Chiselは、デジタル回路設計用の、オープンソースハードウェア記述言語 (HDL: Hardware Description Language) の一種である。カリフォルニア大学バークレー校で開発が行われている。Chiselは、Scalaの内部DSLとして実装されている。

Chisel
パラダイム ハードウェア記述言語 (HDL: Hardware Description Language)
登場時期 2012年 (2012)
最新リリース 3.4.1/ 2020年12月3日 (3年前) (2020-12-03)
型付け 強い静的型付け
ライセンス BSDライセンス
ウェブサイト https://www.chisel-lang.org/
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概要

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Chiselは、Constructing Hardware In a Scala Embedded Language の略とされており、その名の通りScalaの内部DSLで、Scalaのライブラリとして提供されている。また、ハードウェア記述言語というよりも hardware construction language、すなわち構築言語であるとされている。[1]

Chiselのコンパイルは以下のようなパイプラインで行われる:

  1. Chisel3 (Scala) のコードから Firrtl (Flexible Internal Representation for RTL) へ
  2. Firrlt から Verilog へ(ASIC や FPGA ツール向け)
  3. Verilog から C++へ(Verilator を使用してシミュレーションやテストを行う)

歴史

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開発動機

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ハードウェア記述言語の主流は、VHDLVerilog(および後継言語のSystemVerilog)であるが、これらは、ハードウェアの動作仕様の文書化、およびモデリングやシミュレーションのための言語として開発されたため、論理合成の機能は、シミュレーションのサブセットとなっている。また、これらの言語は、現在のソフトウェア用プログラミング言語の強力な抽象化機能は持っていない。このため、ハードウェアの設計者の生産性が低くなっている。Chiselは、Scalaをベースとして、現代のプログラミング言語の機能を提供する事を目的として開発された。[2]

バージョン履歴

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Chisel 2.1
2013年12月
Chisel3
2017年11月

コード例

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最小公倍数を求める例を以下に示す。

import chisel3._

class GCD extends Module {
  val io = IO(new Bundle {
    val a  = Input(UInt(32.W))
    val b  = Input(UInt(32.W))
    val e  = Input(Bool())
    val z  = Output(UInt(32.W))
    val v  = Output(Bool())
  })
  val x = Reg(UInt(32.W))
  val y = Reg(UInt(32.W))
  when (x > y)   { x := x -% y }
  .otherwise     { y := y -% x }
  when (io.e) { x := io.a; y := io.b }
  io.z := x
  io.v := y === 0.U
}

脚注

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  1. ^ https://www.chisel-lang.org/docs 2024年9月17日閲覧
  2. ^ Jonathan Bachrach, Huy Vo, Brian Richards, Yunsup Lee, Andrew Waterman, Rimas Avižienis, John Wawrzynek, Krste Asanović. “Chisel: Constructing Hardware in a Scala Embedded Language” (PDF). ASPIRE. UC Berkeley. 26 October 2021閲覧。

関連項目

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外部リンク

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