Android標準ブラウザ
Android標準ブラウザまたはAOSP Browser(エーオーエスピー・ブラウザ)はGoogleが開発し、レンダリングエンジンとしてWebKitまたはBlinkのいずれかを使用するブランド化されていないオープンソースのウェブブラウザである。
Android 6.1上で動作するAOSP Browser(バージョン6.0.1) | |
開発元 | |
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初版 | 2008年 |
リポジトリ | https://android.googlesource.com/platform/packages/apps/Browser/ |
使用エンジン |
バージョン4.3以前: WebKit バージョン4.4以降: Blink (Chromium WebView) |
対応OS | Android |
対応言語 | 53言語 |
種別 | ウェブブラウザ |
ライセンス | Apache-2.0 |
開発元 | |
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最新版 | |
リポジトリ | |
使用エンジン | Blink (Chromium WebView) |
対応OS | Android 5.0以降 |
対応言語 | 53言語 |
種別 | ウェブブラウザ |
ライセンス | Apache-2.0 |
公式サイト | https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.webview&hl=ja&gl=JP |
Android 4.4以前に搭載されていたバージョンではAndroid OSの一部という扱いであり、端末ベンダー提供のパッチ適用によって更新されていたが、Android 5.0以降は「AndroidシステムのWebView」として、Android OSとは別にGoogle Playストア経由で更新できるようになった[2]。
概要
編集Android用にGoogle Chrome for Androidが公開される前まで標準搭載されていたブラウザであった。Chrome for Androidの正式版が公開された2012年6月28日以降は[3]、Chromeが標準搭載されていることが多いが、Chromeの代わりに、またはChromeに加えてAndroid標準ブラウザが引き続き含まれることがあり、現在も搭載されている端末が存在する。
アプリのパッケージ名はcom.android.browser
。
Android端末にプリインストールされている端末上では単に「ブラウザ」とラベル付けされていることが多く、現在ではGoogleによってPlayストア認定を受けていないデバイス、またはLineageOSなどのサードパーティROMでフラッシュされているデバイスでよく見られる。
Android 4.4以降に搭載されているブラウザはChromiumをベースとしたバージョンに移行しており[4]、WebKitをベースとしたバージョン4.3以前はすでにサポートが終了している。
Google Chromeとは異なり、端末ベンダーによるカスタマイズが可能なため、バージョンごとのばらつきが大きいことも特徴である。
ライセンス
編集Android標準ブラウザのソースコードは、Androidと同様にオープンソースライセンスであり、改変も自由である。基本的にソースコードのライセンスは、Apache License 2.0に準じるため、Android及びAndroid標準ブラウザを採用した企業・個人が改変部や付加部分をGPLのように公開する必要はない。ただし、WebKitのライセンスはLGPLであり、カーネルとそのライブラリなどのLinuxに基づく部分のライセンスはGPLであるため、公開が求められる[5]。
Google Chromeなどの一部のGoogle製アプリケーションは、Androidと密に連携しているがプロプライエタリなライセンスで提供されている[6]。これらのGoogle製アプリケーションはGoogle Mobile Service認証をGoogleから受けた端末に対してのみ供給され、それらの端末でのみ動作が認められるため、Googleによる許諾を得ていないデバイスでChromeの代わりにAndroid標準ブラウザが搭載される場合もある。
AndroidシステムのWebView
編集Androidアプリには、(アプリとしての)ブラウザを呼び出すことなく、自身の中でWebページあるいはWebアプリを表示するものが存在する。これは通常「WebView」と呼ばれるコンポーネントによって実現されている。 Android 4.4以前の場合、WebViewはOSに組み込まれたシステムであり、システムアップデートでWebViewの修正や機能追加に対応していたが、システムアップデートの際にファイルサイズが大きくなり、さらに端末の再起動なども必要となり、当時のHTML5のような最新のWeb技術の実装が遅れることがあった。
Android 5以降ではこの問題を改善して頻繁にセキュリティ修正を行うことができるように、AndroidシステムのWebViewとして、Android OSとは別にGoogle Playストア経由で更新するようになった。なお、このWebViewはChrome for Androidとは異なる。
Android 7以降ではWebView の機能が Chrome for Android に統合されたため、Chrome for Android がインストールされていれば、Android System WebViewが不要となった。[7]
しかし、Android 10では再びChrome for AndroidとAndroid System WebViewが再分離され、Webviewのアップデート処理もChromeとは別に行われるようになった。[8]
経緯
編集AOSP Browser 1
編集AOSP Browserの開発は、Androidと同様に2003年にAndroid Inc.によって開始された。なお、Android Inc.は、2005年にGoogleに買収されている[9]。
バージョン1.5では、Webページのコピーアンドペーストが出来るように拡張された[10]。
AOSP Browser 2
編集AOSP Browser 2は2009年10月26日にAndroid 2.x向けに公開された。新しいブラウザのユーザーインターフェースと、さらなるHTML5のサポートが行われている。 バージョン2.2からは、新たにAdobe Flashに対応した。
AOSP Browser 3
編集AOSP Browser 3はAndroid 3.x向けに2011年2月22日[11]に公開された。Android 3はタブレット向けに設計されたバージョンであるため、AOSP Browserもタブレット向けのUIとなっている。また、新たにHTML Media Captureに対応している。
AOSP Browser 4
編集AOSP Browser 4はAndroid 4.x向けに2011年10月18日[12]に公開された。Android 4.xではスマートフォン向けと、タブレット向けのUIが統合されたため、ブラウザでもスマートフォン向けUIが復活している。AOSP Browser 4では、HTML5ビデオの改善、スクロールおよびズームの速度の改善、HTML5/CSS3/Canvasアニメーションの速度の改善、テキスト入力の改善、JavaScript (V8) の速度の向上、HTML5 Media Capture対応、Adobe Flashの廃止などが行われている。また、Googleアカウントを経由してブックマークを同期したり、サイトをオフラインで保存したりできるようになった。
AOSP Browser 4.4
編集AOSP Browser 4.4は2013年10月31日[13]に公開された。AOSP Browser 4.4では、WebViewでWebKitを採用しなくなり、ChromiumベースのWebViewに置き換えられた[14]。しかし、WebGL, WebRTC, WebAudio, Fullscreen API, Form validationなどは非対応のままである。また、このバージョン以降のブラウザでは一部の機能が削除されている。
AOSP Browser 5
編集AOSP Browser 5は2014年6月26日[15]に公開された。このバージョン以降のブラウザでは使用されるWebViewがAndroidシステムのWebViewによって更新されるようになった。
関連項目
編集脚注
編集- ^ "Chrome for Android Update"; 閲覧日: 2024年11月19日; 作品または名前の言語: 英語; 出版日: 2024年11月19日.
- ^ WebView for Android - Google Chrome
- ^ “「Chrome for Android」正式版が公開”. ケータイ Watch. (2012年6月28日) 2021年11月30日閲覧。
- ^ “Android 標準ブラウザに関する情報の整理 - Qiita”. 2018年1月12日閲覧。
- ^ 服部武、藤岡雅宣編著『HSPA+/LTE/SAE教科書』、インプレスR&D、2009年、ISBN 978-4-8443-2738-7
- ^ “「Android」のオープン性で対立するGoogleと開発者”
- ^ “Android WebViewまとめ”. 2021年11月30日閲覧。
- ^ “Android 10アプデ後の不具合、諸悪の根源は復活した「Webview」かも”. 2021年11月30日閲覧。
- ^ Ben Elgin (2005年8月16日). “Google Buys Android for Its Mobile Arsenal”. Bloomberg. 2016年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月30日閲覧。
- ^ “Android 1.5 Platform Highlights”. Android Developers (2009年4月). 2021年11月30日閲覧。
- ^ Final Android 3.0 Platform and Updated SDK Tools
- ^ Android 4.0 Platform and Updated SDK Tools
- ^ Android 4.4 KitKat and Updated Developer Tools - Android Developers Blog
- ^ “Android 4.4 での WebView への移行”. 2021年11月30日閲覧。
- ^ Android L Developer Preview and Android Studio Beta