BTR-D
ソ連が開発した装甲兵員輸送車
BTR-D(ロシア語:БТР-Д)は、ソビエト連邦で開発された装甲兵員輸送車(Бронетранспортёр;略称:БТР)。BMD-1から砲塔を取り外し、車体を延長して乗員数を増加させた型である。BMDと同様に、空中投下が可能なように設計されている。1974年採用。2013年以降、後継のBTR-MDに順次置き換わっていく予定[1]。
基礎データ | |
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全長 | 5.883m |
全幅 | 2.63m |
全高 | 2.0m |
重量 | 8t |
乗員数 | 1名 |
乗員配置 | 乗員1名、歩兵12名 |
装甲・武装 | |
副武装 | PKT 7.62mm機関銃×2 |
機動力 | |
速度 |
60km/h(整地) 25km/h(不整地) 10km/h(水上) |
エンジン |
5D-20 V型6気筒液冷ディーゼル 176kW/2,600rpm |
行動距離 | 500km |
概要
編集BTR-Dは、BMD-1の車体を元に設計されているが、全長が483mm延長されている。操縦席は車体前方の中央に位置し、その両側には機関銃手各1人が位置し、PKT7.62mm機関銃を操作する。弾薬搭載数は、機関銃弾×2,000発である。
兵員室には完全武装の空挺兵1個分隊(10人)を搭乗させて輸送できる。兵員の乗降は、天井の2ヶ所のハッチと後部の大ハッチを通して行われる。車体には2ヶ所の銃眼が存在する。
他車両との通信用に、R-123M無線機が設置されている。煙幕展開用に、熱煙幕発生器と発煙弾発射機902V×4基が設置されている。消火装置とNBC防護システムも設備されている。
派生型
編集- BTR-RD「ローボト」 - БТР-РД "Робот"
- 9K111 ファゴットまたは9K113 コンクールスを搭載した駆逐戦車。
- BMD-KSh「シニーツァ」 - БТР-КШ "Синица"
- 大隊級の指揮・幕僚車。R-123無線機×2台を搭載。“シニーツァ”とはシジュウカラ上科の鳥を指す。
- 1V119「レオスタート」 - 1В119 "Реостат"
- 砲兵統制車。地上レーダー(有効距離14km)、レーザー測距儀(8km)、昼夜間監視装置、地図照合機、電子戦機材、R-123無線機×2台、R-107無線機×1台を搭載。“レオスタート”とはポテンショメータの意。
- 2S9「ノーナ-S」 - 2С9 "НОНА-С"
- 120mm自走砲。
→詳細は「2S9ノーナ-S 120mm自走砲」を参照
- BTR-ZD「スクレージェト」 - БТР-ЗД "Скрежет"
- 高射ミサイル班の輸送車両。ZU-23-2の車体としても使用。“スクレージェト”とは歯ぎしりの意。
- BTR-KShM「ソローカ」 - БТР-КШМ "Сорока"
- 連隊・旅団級の指揮・幕僚車。R-123無線機×2台、R-111無線機×2台、R-130レーダー、秘匿通信機を搭載。無人偵察機「シュメーリ」の発射・操縦車としても使用。“ソローカ”とはカササギの意。
- BREM-D - БРЭМ-Д
- クレーン、牽引機、鋤、溶接機を搭載した修理・回収車。
- R-440 ODB「フォボス」 - Р-440 ОДБ "Фобос"
- 衛星通信装置を搭載した移動衛星通信車。
-
BMD-KSh
-
1V119
-
2S9ノーナ-S
-
BTR-ZD
-
BTR-ZD
ZU-23-2を搭載した対空自走砲型
運用国
編集現役
編集参考文献
編集- ^ БРОНЕТРАНСПОРТЁР БТР-МД «Ракушка» (об.955)
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 182. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 198. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 205. ISBN 978-1-032-50895-5