魔女 (1922年の映画)
『魔女』(まじょ)(原題:Häxan、英語: The Witches)は、ベンヤミン・クリステンセンが監督した1922年のモノクロ無声のスウェーデンの映画である[1]。 題材からも手法からも、それまで誰も作ろうと考えたことはなかったフィルム・エッセイ第一号であり、映画史でもユニークな位置と価値を持つ作品である[2]。
魔女 | |
---|---|
監督 | ベンヤミン・クリステンセン |
脚本 | ベンヤミン・クリステンセン |
出演者 |
ベンヤミン・クリステンセン エラ・ラ・クール |
公開 |
1922年9月18日 1929年5月28日 1977年7月18日(「時代を通じての妖術」の題で) |
上映時間 | 105分 |
製作国 | |
言語 | 無声字幕 |
ストーリー
編集この作品記事はあらすじの作成が望まれています。 |
キャスト
編集- 悪魔:ベンヤミン・クリステンセン
- カルナ - 魔女:エラ・ラ・クール
- カルナのアシスタント:エミー・ショーンフェルド
- 老家政婦 - 惚れ薬で僧侶を騙す:ケイト・ファビアン
- 太った僧侶 - 高い身分で、惚れ薬を飲まされる:オスカー・ストリボルト
- アペローネ - 魔女:ヴィルヘルミーネ・ヘンリクセン
- アンナ - 印刷工ジェスパーの妻:アストリッド・ホルム
- アンナの母:エリザベス・クリステンセン
- アンナの妹:カレン・ウィンザー
- マリア - 貧しい織工:マレン・ペダーセン
- パテル・ヘンリック - 魔女裁判官:ヨハネス・アンデルセン
- 魔女判事ヨハネス - 魔女裁判にたずさわる若い僧侶:エリス・ピオ
- 魔女判事:アーゲ・ヘルテル
- 魔女裁判長:イブ・シェーンベルク
- ピーター・ティッタ - 異端審問官:ホルスト・ヨルゲンセン
- 修道女シスター・セシリア - サタンに強要されて聖体を汚し、幼子イエスの像を盗んだ:クララ・ポントッピダン
スタッフ
編集- 監督:ベンヤミン・クリステンセン
- 脚本:ベンヤミン・クリステンセン
- 撮影:ヨハン・アンカーステルネ
- 編集:エドラ・ハンセン
製作
編集- 中世の風俗や思考形式についての考証は極めて綿密であり、また魔女裁判用の拷問の道具も本物である。
- 当時デンマークの映画界は衰退期に入ってしまっていたので、クリステンセンは資本をスウェーデンのスヴェンスク・フィルムインドゥストリ社に求めた。もっとも撮影はデンマークに戻ってコペンハーゲン近郊のスタジオで行われ、1918年から1921年の歳月と巨額の経費が掛けられた[2]。
公開
編集- 製作国のスウェーデンの検閲は、文化史的論説の意義を認めず、魔女の宴のシーンのヌードや、拷問シーンの残酷な部分はカットされた。そのうえカトリック教会からも抗議が届き、配給会社は自主規制を加えた。そのため当時は観客には余り受けなかったが、同時代人である、カール・テオドア・ドライヤー監督や何人かの評論家はこの映画の重要性を認めた。魔女の社会心理学的解明の試みとハイパー=リアリスティックな描写の点で、誰も真似られなかった傑作である[2]。
エピソード
編集- ハリウッドの映画プロデューサーであるルイス・B・メイヤーが1925年にベルリンでこの映画を見せられた時にエンドマークが消えたとたんに立ち上がって、「これを作った奴は何だ!狂人かね? 天才かね?」と興奮したと言われる[2]。