鶴山丸山古墳
鶴山丸山古墳(つるやままるやまこふん)は、岡山県備前市畠田にある古墳。形状は円墳。国の史跡に指定され(指定名称は「丸山古墳」)、出土遺物は岡山県指定重要文化財に指定されている。
鶴山丸山古墳 | |
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所在地 | 岡山県備前市畠田(字丸山) |
位置 | 北緯34度43分27.77秒 東経134度7分14.20秒 / 北緯34.7243806度 東経134.1206111度座標: 北緯34度43分27.77秒 東経134度7分14.20秒 / 北緯34.7243806度 東経134.1206111度 |
形状 | 円墳 |
規模 | 直径45-54m |
埋葬施設 | 竪穴式石室(内部に家形石棺) |
出土品 | 銅鏡30面ほか副葬品多数・埴輪 |
築造時期 | 4世紀後半 |
史跡 | 国の史跡「丸山古墳」 |
有形文化財 | 出土遺物(岡山県指定重要文化財) |
地図 |
概要
編集岡山県南東部、独立小丘陵「鶴山」上に築造された古墳である。1936年(昭和11年)に石室が発見され、調査が実施されている[1]。
墳形は円形で、東西45メートル・南北54メートルを測る[1]。墳丘外表では葺石・円筒埴輪列が認められるほか、墳丘南東側には幅15メートルの造出を有する[1]。埋葬施設は墳頂における竪穴式石室で、石室内に香川県火山産の凝灰岩製家形石棺が据えられる[1]。石室天井石は凝灰岩を整形加工したもので、縄掛突起・円孔を有するものがあるほか、石棺は家屋・太陽の彫刻文を有する装飾的なものとして注目される[2]。石室内からは銅鏡30面(現存17面)のほか、勾玉・鉄製品・盒子・坩・器台など多数の副葬品が出土している。
築造時期は、古墳時代前期の4世紀後半頃と推定される。岡山県南東部では首長墳として前方後円墳が築造されるが、本古墳は造出付円墳である点で特色を示すとともに、石棺の材質・装飾、豊富な副葬品の点で特異な性格を示すとして重要視される古墳になる[1]。
古墳域は1957年(昭和32年)に国の史跡に指定され、出土遺物は2019年(平成31年)に岡山県指定重要文化財に指定された[1]。現在では石室は埋め戻されている。
遺跡歴
編集出土品
編集1936年(昭和11年)の発掘で出土した副葬品のうち、主なものは次の通り[4]。
- 銅鏡 30面(現存17面)
- 石製四脚付盤
- 盒子
- 坩
- 器台
- 勾玉
- 鉄刀
- 鉄剣
- 鉄斧
- 刀子
- 鉄鏃
出土品の大半は東京国立博物館で、一部は岡山県立博物館・倉敷考古館・備前市歴史民俗資料館・備前市埋蔵文化財管理センターで保管されている。
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滑石製四脚付盤・石製合子
文化財
編集国の史跡
編集- 丸山古墳 - 1957年(昭和32年)10月11日指定[3]。
岡山県指定文化財
編集関連施設
編集- 東京国立博物館(東京都台東区) - 備前丸山古墳出土の銅鏡を保管。
- 岡山県立博物館(岡山市北区後楽園) - 備前丸山古墳出土の銅鏡を保管。
- 倉敷考古館(倉敷市中央) - 備前丸山古墳出土の車輪石・管状石製品を保管。
- 備前市歴史民俗資料館(備前市東片上) - 備前丸山古墳出土の方格規矩鏡・管玉を保管(常設展示なし)。
- 備前市埋蔵文化財管理センター(備前市伊部) - 備前丸山古墳出土の坩形石製品・石棺拓本を保管(常設展示なし)。
脚注
編集参考文献
編集(記事執筆に使用した文献)
関連文献
編集(記事執筆に使用していない関連文献)
- 「備前和氣郡鶴山丸山古墳」『日本古文化研究所報告第9 近畿地方古墳墓の調査三』日本古文化研究所、1938年。