2S22 ボグダナ
2S22 ボグダナ(ウクライナ語: 2С22 «Богдана»)は、ウクライナで開発されたNATO標準口径の155mm榴弾砲を搭載した装輪式自走砲である。6輪駆動トラックKrAZ-6322のシャーシに搭載されており、装甲ダブルキャビンと約20発の砲弾を備えている。榴弾砲の最小射程は780m、最大射程は通常弾で40km、ロケット推進弾で50kmであり、発射速度は毎分6発である[1]。
2018年8月10日の2S22 Bohdana | |
基礎データ | |
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重量 | 28t |
乗員数 | 5 |
装甲・武装 | |
主武装 | 155mm 榴弾砲 |
機動力 | |
エンジン | 380–420馬力 |
行動距離 | 1,200km |
概要
編集2018年に実弾発射試験が行われ、2018年8月24日のキーウ独立記念日パレードで初めて公開された。2021年5月にも試験射撃が行われ、2021年12月と2022年1月にはオデッサ州の射撃場で450発の砲弾が発射された。
オレクシー・レズニコウ国防相によると、2S22は2023年1月に量産が開始された。量産型ではKrAZ-6322シャーシをKrAZまたはMANの6x6シャーシ、またはタトラ817の8x8シャーシに置き換えることを含めた改良が行われている。
2S22は2023年7月21日にウクライナ軍によって正式に採用された。
2023年12月、ウクライナ陸軍が既に約30両を受領しており、曳航型を開発中であると報じられた。2S22は毎月6両のペースで生産されている。
運用
編集2022年2月25日、ロシアのウクライナ侵攻が始まったとき、2S22の開発者らは、敵に鹵獲されることを避けるため唯一の試作品を破壊する命令を受けたが、破壊する代わりに後方に移動させ、ウクライナ軍に引き渡すことができた。その後、この試作品が前線に配備され、ロシアの標的に向けて砲弾を発射していることが報告されている[2]。
2022年6月、ウクライナ軍は2S22を使用して本土から35km離れたズミイヌイ島のロシア軍を砲撃したと報じられた[3]。
脚注
編集- ^ “ウクライナ国産初の155mm自走榴弾砲2S22 Bohdana│ワールドタンクニュース”. worldtanknews.info. 2024年3月3日閲覧。
- ^ “Experimental 2S22 Bohdana self-propelled howitzer is destroying the invader forces” (英語). Militarnyi. 2024年3月3日閲覧。
- ^ “ウクライナ、自走りゅう弾砲を国内生産 ただし課題は砲弾の確保 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)”. forbesjapan.com. 2024年3月3日閲覧。