1973年の日拓ホームフライヤーズ

1973年の日拓ホームフライヤーズ(1973ねんのにったくホームフライヤーズ)では、1973年の日拓ホームフライヤーズにおける動向をまとめる。

1973年の日拓ホームフライヤーズ
成績
パシフィック・リーグ5位
年間5位:55勝69敗6分 勝率.444
後期3位:30勝32敗3分 勝率.484
前期5位:25勝37敗3分 勝率.403
本拠地
都市 東京都文京区
後楽園球場
球団組織
オーナー 西村昭孝
経営母体 日拓ホーム
監督 田宮謙次郎(前期のみ)
土橋正幸(後期のみ)
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このシーズンの日拓ホームフライヤーズは、東映時代も含めて田宮謙次郎監督の4年目のシーズンであり、また田宮監督が途中辞任したため後期から土橋正幸監督が就任したシーズンである。

概要

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1969年のシーズン終盤に発覚した黒い霧事件パ・リーグの人気急落をもたらし、また親会社の東映がボウリングなどの不採算事業からの撤退を計画するなどフライヤーズを取り巻く環境が急速に変化。東映創業者でもありフライヤーズの初代オーナーだった大川博の後を継いで社長となった岡田茂オーナー代行は1972年オフ、五島昇東京急行電鉄社長(球団の事実上の所有者)とともにパイオニアにフライヤーズ売却を打診するものの折り合いがつかず球団売却は頓挫。年が明けて新生・日拓ホームフライヤーズが誕生したが、ユニフォームは東映時代とほとんど変わらなかった。前年オフからのドタバタがおさまりチームは4月を4勝6敗とまずまずの成績を収めるが、5月以降大きく負け越して前期を借金12で終了。主力の白仁天と犬猿の仲でチームの成績不振に加え空調分解したこともあり田宮監督は更迭され、後任にはチーム生え抜きの2軍監督の土橋正幸、ヘッド兼打撃コーチには選手兼任で張本勲が就任した[1]。土橋監督のもと、後期に巻き返しをはかるが阪急ロッテの優勝争いに絡むことはできず、結局前期優勝の南海と同率の3位で終了。総合成績では前期の借金を取り返せず、順位を1つ落として5位となった。シーズン途中から身売り問題が勃発し、一度はロッテとの合併計画が浮上するも世間の反発で断念。シーズンオフ、日本ハムが球団を買収して新生・日本ハムファイターズが誕生し、前身の東急時代から続いてきたフライヤーズは27年の歴史に幕を下ろした。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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オーダー変遷
前期開幕:4/14 5/1 6/1 後期開幕:7/27 8/1 9/1
1 阪本敏三 阪本敏三 大下剛史 大下剛史 大下剛史 大下剛史
2 大下剛史 千藤三樹男 千藤三樹男 阪本敏三 千藤三樹男 阪本敏三
3 張本勲 三沢今朝治 阪本敏三 張本勲 張本勲 大杉勝男
4 大杉勝男 張本勲 大杉勝男 大杉勝男 大杉勝男 張本勲
5 白仁天 大杉勝男 岡村浩二 白仁天 阪本敏三 千藤三樹男
6 千藤三樹男 高橋博 高橋博 千藤三樹男 白仁天 加藤俊夫
7 加藤俊夫 レドモン レドモン レドモン 加藤俊夫 白仁天
8 八重沢憲一 岡村浩二 菱川章 加藤俊夫 レドモン 末永吉幸
9 金田留広 金田留広 金田留広 金田留広 金田留広 三浦政基
1973年パシフィック・リーグ順位変動
前期
順位 4月終了時 5月終了時 前期成績
1位 太平洋 -- 南海 -- 南海 --
2位 ロッテ 1.0 ロッテ 3.5 ロッテ 2.0
3位 南海 3.0 太平洋 7.0 阪急 3.5
4位 日拓 4.5 阪急 10.0 太平洋 5.0
5位 阪急 5.0 日拓 12.0 日拓 12.0
6位 近鉄 7.5 近鉄 13.5 近鉄 13.5
後期
順位 8月終了時 9月終了時 後期成績
1位 阪急 -- 阪急 -- 阪急 --
2位 日拓 7.0 ロッテ 6.5 ロッテ 5.5
3位 ロッテ 7.5 日拓 11.5 南海 13.0
4位 南海 10.0 南海 12.5 日拓
5位 太平洋 11.0 太平洋 15.5 太平洋 15.5
6位 近鉄 15.5 近鉄 23.0 近鉄 25.0
前期最終成績
順位 球団 勝率
1位 南海ホークス 38 26 1 .594 優勝
2位 ロッテオリオンズ 35 27 3 .565 2.0
3位 阪急ブレーブス 34 29 2 .540 3.5
4位 太平洋クラブライオンズ 32 30 3 .516 5.0
5位 日拓ホームフライヤーズ 25 37 3 .403 12.0
6位 近鉄バファローズ 23 38 4 .377 13.5
後期最終成績
順位 球団 勝率
1位 阪急ブレーブス 43 19 3 .694 優勝
2位 ロッテオリオンズ 35 22 8 .614 5.5
3位 南海ホークス 30 32 3 .484 13.0
3位 日拓ホームフライヤーズ 30 32 3 .484 13.0
5位 太平洋クラブライオンズ 27 34 4 .443 15.5
6位 近鉄バファローズ 19 45 1 .297 25.0


1973年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 南海ホークス 68 58 4 .540 優勝
2位 阪急ブレーブス 77 48 5 .616 -9.5
3位 ロッテオリオンズ 70 49 11 .588 -5.5
4位 太平洋クラブライオンズ 59 64 7 .480 7.5
5位 日拓ホームフライヤーズ 55 69 6 .444 12.0
6位 近鉄バファローズ 42 83 5 .336 25.5

*優勝はプレーオフで決定。3位以下はプレーオフの結果に関係なく勝率順で決定


個人成績

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投手成績

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  • 色付き規定投球回(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/新美敏 54 27 6 2 1 12 13 -- 950 222.1 223 13 78 8 117 2 2 99 90 3.65 1.35
/渡辺秀武 43 34 10 3 4 11 14 -- 890 214.0 220 25 39 12 85 1 4 98 86 3.62 1.21
/高橋直樹 35 25 5 4 0 12 9 -- 692 171.1 157 17 31 8 67 0 2 67 63 3.32 1.10
/金田留広 37 18 8 3 2 7 16 -- 689 166.2 161 22 43 5 96 0 1 80 70 3.77 1.22
/三浦政基 27 6 1 0 0 6 3 -- 365 84.2 76 4 42 6 50 0 0 30 25 2.65 1.39
/森中通晴 18 13 2 1 0 4 6 -- 293 62.2 86 10 28 4 30 1 3 43 39 5.57 1.82
/山崎武昭 39 1 0 0 0 0 1 -- 210 49.1 48 3 21 2 30 2 0 17 16 2.94 1.40
/宮崎昭二 27 1 0 0 0 0 1 -- 201 46.0 43 5 24 6 30 1 1 24 22 4.30 1.46
/杉田久雄 18 4 0 0 0 1 2 -- 145 30.1 38 5 20 2 14 0 1 26 25 7.50 1.91
/藤原真 17 0 0 0 0 1 2 -- 122 27.0 35 1 9 1 11 0 0 19 19 6.33 1.63
/江田幸一 14 0 0 0 0 1 0 -- 112 26.2 28 5 11 0 11 0 0 16 16 5.33 1.46
/宇田東植 12 0 0 0 0 0 0 -- 104 22.1 27 5 8 2 9 0 3 19 15 6.14 1.57
/小坂敏彦 7 1 0 0 0 0 1 -- 47 12.0 4 2 11 2 6 0 0 5 4 3.00 1.25
/中原勇 9 0 0 0 0 0 1 -- 26 6.2 5 2 1 0 3 0 0 3 3 3.86 0.90
/尾崎行雄 3 0 0 0 0 0 0 -- 32 6.0 12 4 2 0 3 0 1 9 9 13.50 2.33
/横山晴久 2 0 0 0 0 0 0 -- 17 4.0 5 3 2 0 0 0 0 5 5 11.25 1.75
/福本万一郎 1 0 0 0 0 0 0 -- 14 3.0 5 1 2 0 1 0 0 3 3 9.00 2.33
/保坂英二 1 0 0 0 0 0 0 -- 4 0.1 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0.00 9.00

主な打撃成績

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  • 色付き規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/張本勲 128 550 441 77 143 18 0 33 260 93 12 6 1 5 93 19 6 32 4 .324 .448 .590 1.038
/大杉勝男 130 548 478 74 129 14 1 34 247 85 3 1 0 7 59 2 4 56 21 .270 .355 .517 .872
/阪本敏三 130 530 478 60 128 20 0 10 178 41 7 7 8 4 37 1 3 32 6 .268 .324 .372 .697
/千藤三樹男 127 507 444 55 122 16 3 10 174 57 2 3 8 7 44 0 4 25 8 .275 .346 .392 .737
/大下剛史 107 458 406 62 106 6 3 8 142 30 24 13 10 1 39 0 2 27 6 .261 .329 .350 .679
/加藤俊夫 106 334 283 33 83 9 0 12 128 46 3 2 3 2 37 1 9 33 11 .293 .392 .452 .844
/白仁天 96 312 291 27 72 13 0 6 103 20 8 6 2 1 16 2 2 22 5 .247 .291 .354 .645
/レドモン 73 239 230 23 56 7 0 5 78 24 5 1 0 3 4 0 2 22 12 .243 .263 .339 .602
/大室勝美 102 187 165 19 41 2 0 2 49 7 15 2 11 0 10 1 1 18 1 .248 .295 .297 .592
/末永吉幸 74 186 165 14 39 4 1 4 57 15 1 3 6 1 12 1 2 21 1 .236 .296 .345 .642
/岡村浩二 72 185 159 11 33 4 0 3 46 13 0 3 0 1 23 2 2 20 6 .208 .315 .289 .605
/高橋博 52 129 117 8 25 5 1 0 32 5 3 2 2 1 8 0 1 10 5 .214 .270 .274 .543
/中原全敏 76 83 75 6 20 2 0 1 25 3 2 0 0 1 7 0 0 8 4 .267 .329 .333 .663
/三沢今朝治 75 82 72 4 16 1 0 0 17 14 0 0 0 1 9 2 0 10 4 .222 .309 .236 .545
/相本和則 26 47 41 4 9 1 0 2 16 5 0 1 0 0 6 1 0 10 0 .220 .319 .390 .709
/今井務 42 42 38 4 9 1 1 0 12 3 1 0 1 0 3 0 0 6 2 .237 .293 .316 .608
/菱川章 29 35 31 2 5 0 0 1 8 1 0 0 0 0 2 0 2 10 1 .161 .257 .258 .515
/岡持和彦 32 33 32 2 7 1 0 2 14 7 0 0 0 0 1 0 0 7 0 .219 .242 .438 .680
/猿渡寛茂 25 31 30 5 7 0 0 0 7 0 0 1 0 0 0 0 1 6 1 .233 .258 .233 .491
/林健造 23 13 12 3 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 1 1 0 1 1 .000 .077 .000 .077
/作道烝 10 13 12 1 3 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 1 2 0 .250 .308 .250 .558
/船田政雄 22 11 10 4 2 2 0 0 4 1 1 1 0 0 1 0 0 2 0 .200 .273 .400 .673
/小形利文 18 10 9 1 2 0 0 0 2 0 1 1 0 0 1 0 0 1 0 .222 .300 .222 .522
/八重沢憲一 6 9 8 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 2 0 .000 .111 .000 .111
/鴨川清 10 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

オールスターゲーム1973

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選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
捕手 加藤俊夫 2
一塁手 大杉勝男 5
内野手 大下剛史 4
外野手 張本勲 14
  • 太字はファン投票で選ばれた選手。▲は出場辞退選手発生による補充選手。

できごと

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  • 1月16日 - 東映社長の岡田茂は盟友で、かつ球団保有者・東急ベースボール倶楽部の親会社である東京急行電鉄五島昇と結託して、フライヤーズを不動産会社日拓ホームへ球団売却。東映興業に球団運営を委託後、休眠会社となっていた東急ベースボール倶楽部が正式に東映に譲渡され、同時に東映は日拓ホームへ同社を譲渡。商号は「日拓ホーム野球株式会社」、球団名は「日拓ホームフライヤーズ」となった。
  • 4月17日 - ルーキー新美敏投手、ロッテオリオンズ戦に先発出場し、完封勝利。
  • 7月13日 - 監督が田宮謙次郎から土橋正幸に交代、張本勲外野手はヘッドコーチ兼任となる。同時にユニフォームを新調、「7種類のユニフォーム」が誕生する。
  • 11月19日 - 日本ハムに球団売却。これにより「日拓ホームフライヤーズ」はわずか10ヶ月で売却に。

選手・スタッフ

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表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
新美敏 新人王
張本勲 最高出塁率 .448 2年連続8度目
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
張本勲 外野手 2年連続13度目
ダイヤモンドグラブ賞
選出なし

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 鵜飼克雄 投手 四国電力 入団
2位 島津佳一 外野手 本田技研鈴鹿 入団
3位 内藤博 内野手 日本鋼管 拒否
4位 村井英司 捕手 電電北海道 入団
5位 竹口幸紀 投手 北海高 入団

出典

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  1. ^ ベースボールマガジン別冊夏祭号 1954-1972東映フライヤーズ暴れん坊伝説 ベースボール・マガジン社.2020年.58頁