90式空対空誘導弾
種類 | 短距離空対空ミサイル |
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製造国 | 日本 |
設計 | 三菱重工業 |
性能諸元 | |
ミサイル直径 | 12.7 cm |
ミサイル全長 | 3.1 m |
ミサイル全幅 | 64 cm |
ミサイル重量 | 91 kg |
弾頭 | HE破片効果指向性弾頭 (15 kg)(小松製作所製) |
信管 | アクティブ・レーザー近接信管 |
射程 | 13キロメートル (7.0 nmi) |
推進方式 | 固体燃料ロケット |
誘導方式 | 二波長光波ホーミング(IR/UVH) |
飛翔速度 | M2.5 |
AIM-9Lサイドワインダーの後継として開発され[1]、より敏感な温度差の検知での目標の捕捉や追跡能力の向上、ミサイル本体の飛翔運動性の向上が図られている。1974年頃から研究は開始されていたが、1986年から本格開発がなされ、1990年(平成2年)に制式承認[1]され、航空自衛隊で正式採用されている。
特徴
編集誘導方式はパッシブ二波長光波(赤外線・紫外線)ホーミング、信管はアクティブ・レーザー近接信管。前部には、ミサイルの運動性を向上させる大きい切り欠きのカナードが装備され、末端に安定翼がある。日本電気が開発したシーカーが用いられており、ノイズ除去回路と組み合わされることで、光波妨害技術 (IRCCM) に対する抗堪性が非常に高いと言われている。加えて、シーカーの首振り角度が大きく、そのためミサイル先端のドーム部がサイドワインダーより大きい。オフボアサイト能力も高く[1]、ミサイルの制御には、従来のホットガスを用いたガスサーボ方式と違って反応が早くキメ細かな制御が可能なダイレクトドライブ式電動サーボアクチュエータを採用している。また、バンク・トゥ・ターン技術を導入し、シーカーも首振り角も拡大して2色赤外線としたことで高い命中率を発揮している。近接信管はシーカーと同様日本電気製でレーザーを用いた光学式である。弾頭には効率的に大きな攻撃力を与えることが可能な指向性弾頭が採用されている。そのため、総合的な能力はAIM-9Lを上回るとされる。
AAM-2ではコストが最大の課題で採用されなかったことから、AAM-3では開発経費(122億円[2])を削減する努力が行われた。しかし、価格は高くサイドワインダーの倍近い価格となっている。生産は後継ミサイルである04式空対空誘導弾にシフトされている。
本ミサイルを改造したカメラポッドも製作されている。
運用機
編集脚注
編集- ^ a b c 防衛庁技術研究本部「§II 5.技術開発官(誘導武器担当)」『技術研究本部50年史』(PDF)、174-175頁 。
- ^ “参考資料ー自衛隊の現状と課題ー”. 内閣官房 (2004年7月13日). 2010年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月13日閲覧。
参考文献
編集- 自衛隊装備年鑑 2006-2007 朝雲新聞社 ISBN 4-7509-1027-9
- 軍用機ウエポン・ハンドブック 航空機搭載型ミサイル・爆弾450種解説(青木謙知 イカロス出版) ISBN 4-87149-749-6