HP-GL
HP-GL または HPGL とは、ヒューレット・パッカードのプロッタで使われていた初期のプリンタ制御言語である。Hewlett-Packard Graphics Language の略。後に、ほとんどすべてのプロッタの標準となった。なおプロッタメーカー独自の拡張仕様も存在する。
2文字のコードとオプションパラメータからなる。たとえば、次のような文字列を送れば、ページに円弧が描かれる。
AA100,100,50;
これは、Arc Absolute (絶対位置の円弧)を意味し、ページの (100,100) を中心座標とする円弧を現在のペン位置から反時計周りに50度描く。4番目のオプションパラメータ(この例では使っていない)は円弧の分解能で、デフォルトは5度である。
典型的な HP-GL ファイルでは、いくつかのセットアップコマンドで始まり、一連の長いグラフィックスコマンドが続く。たとえば次のようになる。最後のセミコロン記号は区切り文字で、コマンドの区切りを示す。
コマンド | 意味 |
---|---|
IN; | 初期化して、プロット処理を開始 |
IP; | 初期位置(原点)の設定。ここではデフォルトの (0,0) |
SC0,100,0,100; | ページの X と Y の両方向へ 0-100 のスケールとする |
SP1; | ペン 1 を選択 |
PU0,0; | 次の動作に備えてペンを開始位置に移動 |
PD100,0,100,100,0,100,0,0; | ペンを下げて指定座標へ移動(ページの周囲に四角形を描く) |
PU50,50; | ペンを上げて (50,50) へ移動 |
CI25; | 半径 25 の円を描く |
SS; | 標準フォントを選択 |
DT*,1; | テキストの区切りをアスタリスクに設定し、それを印刷させない( 1 は「真」の意味) |
PU20,80; | ペンを上げて (20,80) へ移動 |
LBHello World*; | 文字を描く |
座標系は、それらのプロッタのうちの1つがサポートできる最小単位に基づき、25 µm (つまり 1/40mm、1/1016インチ)に定められた。座標空間は正または負の浮動小数点数で、厳密には±230である。座標原点は小型プロッタにおいて盤面の左下、大型プロッタ(HP-GL II)において盤面の中央にある。
マニュアル
編集- Hewlet-Packard Company (1996) (英語) (PDF). The HP-GL/2 and HP RTL Reference Guide - AHandbook for Program Developers (2nd ed.). Barselora, spain: Addison-Wesley. ISBN 0-201-63325-6. HP Part number: 5961-3526.
- Hewlet-Packard Company (1997) (英語). The HP-GL/2 and HP RTL Reference Guide - AHandbook for Program Developers (3rd ed.). Reading, Mass.: Addison-Wesley. ISBN 0-201-31014-7. NCID BA37680992.
外部リンク
編集- Hewlett Packard Graphics Language Commands
- HPGL Overview
- Converter from HPGL (LGPL Licence)
- PLT Viewer Homepage A quick PLT and HPGL viewer, converter and editor with powerful printing system.