HD 114762 bは、かみのけ座の天体である。1989年にDavid W. Lathamらによって発見された[2]太陽系外惑星候補の一つだが、褐色矮星に分類される可能性もある。太陽系からは126光年離れている[3]

HD 114762 b
星座 かみのけ座
分類 太陽系外惑星
発見
発見年 1989年[1]
発見者 David W. Latham ら[2]
発見方法 ドップラー分光法[2]
現況 公表
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 0.353 ± 0.001 au[3]
離心率 (e) 0.3354 ± 0.0048[3]
公転周期 (P) 83.9151 ± 0.0030日[3]
近点引数 (ω) 201.28 ± 1.01 °[3]
前回近点通過 JD 2449889.106 ± 0.186[3]
通過時刻 JD 2455326.665 ± 0.242[3]
準振幅 (K) 612.48 ± 3.52 m/s[3]
HD 114762の惑星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  13h 12m 19.74s[1]
赤緯 (Dec, δ) +17° 31′ 01.6″[1]
距離 126 ± 4光年
(38.7 ± 1.1 pc[3])
物理的性質
質量 > 10.98 ± 0.09 MJ[3]
他のカタログでの名称
HIP 64426 b, SAO 100458 b, BD+18 2700 b, LHS 2693 b, TYC 1454-00315-1 b, 2MASS J13121982+1731016 b, WISE J131219.31+173101.6 b[1]
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性質

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HD 114762 bは、HD 114762と呼ばれるF型主系列星伴星である。軌道離心率0.34の楕円軌道を84日で一周している。下限質量木星の11倍で、真の質量はこれより大きいと考えられている。質量は最大で木星の145倍に達する可能性もある[2]

HD 114762 b は間接的な手段のみで観測されている上、質量の推定にも幅があるため、どのような天体に分類されるべきなのかは明らかではない。天体の真の質量が下限質量に近ければ巨大なガス惑星と言えるが、質量が大きい場合は褐色矮星赤色矮星に分類される[2]

HD 114762 b が発見されたのは1989年である。これは最初の系外惑星の発見(PSR B1257+12A・B、1992年)や、最初の主系列星の系外惑星の発見(ペガスス座51番星b、1995年)より早い。そのため、仮にHD 114762bが系外惑星と確かめられれば「最初に発見された系外惑星」になる(ただし「最初に『確認』された系外惑星」とはならない)。

脚注

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  1. ^ a b c d HD 114762 b”. NASA Exoplanet Archive. NASA Exoplanet Science Institute. 2020年11月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e Latham, David W. et al. (1989). “The unseen companion of HD114762: a probable brown dwarf”. Nature 339 (6219): 38–40. Bibcode1989Natur.339...38L. doi:10.1038/339038a0. ISSN 0028-0836. 
  3. ^ a b c d e f g h i j Kane, Stephen R. et al. (2011). “Revised Orbit and Transit Exclusion for HD 114762b”. The Astrophysical Journal 735 (2): L41. arXiv:1106.1434. Bibcode2011ApJ...735L..41K. doi:10.1088/2041-8205/735/2/L41. ISSN 2041-8205. 

外部リンク

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座標:   13h 12m 19.74s, +17° 31′ 01.6″