麻布永坂町
麻布永坂町(あざぶながさかちょう)は、東京都港区にある町名である。麻布地区総合支所管内に当たる区域の一つで、麻布狸穴町とともに区内では住居表示未実施地域である[6]。郵便番号は106-0043[3]。
麻布永坂町 | |
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飯倉出入口 | |
北緯35度39分29.2秒 東経139度44分16.3秒 / 北緯35.658111度 東経139.737861度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 東京都 |
特別区 | 港区 |
地区 | 麻布地区 |
面積 | |
• 合計 | 0.05 km2 |
人口 | |
• 合計 | 238人 |
• 密度 | 4,800人/km2 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
106-0043[3] |
市外局番 | 03[4] |
ナンバープレート | 品川 |
※座標は永坂荘付近[5] |
概要
編集外苑東通りより古川(渋谷川)の谷へ向かう斜面に位置し、飯倉片町交差点と地下鉄麻布十番駅の中間にある。町域の大部分は住宅地となっており、著名人の邸宅などがある。また、麻布永坂町は古くから更科そばで有名であり、町内には更科そば本舗の布屋太兵衛がある。
歴史
編集1962年(昭和37年)以降、麻布永坂町の範囲は徐々に縮小している。
残された旧町名
編集住居表示に関する法律が成立した1962年(昭和37年)以降、港区においても新たな街画が設定されてそれまでの歴史ある町名が次々と消滅、1978年(昭和53年)には町名変更の実施率が97.4%に達していた[6]。この際に最後まで残ったのが麻布永坂町と麻布狸穴町であり、これら二町の名称は現在まで存続することとなった[6]。
これは、麻布狸穴町の住民であった世界経済調査会理事長・木内信胤が、「歴史的にも古く、価値のある町名はきちんと後世まで残すべき」と、住居表示の施行を強行する行政に対して異を唱え、脚本家・松山善三が中心となって、住民による反対運動が行われた結果である[6]。麻布永坂町では、ここに居を構えるブリヂストン創業者・石橋正二郎をはじめ、蕎麦屋・永坂更級の主人らも住居表示の実施に対して強固に異を唱えた[6]。
沿革
編集- 1713年(正徳3年) - 麻布の低地より芝方面へ抜ける長い坂(永坂)に因み、麻布永坂町・飯倉永坂町と名づけられ町奉行の支配となる。
- 1868年(明治元年) - 東京府成立に伴い、麻布永坂町は東京府に所属する。
- 1869年(明治2年) - 隣接する飯倉永坂町と麻布永坂光照寺門前を合併する。
- 1878年(明治11年) - 麻布区成立に伴い、東京府麻布区麻布永坂町となる。
- 1889年(明治22年)5月1日 - 東京市成立に伴い、東京市麻布区麻布永坂町となる。
- 1911年(明治44年)5月1日 - 町名より「麻布」の冠称が省かれ、麻布区永坂町となる。
- 1947年(昭和22年)3月15日 - 麻布区が芝区・赤坂区と合併して新たに港区が成立。それに伴い町名に再び「麻布」の冠称がつき、東京都港区麻布永坂町となる。
- 1962年(昭和37年)7月1日実施の区画整理に伴い、同年9月30日付けで麻布永坂町の南の一部(東京都道319号環状三号線沿線など)が麻布狸穴町・麻布十番一丁目・東麻布三丁目に編入。
- 1967年(昭和42年)7月1日 1964年(昭和39年)度から実施され始めた新住居表示に伴い東京都道415号高輪麻布線以西が六本木五丁目に編入。
- 1976年(昭和51年)10月1日に北端のごく一部が麻布台三丁目に編入。
永坂
編集永坂(ながさか、長坂)は、麻布永坂町の町名の起源となった坂であり、港区麻布永坂町と六本木5丁目との間を北から南に下る長い坂である[7]。
現在は飯倉片町交差点(外苑東通り)から麻布十番・一の橋交差点まで下る東京都道(東京都道415号高輪麻布線)となっており、道は首都高速都心環状線の高架橋に覆われてしまっている。坂の上、飯倉片町交差点手前には首都高速道路の飯倉出口がある。また、坂の途中の麻布永坂町には永坂更科布屋太兵衛(店舗ではなく本社社屋[8] )がある。
永坂(長坂)の名称についてはこれまで、起因不明(『新撰東京名所図会』)、「長い坂だから。あるいは、付近住人の名前から」(『新編江戸志』)、「長坂氏が居住していたためというのは付会(こじつけ)の説」(『麻布区史』)など、様々な解説がなされている[9]。
世帯数と人口
編集2019年(令和元年)9月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
町丁 | 世帯数 | 人口 |
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麻布永坂町 | 109世帯 | 238人 |
小・中学校の学区
編集区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[10]。
番地 | 小学校 | 中学校 |
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全域 | 港区立麻布小学校 | 港区立六本木中学校 |
施設
編集参考資料
編集- 『まち探訪ガイドブック』 - 2007年度版、港区発行
脚注
編集- ^ “平成27年国勢調査による各総合支所管内別の町丁目別面積・昼夜人口等”. 港区 (2015年10月1日). 2019年9月9日閲覧。
- ^ a b “各月1日現在の各総合支所管内別の町丁目別人口・世帯数(平成14年~平成31年・令和元年)”. 港区 (2019年9月5日). 2019年9月9日閲覧。
- ^ a b “郵便番号”. 日本郵便. 2019年8月30日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2018年1月7日閲覧。
- ^ Google Earthより
- ^ a b c d e 特集・東京の地名 町それぞれの物語 『東京人』(都市出版株式会社) 第20巻第5号 平成17年5月3日発行
- ^ 「永坂」 横関英一 『江戸の坂 東京の坂(全)』 筑摩書房 平成22年11月10日発行
- ^ 永坂更科布屋太兵衛会社案内2019年11月閲覧
- ^ 「永坂」 石川悌二 『江戸東京坂道辞典コンパクト版』(新人物往来社) 平成15年9月20日発行
- ^ “港区立小・中学校通学区域一覧表”. 港区 (2015年4月1日). 2019年9月9日閲覧。