3つのピアノ四重奏曲 (ベートーヴェン)
3つのピアノ四重奏曲 WoO36(3つのピアノしじゅうそうきょく WoO36)はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1785年にピアノと弦楽のために作曲したピアノ四重奏曲[1]。
概要
編集この作品はベートーヴェンの最初期のボン時代に作曲されたものであるが、ベートーヴェンの死後になって出版された[1]。その際、その完成度の高さから14歳の作品とは思えず、フェルディナント・リースをふくむ音楽家たちを驚かせた[1]。
この曲ではベートーヴェンの最初期の他の作品にも見られるように、全体的な楽章構成や調設定、テンポ、主題や和声構造などの多くの点にモーツァルトの影響が顕著に見られる。[2]。また、後に最初の出版作品の2つとなるピアノ三重奏曲第1番、第2番、第3番 作品1と、ピアノソナタ第1番、第2番、第3番 作品2の中に、この曲の主題素材や楽節が取り出されている[3]。
第1番 変ホ長調 WoO36-1
編集モーツァルトのヴァイオリンソナタ ト長調 K.379を手本にしていると言われている[2]。
第1楽章
編集- Adagio assai
第2楽章
編集- Allegro con spirito
第3楽章
編集- Cantabile
第2番 二長調 WoO36-2
編集第3番 ハ長調 WoO36-3
編集モーツァルトのヴァイオリンソナタ ハ長調 K.296を手本にしていると言われている[2]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c ロックウッド 2010, pp. 76.
- ^ a b c ロックウッド 2010, pp. 78.
- ^ ロックウッド 2010, pp. 83.
参考文献
編集- ルイス・ロックウッド『ベートーヴェン 音楽と生涯』土本英三郎・藤本一子[監訳]、沼口隆・堀朋平[訳]、春秋社、2010年11月30日。ISBN 978-4-393-93170-7。