鳴門秘帖 (1977年のテレビドラマ)
『鳴門秘帖』(なるとひちょう)は、NHKが制作し、1977年(昭和52年)5月6日から1978年(昭和53年)3月17日にかけて、毎週金曜日20時の『金曜時代劇』から放映された連続テレビ時代劇。田村正和主演[1]。全44回[2]。田村はこの作品で改めて人気を博した[3]。
鳴門秘帖 | |
---|---|
ジャンル | 時代劇 |
原作 | 吉川英治『鳴門秘帖』 |
脚本 | 石山透 |
演出 | 北島隆、渋谷康生 ほか |
出演者 |
田村正和 三林京子 西村晃 森本レオ 原田美枝子 江原真二郎 |
ナレーター | 古今亭志ん朝 |
製作 | |
制作 | NHK |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1977年5月6日 - 1978年3月17日 |
放送時間 | 金曜 20:00 - 20:50 |
放送枠 | 土曜時代劇 (NHK) |
放送分 | 50分 |
回数 | 44 |
放送終了後の1978年4月11日から1979年(昭和54年)10月9日までの毎週火曜日午後3時5分には再放送が行われた。
概要
編集吉川英治の同名原作を現代的なタッチで脚色した時代劇。虚無僧姿で無住心剣夕雲流を操る美剣士、法月弦之丞(田村正和)は幕府転覆の陰謀を探るために阿波に潜入する[4]。主人公法月弦之丞と女たちが織り成す剣と恋の冒険物語である[4]。落語家の古今亭志ん朝の番組前後の語り手としての登場、現代邦楽の音楽などが特色となった[5]。少年ドラマシリーズや人形劇で奇才ぶりを発揮してきた脚本家・石山透が単独執筆した唯一の大人向け作品である。
1966年4月開始の『大岡政談 池田大助捕物帳』以来12年間続いた『金曜時代劇』の最終作となり、この時代劇枠は水曜20時枠に移動した。
映像の現存状況
編集当初はNHKに第1回と最終回のみマスターテープが保存されていたが、後年、当時の番組視聴者たちが家庭用ビデオテープに録画したものが徐々にNHKに寄付され[2]、現在は全話分の映像が現存している。ただし第16話は白黒の物しか現存せず、NHKでは第16回のカラー版の寄贈を呼びかけている[6]。またNHKに既に集まった物も家庭用テープで録画され、劣化しているもや画質の良好でないものもあるため、NHKでは引き続き映像の寄贈を呼びかけている。
エピソードなど
編集キャスト
編集(その他のキャストについては、#放映リストを参照)
スタッフ
編集放映リスト
編集回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | ゲスト |
---|---|---|---|---|
第1回 | 1977年 5月6日 |
桜と月と運命と | 北嶋隆 | 戸浦六宏(常木鴻山)、松山省二(林啓之助)、小林麻美(お米)、日下武史(甲賀世阿弥) |
第2回 | 5月13日 | オランダかるたと阿波侍 | 渋谷康生 | 高松英郎(天堂一角)、戸浦六宏(常木鴻山)、松山省二(林啓之助)、小林麻美(お米)、鈴木瑞穂(銀五郎)、伊藤一葉(奇術師) |
第3回 | 5月20日 | 春の嵐と月夜のカゼと | 山中朝雄 | 高松英郎(天堂一角)、戸浦六宏(常木鴻山)、松山省二(林啓之助)、小林麻美(お米)、日下武史(甲賀世阿弥)、鈴木瑞穂(銀五郎) |
第4回 | 5月27日 | 遍路の群と海賊と | 北嶋隆 | 高松英郎(天堂一角)、戸浦六宏(常木鴻山)、日下武史(甲賀世阿弥)、鈴木瑞穂(銀五郎) |
第5回 | 6月3日 | お十夜頭巾のその下は | 山内暁 | 高松英郎(天堂一角)、戸浦六宏(常木鴻山)、新藤恵美(お久良)、和田幾子(お吉) |
第6回 | 6月10日 | 今ぞ越えゆく鳴門の汐路 | 渋谷康生 | 佐藤佑介(甲賀伊織)、岡田裕介(竹屋三位卿)、辻萬長(俵一八郎) |
第7回 | 6月17日 | 阿波に渦まく祟りと謎と | 山中朝雄 | 高松英郎(天堂一角)、佐藤佑介(甲賀伊織)、岡田裕介(竹屋三位卿)、日下武史(甲賀世阿弥) |
第8回 | 6月24日 | 嵐を呼ぶか一節切 | 北嶋隆 | 松山省二(林啓之助)、佐藤佑介(甲賀伊織)、辻萬長(俵一八郎)、二見忠男(甲比丹三次)、西田健(蜂須賀重喜) |
第9回 | 7月8日 | 山の悪夢と浜辺の恋と | 山内暁 | 佐藤佑介(甲賀伊織)、岡田裕介(竹屋三位卿)、日下武史(甲賀世阿弥)、二見忠男(甲比丹三次)、高桐真(重臣)、曾我廼家一二三(佐治平) |
第10回 | 7月15日 | 恋の行方と地底の謎と | 渋谷康生 | 佐藤佑介(甲賀伊織)、岡田裕介(竹屋三位卿)、辻萬長(俵一八郎)、西田健(蜂須賀重喜)、山田はるみ(お鈴) |
第11回 | 7月22日 | 江戸の夜風と日かげの花と | 山中朝雄 | 有島一郎(紋日の虎)、毒蝮三太夫(岡っ引・辰)、藤村有弘(硯斉)、木田三千雄(太兵衛)、風見章子 |
第12回 | 7月29日 | 風雲急なり江戸墨屋敷 | 北嶋隆 | 高松英郎(天堂一角)、有島一郎(紋日の虎)、毒蝮三太夫(岡っ引・辰)、藤村有弘(硯斉)、日下武史(甲賀世阿弥) |
第13回 | 8月5日 | 恋の炎はひと夜の夢か | 山内暁 | 角野卓造(旅川周馬)、マッハ文朱(くの一忍者)、佐伯赫哉(神主)、風見章子(たみ) |
第14回 | 8月12日 | 今宵月夜の阿波おどり | 渋谷康生 | 高松英郎(天堂一角)、戸浦六宏(常木鴻山)、有島一郎(紋日の虎)、毒蝮三太夫(岡っ引・辰)、藤村有弘(硯斉)、小林麻美(お米) |
第15回 | 8月19日 | 江戸で闇討ちだまし討ち | 山中朝雄 | 戸浦六宏(常木鴻山)、有島一郎(紋日の虎)、毒蝮三太夫(岡っ引・辰)、藤村有弘(硯斉)、角野卓造(旅川周馬)、纓片達雄(佐野川万作) |
第16回 | 8月26日 | 孔雀長屋は謎のまた謎 | 北嶋隆 | 戸浦六宏(常木鴻山)、有島一郎(紋日の虎)、藤村有弘(硯斉)、角野卓造(旅川周馬)、宝井馬琴(松平輝高)、岩井友見(お才)、堀井永子(お勘) |
第17回 | 9月2日 | 天気のいいのに唐傘持って | 山内暁 | 山口崇(平賀源内)、角野卓造(旅川周馬) |
第18回 | 9月9日 | 深夜の決闘三つ巴 | 渋谷康生 | 高松英郎(天堂一角)、有島一郎(紋日の虎)、藤村有弘(硯斉)、纓片達雄(佐野川万作)、堀井永子(お勘) |
第19回 | 9月16日 | 月夜の河原、かたき討ち | 山中朝雄 | 戸浦六宏(常木鴻山)、宝井馬琴(松平左京之介)、角野卓造(旅川周馬)、二見忠男(甲比丹三次)、鈴木瑞穂(唐草銅九郎)、矢崎滋(柳吉)、草薙幸二郎(富樫) |
第20回 | 9月23日 | のろいは遠く阿波までも | 北嶋隆 | 戸浦六宏(常木鴻山)、岡田裕介(竹屋三位卿)、日下武史(甲賀世阿弥)、藤村有弘(硯斉)、西田健(蜂須賀重喜) |
第21回 | 9月30日 | 旅路に赤い陽が沈む | 松本美彦 | 岡田裕介(竹屋三位卿)、藤村有弘(硯斉)、木田三千雄(太兵衛)、小林麻美(お米)、塩島昭彦(宅助) |
第22回 | 10月7日 | 花嫁御寮はなぜ泣くのだろ | 山内暁 | 山口崇(平賀源内)、二見忠男(甲比丹三次)、有馬昌彦(庄屋) |
第23回 | 10月14日 | 日光道中うつのみや | 北嶋隆 | 有島一郎(紋日の虎)、二見忠男(甲比丹三次)、田島義父(蒲浦組親方)、石橋雅史(先生) |
第24回 | 10月21日 | 秋田の城の内と外 | 渋谷康生 | 山口崇(平賀源内)、岡田裕介(竹屋三位卿)、小林麻美(お米)、川合伸旺(戸村十太夫)、江夏夕子(楓) |
第25回 | 10月28日 | 仕掛けたワナとあだ討ちと | 山内暁 | 山口崇(平賀源内)、有島一郎(紋日の虎)、岡田裕介(竹屋三位卿)、角野卓造(旅川周馬)、江夏夕子(楓)、長谷川論(佐竹義敦) |
第26回 | 11月4日 | 出羽の秋田は波乱万丈 | 田中賢二 | 山口崇(平賀源内)、岡田裕介(竹屋三位卿)、角野卓造(旅川周馬)、江夏夕子(楓)、御木本伸介(楢山政右衛門)、佐竹明夫(保戸野) |
第27回 | 11月11日 | 命運尽きるか弦之丞 | 北嶋隆 | 有島一郎(紋日の虎)、岡田裕介(竹屋三位卿)、角野卓造(旅川周馬)、御木本伸介(楢山政右衛門)、北城真記子(年寄) |
第28回 | 11月18日 | 雪空の下産声は流れる | 松本美彦 | 角野卓造(旅川周馬)、松崎真(大天狗) |
第29回 | 11月25日 | 呼び出し連れ出し誘い出し | 山内暁 | 有島一郎(紋日の虎)、日下武史(甲賀世阿弥)、岩井友見(お才)、浜村純(蚶満寺住職)、佐藤蛾次郎(天狗) |
第30回 | 12月2日 | 越後に恋風、江戸には魔風 | 田中賢二 | 高松英郎(天堂一角)、宝井馬琴(松平左京之介)、穂積隆信(甲賀綾丸)、梅野泰靖(山形大弐)、須藤健(堀田伊太夫) |
第31回 | 12月9日 | 江戸の夜空に流れ星 | 北嶋隆 | 高松英郎(天堂一角)、有島一郎(紋日の虎)、藤村有弘(硯斎)、梅野泰靖(山形大弐)、杉江広太郎(相沢迪之進) |
第32回 | 12月16日 | 巷に風の吹く夜は | 松本美彦 | 戸浦六宏(常木鴻山)、藤村有弘(硯斎)、上野郁己(乙吉)、東京二・京太(牛太郎) |
第33回 | 12月23日 | 旅立つ者と残るひと | 山内暁 | 高松英郎(天堂一角)、戸浦六宏(常木鴻山)、岡田裕介(竹屋三位卿)、日下武史(甲賀世阿弥)、宝井馬琴(松平左京之介) |
第34回 | 1978年 1月6日 |
剣が舞う諏訪の初春 | 田中賢二 | 高松英郎(天堂一角)、戸浦六宏(常木鴻山)、日下武史(甲賀世阿弥)、角野卓造(旅川周馬)、二見忠男(甲比丹三次) |
第35回 | 1月13日 | もちの木坂の決闘 | 北嶋隆 | 高松英郎(天堂一角)、松山省二(林啓之助)、小林麻美(お米)、宝井馬琴(松平左京之介)、和田幾子(お吉)、十朱久雄(如海大僧正) |
第36回 | 1月20日 | 幸福の仮面のかげに | 松本美彦 | 高松英郎(天堂一角)、松山省二(林啓之助)、岡田裕介(竹屋三位卿)、小林麻美(お米)、角野卓造(旅川周馬)、新藤恵美(お久良) |
第37回 | 1月27日 | 浪花に咲いた恋の仇花 | 山内暁 | 高松英郎(天堂一角)、松山省二(林啓之助)、岡田裕介(竹屋三位卿)、角野卓造(旅川周馬)、小林麻美(お米) |
第38回 | 2月3日 | 三ツの葛籠のその中で(前編) | 平山武之 | 高松英郎(天堂一角)、松山省二(林啓之助)、山口崇(平賀源内)、岡田裕介(竹屋三位卿)、小林麻美(お米)、新藤恵美(お久良) |
第39回 | 2月10日 | 三ツの葛籠のその中で(後編) | 田中賢二 | 高松英郎(天堂一角)、松山省二(林啓之助)、山口崇(平賀源内)、岡田裕介(竹屋三位卿)、小林麻美(お米) |
第40回 | 2月17日 | 守り袋に意外な秘密 | 山内暁 | 高松英郎(天堂一角)、戸浦六宏(常木鴻山)、岡田裕介(竹屋三位卿)、日下武史(甲賀世阿弥)、二見忠男(甲比丹三次) |
第41回 | 2月24日 | 生と死の谷間 | 平山武之 | 高松英郎(天堂一角)、有島一郎(紋日の虎)、岡田裕介(竹屋三位卿)、宝井馬琴(松平左京之介) |
第42回 | 3月3日 | 追いつ追われつ秘帖はいずこ | 松本美彦 | 岡田裕介(竹屋三位卿)、日下武史(甲賀世阿弥)、角野卓造(旅川周馬)、二見忠男(甲比丹三次)、西田健(蜂須賀重喜) |
第43回 | 3月10日 | 潮風悲し相の浜 | 田中賢二 | 高松英郎(天堂一角)、松山省二(林啓之助)、岡田裕介(竹屋三位卿)、角野卓造(旅川周馬)、西田健(蜂須賀重喜) |
第44回 | 3月17日 | 花とも見える靄の彼方に | 山内暁 | 高松英郎(天堂一角)、山口崇(平賀源内)、岡田裕介(竹屋三位卿)、角野卓造(旅川周馬)、宝井馬琴(松平左京之介)、小林麻美(お米) |
脚注
編集- ^ “田村正和さんにNHK放送総局長が哀悼の意 大河ドラマに5年連続出演”. サンスポ. (2021年5月19日) 2021年6月8日閲覧。
- ^ a b “美しすぎる剣士・田村正和さん『鳴門秘帖』続々発掘!”. NHKア―カーイブス. 日本放送協会 (2015年8月7日). 2018年9月23日閲覧。
- ^ “田村正和『大忠臣蔵』『砂の器』から『総理と呼ばないで』まで 出演ドラマから見えてくるもの”. ヤフーニュース. (2021年5月19日) 2021年6月13日閲覧。
- ^ a b テレビガイド 1977年5月6日号 見もの聞きもの 5.6 壮快!田村弦之丞茶の間に参上
- ^ 金曜ドラマ 鳴門秘帖 - NHK放送史
- ^ “美しい田村正和さん『鳴門秘帖』ついにコンプリート!”. NHKア―カーイブス. 日本放送協会 (2020年4月17日). 2020年4月18日閲覧。
- ^ グラフNHK 1977年8月号 表紙のおしゃべり より、ページ数無し
- ^ NHK番組発掘プロジェクト(2015年8月7日)
- ^ テレビガイド 1977年5月6日号 18-19ページ ぴいぷる 田村正和インタビュー 阪妻さんは大尊敬しています
- ^ a b c NHK番組発掘プロジェクト通信(2018年9月14日)
関連項目
編集- 鳴門秘帖 (2018年のテレビドラマ) - 2018年にNHK BSプレミアムの「BS時代劇」枠で放送されたドラマ。山本耕史主演。
外部リンク
編集NHK総合テレビ 金曜時代劇 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
鳴門秘帖
|
(廃枠)
|
|
NHK総合テレビ 金曜20時枠 | ||
丼池太閤記
|
鳴門秘帖
|