AN/UYA-4
AN/UYA-4はヒューズ・エアクラフト社がアメリカ海軍向けに開発したコンソールのシリーズ[1]。
概要
編集アメリカ海軍において、海軍戦術情報システム(NTDS)はまず対空戦(AAW)の組織化を目的として開発されたが、1960年代中盤より、これを対潜戦(ASW)にも活用することが検討されるようになり、ASWSC&CS(ASW Ship Command and Control System)計画が着手された[2]。そしてその一環として、初期のNTDSが用いていたSYA-4よりも汎用性が高いコンソールが求められるようになった[2]。これに応じて開発されたのが本機であり[2]、1965年頃に設計された[1]。
AN/UYA-4シリーズは、NTDSのディスプレイ・サブシステムとして初めて、トランジスタ、抵抗器、ダイオードといった個別の部品ではなく、集積回路としての電子回路を採用した[2]。基本型となるのがOJ-194/UYA-4で、12インチのPPI (Plan position indicator) スコープを備えるとともに、機能が固定されたボタン6個のほか、機能をカスタマイズできるボタン(variable-action button, VAB)18個を備えており、VABのために48個のラベルを設定できる[1]。45個の運用モードを切り替えて使用できる[1]。また本シリーズでは、三方から画面を覗き込めるよう、20インチと大型のPPIスコープを水平に配置した海図台型のコンソール(operations summary console, OSC)もラインナップされており[2]、初期にはOA-7981、後にはOJ-195・197が用いられた[1]。このほか、3次元レーダーなどから情報を得て目標の高度についての情報を処理するためのOA-7980もラインナップされた[1]。
ただし本シリーズの機能は、基本的には操作・表示のみに限定されており、情報処理はCP-642やAN/UYK-7といったメインフレームにあたる電子計算機で行う方式であった。また特にOJ-197/UYA-4は維持管理のコストが高かったこともあって、後のシステムでは、自らも情報処理を行えるAN/UYQ-70などによって順次に代替されていった[1]。
脚注
編集出典
編集参考文献
編集- Boslaugh, David L. (2003). When Computers Went to Sea: The Digitization of the United States Navy. Wiley-IEEE Computer Society Press. ISBN 978-0471472209
- Friedman, Norman (1997). The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems 1997-1998. Naval Institute Press. ISBN 978-1557502681