Boichi(ボウイチ、1973年1月29日 - )は、大韓民国ソウル特別市出身の漫画家。本名、朴 武直(パク・ムジク、박무직)。

Boichi(ルッカコミックス&ゲームズ 2014)

経歴

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漫画に活かすため大学(培材大学校)では物理学を専攻、演出技術を学ぶため秋溪芸術大学校朝鮮語版大学院では映像を専攻。

1993年、韓国の少女漫画雑誌である「ミール(미르)」誌に掲載の『アンニョン!キャプテン(안녕! 캡틴)』でデビュー。少女漫画誌「ウインク (雑誌)朝鮮語版」(ソウル文化社)に1994年より連載された『無一文漫画教室(무일푼 만화교실)』のヒットで人気作家となる。女性漫画誌で活躍する男性漫画家という当時の韓国では異色の経歴で、当時は韓国女性漫画家協議会に加盟していた。少女漫画家時代においては、ウインクに連載された『TOON』や、「ビジュー (雑誌)朝鮮語版」(時空社朝鮮語版)に連載され、歌手のキム・ヒョンジョンが原作を担当したことでも話題となった『T.R.Y』(作画)などが代表作。

2000年より成年漫画を描き始め、韓国のウェブトゥーンのサイトである「コミックストゥデイ朝鮮語版」にフルカラーの成年漫画『Feeling』を連載。日本の成年漫画誌「COMIC阿呍2004年7月号の『La Parisienne パリジェンヌ』で日本デビュー。

2006年より『ヤングキング』で『サンケンロック』を連載。長期連載となり、2016年2月に終了した[1]。同年、『週刊ヤングマガジン』で『ORIGIN[2]2017年から2022年まで『週刊少年ジャンプ』で『Dr.STONE』(作画)を連載[3][4]2023年から2024年まで『週刊少年サンデー』で『スーパーストリング -異世界見聞録-』を連載[5]

作風

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アクション作品に限らず、ラブロマンスやSF作品も描く。作品の内容に随所にパロディや社会問題を織り交ぜることも多い。主に劇画調の濃い絵柄が特徴であるが、児童向け漫画作品や『Dr.STONE』では少年漫画ということもあってかやや抑え気味でコメディ色が強い絵柄となっている。臀部に対して強い拘りがあり、青年漫画と成年漫画ではその部分を強調した場面を頻繁に描いている。

『Wallman-ウォールマン-』のメインキャラ3人が『サンケンロック』の物語終盤に登場したり、『サンケンロック』主人公のケンが『ORIGIN』でパトロンとして主人公を支援するなどスターシステムを取り入れている。

代表作のひとつである『サンケンロック』では主に体術の駆使と、その結果を絡ませた章から始め、韓国に於ける暴力組織である「ゴンダル」といういわゆる、任侠の世界に迫り、そして、主人公は「何を正義に闘うのか?」を徐々に見い出していく。

2006年に「モーニング」に掲載されたSF読み切り作品『Hotel』では作者自身が培った豊富な知識と画力を活かした。また2008年に同誌に掲載された『全てはマグロのためだった』は翌年の創元SF文庫版《年刊日本SF傑作選》に収録された。

韓国では、一部作品を除き、日本で使用されている『Boichi』名義ではなく本名の『朴武直』名義で単行本を出している。また、韓国で発表した漫画では頭に星が生えた二頭身の人間を自画像として用い、日本で発表された漫画では頭部に回転灯の付いたロボットを自画像としている。

『Dr.STONE』で第64回小学館漫画賞少年向け部門を、『ORIGIN』で第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。

作品リスト

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連載作品

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読み切り作品

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  • 夜の伝説 (『月刊ウィンク』 1997年1月号掲載、『BoichiオリジナルSF短編集1 時空の旅人』にて日本語訳で収録)
  • WINTERS (『コミック阿吽』 2005年掲載)
  • Hotel(『モーニング』 2006年25号掲載)
  • Present(『モーニング』 2007年2・3合併号掲載)
  • Stephanos (『MANDARA』 2007年01号掲載)
  • DIADEM (『MANDARA』 2008年02号掲載)
  • 全てはマグロのためだった(『モーニング』 2008年31号掲載)
  • トライガン(『ヤングキング』 2010年掲載)- 内藤泰弘作の同名漫画のスピンオフ作品、『サンケンロック』12巻収録
  • The Space Between (『グランドジャンプPREMIUM』 2015年3月号掲載)
  • ANTI-MAGMA (『グランドジャンプPREMIUM』 2015年5月号掲載)
  • 空に立つ者、地に立つ者(『週刊ヤングマガジン』2019年27号掲載)
  • 彼はそこにいた(『週刊ヤングマガジン』2020年48号 - 49号掲載) - ヤングマガジン32号からスタートした40周年企画「我漫—ワガマン-」第14弾として掲載。
  • GOD ARMS(『週刊少年ジャンプ』2023年36・37合併号掲載[10]
  • CHILDHOOD'S ENDO(『少年ジャンプ+』2024年7月29日[11]

単行本

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以下、韓国国内のみで発売された作品

  • TOON (全5巻)
  • T.R.Y Take off Rush Youth (全3巻) - キム・ヒョンジョン原作
  • Feeling (全2巻、成人向け作品)
  • 大韓民国憲法第1条 (成人向け作品) - 映画とのメディアミックス作品
  • スリスリ マッソグム
  • 映画を信じないで下さい
  • まんがサイエンス 物理編 (チョ・チャンホとの原作、作画兼任)
  • まんがサイエンス 生物編(キム・ミンホと原作担当)
  • まんがサイエンス 宇宙編(原作担当)
  • まんがサイエンス 天文編(原作担当)

以下、日本で発売された作品

  • サンケンロック(全25巻)
  • ユミンにご飯を食べさせたい
  • 究極宇宙味帝シーザー (ワニブックスより刊行)
    • スペースシェフシーザー (『究極宇宙味帝シーザー』から改題され少年画報社より刊行。韓国語翻訳版がシーアンドシーレボリューションより刊行、成人向け作品。)
  • Lovers in Winters (成人向け作品)
  • Boichi作品集Hotel
  • ラキア(全5巻)
  • H・E The HUNT for ENERGY(全3巻)
  • Wallman-ウォールマン-(全3巻)
  • テラフォーマーズ外伝 アシモフ(全2巻)
  • ORIGIN(全10巻)
  • Dr.STONE(全27巻)
  • Dr.STONE reboot:百夜(全1巻)
  • BoichiオリジナルSF短編集1 時空の旅人
  • BoichiオリジナルSF短編集2 名も無き戦士

漫画教則本

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以下、韓国国内のみで発売された書籍

  • 朴武直 漫画工作所 基礎編
  • 朴武直 漫画工作所 中級編
  • 朴武直 無一文デッサン教室
  • 朴武直 無一文漫画教室
  • Photoshopを使ったカラーイラストレーション秘法
  • 頭がよくなる創意力スクスク漫画描き - 児童を対象とした漫画教則本

以下、日本で発売された書籍

  • カッコイイ男キャラクター漫画教室!

書籍

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以下、韓国国内のみで発売された書籍

  • 朴某氏物語 「私は漫画人だ」

以下、日本で発売された書籍

  • Dr.STONEの最強自由研究(表紙担当。他はDr.STONE本編の過去イラストやシーン引用となる)
  • JUMP j BOOKS Dr.STONE 星の夢、地の歌(表紙担当)
  • JUMP j BOOKS Dr.STONE 声はミライへ向けて(表紙担当)

画集

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  • THE ART OF SUN-KEN ROCK
  • THE ART OF BOICHI

脚注

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  1. ^ 「サンケンロック」10年の歴史に幕、韓国に渡った青年がギャングのボスに”. 2024年3月11日閲覧。
  2. ^ 「サンケンロック」のBoichiが描く近未来東京のSF、ヤンマガで開幕”. 2024年3月11日閲覧。
  3. ^ 稲垣理一郎×Boichiのタッグが描くSF冒険譚、ジャンプで始動”. 2024年3月11日閲覧。
  4. ^ 稲垣理一郎×Boichi「Dr.STONE」5年の連載に幕、最終巻は7月発売”. 2024年3月11日閲覧。
  5. ^ a b スーパーストリング:「Dr.STONE」Boichi×尹仁完の新連載 「サンデー」と「LINEマンガ」コラボ “超説超次元”アクション”. MANTAN WEB (2023年4月19日). 2023年4月19日閲覧。
  6. ^ ムサシマル、環望、Boichiの新連載、アワーズGHで一挙に始動”. 2024年3月11日閲覧。
  7. ^ 『ONE PIECE magazine Vol.13』本日12月2日(木)発売!連載1000話&コミックス100巻記念号!!”. ONE PIECE.com (2021年12月2日). 2021年12月3日閲覧。
  8. ^ “週刊少年ジャンプが本気で作った学習マンガ雑誌、連載作家にBoichiや古舘春一”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年4月1日). https://natalie.mu/comic/news/518994 2023年4月1日閲覧。 
  9. ^ a b 「Dr.STONE」のBoichiがゴラクに初登場、愛してやまない「酒のほそ道」をリメイク”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年7月12日). 2024年7月12日閲覧。
  10. ^ 『週刊少年ジャンプ』2023年36・37合併号、集英社、2023年8月7日、ASIN B0CCSNNB8W 表紙より。
  11. ^ Boichiがジャンプ+に初登場、人類文明終焉の間際に誕生した天才描く読切で”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年7月29日). 2024年7月29日閲覧。

外部リンク

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