物の自分の姿と言う意味だ。自分にとってヌードは、そんな意味だった」と語っている[11]。タイトルの『Nxde』は製作段階からその題名に決めており、所属事務所から「それはいやらしすぎる」と反対されたものの「これは絶対に『Nxde』にしなきゃ」というソヨンの意思から『Nxde』に決定した[17]。『Nxde』はNAVERの検索欄に影響を及ぼし、以前まで「アイドゥル ヌード[注 2]」と検索をすると児童ポルノなどといったわいせつで悪質なコンテンツが表示されていたが、新曲の発表後には新曲のミュージック・ビデオや関連する記事や画像が表示される様になった[18]。
アルバム
編集アルバムは「Born Ver.」、「Act Ver.」、「X-File Ver.」のブックレット形式の3種と、メンバー別5種のジュエルケース形式でリリースされた。ブックレット形式のアルバムには100ページのブックレット、リリックペーパー、CDフォトカード、ステッカー、スタンプステッカー、ブックマーク、ミニポスター、先行予約限定のポスターが収録されており、ジュエルケース形式のアルバムにはCDケース、ブックレット、リリックペーパー、CD、フォトカードが収録されている[19]。
ミュージック・ビデオ
編集ミュージック・ビデオはHIGHQUALITYFISH(以下HQF)が主に手掛け、監督はHQFのソン・スンヒが担当した。HQFとソン・スンヒは前作の『TOMBOY』や、テヨンの『INVU』、チャンモの『모래시계(→ 砂時計)』などといったミュージック・ビデオを手掛けている[20]。
内容はメンバーが女優や彫刻像などになって、スポットライトを浴びる過程の中で対象化された客体の多様な視線を表しており、アニメーションを活用して重くならない様な方式で楽曲のメッセージ性を伝えている[21]。またミュージック・ビデオにはマリリン・モンローの過去の作品などをオマージュをしている[22]。ミンニはピンクのベルベットドレスとクリスタルネックレスを着用して「紳士は金髪がお好き」のマリリンモンローに扮し、ウギは白のドレスとプリーツスカートで「七年目の浮気」のマリリン・モンローに扮している[23]。
ミュージック・ビデオに対してウギは「今回のミュージック・ビデオを作品だと考えてくれたら嬉しい。意味があるシーンが点在する為見逃さずに見て欲しい」とコメントしている[21]。
評価
編集10月18日、サンフランシスコの人気ラジオステーションである99.7 NOW FMにて紹介された。ゲム・アーチャーは「音楽を聴いた瞬間、リスナーに早く聴かせたいと思った。英語やラテン語ではない音源をラジオで流したのは多分初めてだ。(G)I-DLEをぜひ放送局に招待したい。彼女たちは保守的なラジオメディアでその壁を超えることができるだろう」とコメントした[24]。
受容
編集アルバムの先行予約枚数は70万枚を突破し、自己最高記録を更新した[25]。
10月17日、iTunesトップアルバムチャートにてシンガポールやブラジルなどで首位を獲得した[26]。
『Nxde』はリリースの同時にMelonやBugs!、genieなどのリアルタイムチャートにて首位を獲得。特にBugs!では全曲がチャートインした[26]。
クレジット
編集ミュージック・ビデオ
編集撮影 - HIGHQUALITYFISH
監督 - SAMSON(ソン・スンヒ)
エグゼクティブ・プロデューサー - HGF
1st AD - ホン・ジュヨン
2nd AD - クォン・スミン
ライン・プロデューサー - キ・ジョンホ
プロダクション・アシスタント - キム・テジュン、イ・ジョンフン、イ・ボム、パク・チャンヒョク、ユン・ウォンソン、イ・ヒヨン、チョン・ユソク
撮影監督 - ユン・インモ | ATOD
- 1st - リュ・ジェファン
- 2nd - キム・ジョンウィ
- 3rd - イ・ジス
- DIT - キム・ウソク
ジミージブ操作
- 1日目 - キム・ヨンジュン、キム・ヒョンイン、キム・ビョンジョン
- 2日目 - イ・ドンジン
- 1st - ユ・ジョンヒョン
- 2nd - チョン・スンウム
照明 - パク・ジュンヒ、イ・スンチョル、チェ・ユンスン、キム・ジョンウク、シン・ゴンボム、イ・ジェフン、チョン・チャン、ペク・ジニョン、ウム・ドンヒョン、ジン・イェリム
ショーライト - チョン・ソンガン | J Show
空間ディレクター - イ・ジュンエ
アートチーム - チャン・ホンソク、パク・ギョンウォン、キム・ヨン、ジン・ヨンフン、イ・ドンヒョン、アン・ヒョジュン
SFX - パク・チョリョン、オ・ウォンジュン、パク・ジェスン、ソル・チョンヨン、パク・ヨンミン
振付師 - テウン
アニメーション - STUDIO SHELTER
2Dアニメーションディレクター - パク・ジウォン シニアアニメーター - ソン・ジヨン
アニメーター - ハ・ジュアン、イ・スンファン、ハン・ダヘ、チェ・ヒョンヒ、ソン・ハジン
プロジェクトマネージャー - イ・ハヌル
プロデューサー - キム・ラオン
ポストプロダクション管理者 - SAMSON
編集 - SAMSON
DI - HQF
CG - Jamyu
CGアーティスト - ソニュ
脚注
編集注釈
編集- ^ 前提として、(G)I-DLEの作品はリーダーのソヨンが統括プロデューサーとして中心に立っており、アルバムのトラック曲やコンセプトだけでなく、ヘアメイクや衣装、ミュージック・ビデオなどの様々な場面でプロデュースに携わっている。
- ^ アイドゥル(朝: 아이들)は朝鮮語で子供たちの意。
出典
編集- ^ (日本語) (여자)아이들((G)I-DLE) - 5th Mini Album [I love X-LOVE SHOW] 2022年10月21日閲覧。
- ^ (日本語) [나 혼자 산다🐌느리다 느려 소연 사회🚶♀️느리게 바쁜 프로듀서 전소연의 공백기 일상🧎♀️| #전소연 MBC220513방송] 2022年10月20日閲覧。
- ^ Inc, Digital Chosun. “[종합 (여자)아이들 "'Nxde'의 의미? 벗겨진 것이 아닌, 있는 그대로의 나"]” (朝鮮語). digitalchosun.dizzo.com. 2022年10月21日閲覧。
- ^ (日本語) (여자)아이들((G)I-DLE) - 5th Mini Album [I love Spoiler Teaser] 2022年10月20日閲覧。
- ^ “(G)I-DLE、5thミニアルバム「I LOVE」スケジュールを公開…多彩なコンテンツを予告”. Kstyle. 2022年10月20日閲覧。
- ^ bntnews. “(여자)아이들, 신곡 ‘Nxde’ 첫 컴백 무대! 독보적 매력 선사” (カヌリ語). bntnews. 2022年10月21日閲覧。
- ^ “(G)I-DLE、5thミニアルバム「I LOVE」インタビュー映像を公開…メンバーの大胆な発言に注目”. Kstyle. 2022年10月15日閲覧。
- ^ “「(G)I-DLE」、全員金髪へと変身…「少しずつ違った髪色」│韓国音楽K-POP│wowKorea(ワウコリア)”. wowKorea(ワウコリア) (2022年10月18日). 2022年10月21日閲覧。
- ^ NEWS, SPOTV (2022年10月13日). “신념까지 바꿨다…’누드’로 이어갈 (여자)아이들 신드롬[초점S]” (朝鮮語). SPOTV NEWS. 2022年10月21日閲覧。
- ^ ““탈색한다고 울어”…(여자)아이들, 미연→슈화 멤버별 주량주사 폭로” (朝鮮語). 톱스타뉴스 (2022年10月13日). 2022年10月21日閲覧。
- ^ a b “(G)I-DLE、新曲「Nxde」でメンバー全員がイメチェン!外見による偏見に言及(総合)”. Kstyle. 2022年10月21日閲覧。
- ^ a b c “Melon” (朝鮮語). 멜론. 2022年10月20日閲覧。
- ^ “「(G)I-DLE」、破格変身「Nxde」…今回はランジェリールック│韓国音楽K-POP│wowKorea(ワウコリア)”. wowKorea(ワウコリア) (2022年10月2日). 2022年10月21日閲覧。
- ^ ““全員金髪ガウン姿”「(G)I-DLE」、新譜「I love」の“Born”団体コンセプトフォト公開…“TOMBOYシンドローム”を超えるか?│韓国音楽K-POP│wowKorea(ワウコリア)”. wowKorea(ワウコリア) (2022年10月1日). 2022年10月21日閲覧。
- ^ “(G)I-DLE、“ウサギの仮面”で素顔を隠す…不気味なオーラを放つ最後のコンセプトフォトに注目が集まる|スポーツソウル日本版”. スポーツソウル. 2022年10月21日閲覧。
- ^ (日本語) (여자)아이들((G)I-DLE) - 5th Mini Album [I love X-LOVE SHOW] 2022年10月21日閲覧。
- ^ 2022年10月18日放送 - NAVER NOW.「うわさのアイドル」 ソヨンの発言にて
- ^ 15sd (2022年10月18日). “(G)I-DLE、新曲「Nxde(ヌード)」が性犯罪を抑止!? わいせつな検索欄を一掃&彼女たちのコンテンツで埋めつくす! 性的消費される人々を守る結果に称賛の声相次ぐ”. KPOP monster. 2022年10月20日閲覧。
- ^ “(G)I-DLE| 約7ヶ月振り!韓国5枚目のミニアルバム『I love』|タワレコ特典トレカ(ランダム)&メーカー特典ポスター (Jewel Ver. 対象外) - TOWER RECORDS ONLINE”. tower.jp. 2022年10月20日閲覧。
- ^ 김혜민 (2022年6月6日). “90년대생 K팝 뮤비 감독 4인” (朝鮮語). W Korea. 2022年10月20日閲覧。
- ^ a b 머니투데이 (2022年10月17日). “(여자)아이들, '누드'에 대한 과감하고 명석한 뒤틂” (朝鮮語). 머니투데이. 2022年10月21日閲覧。
- ^ “G)I-DLE are ready to bare it all in retro-themed MV for 'Nxde'”. 2022年10月21日閲覧。
- ^ “(G)I-DLE《Nxde》向一代性感女神瑪麗蓮夢露致敬! Chanel、Mugler、Jean Paul Gaultier 等多達24套服裝造型” (中国語). Vogue Hong Kong. 2022年10月21日閲覧。
- ^ “(G)I-DLE、韓国語バージョン「Nxde」がアメリカのラジオ番組で紹介…DJも絶賛“リスナーに早く聴かせたかった””. Kstyle. 2022年10月21日閲覧。
- ^ “(G)I-DLE、5thミニアルバム「I LOVE」先行注文数が70万枚を突破!自己最高記録を更新”. Kstyle. 2022年10月21日閲覧。
- ^ a b “(G)I-DLE、5thミニアルバムが世界40地域のiTunesチャートで1位に!タイトル曲「Nxde」MVは再生回数2400万回を突破”. Kstyle. 2022年10月21日閲覧。
- ^ “Sam Sonの投稿”. www.instagram.com. 2022年10月21日閲覧。