鬼人幻燈抄
『鬼人幻燈抄』(きじんげんとうしょう)は、中西モトオによる日本の小説。またそれを原作とする漫画やアニメ作品。小説投稿サイトの「Arcadia」や「小説家になろう」にて連載され、2019年から双葉社から商業出版された。
鬼人幻燈抄 | |
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ジャンル | 時代劇、ダーク・ファンタジー、鬼退治、バトル |
小説 | |
著者 | 中西モトオ |
イラスト | Tamaki |
出版社 | 双葉社 |
掲載サイト | Arcadia・小説家になろう |
レーベル | 双葉文庫(文庫) |
連載期間 | Arcadia: 2011年12月頃(改訂版:2013年1月)-2014年3月 小説家になろう: 2015年12月 - 2016年9月(番外編:10月) |
刊行期間 | 単行本:2019年6月21日 - 2023年11月22日 文庫:2021年5月13日 - |
巻数 | 全14巻(文庫:既刊7巻(2024年3月13日現在)) |
漫画 | |
原作・原案など | 中西モトオ(原作) |
作画 | 里見有 |
出版社 | 双葉社 |
掲載誌 | ピッコマ・月刊アクション→漫画アクション |
レーベル | アクションコミックス |
発表号 | 書き下ろし(1巻):2021年9月9日(ピッコマ先行配信:9月1日 - ) 月刊アクション:2022年3月号 - 2024年4月号(休刊号) 漫画アクション:2024年4月2日号 - |
発表期間 | 2021年9月9日(単行本)・2022年1月25日(連載)[1] - |
巻数 | 既刊7巻(2024年9月11日現在) |
アニメ | |
原作 | 中西モトオ |
監督 | 相浦和也 |
シリーズ構成 | 赤尾でこ |
キャラクターデザイン | 池上たろう |
音楽 | 高田龍一、広川恵一、高橋邦幸 |
アニメーション制作 | 横浜アニメーションラボ |
放送局 | TOKYO MXほか |
放送期間 | 2025年 - |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
概要
2011年12月頃、小説投稿サイトの「Arcadia」にてモトオ名義で連載開始。投稿した初犯を削除の上、2013年1月から改訂版を連載し2014年3月完結。2015年12月、「小説家になろう」にてArcadia版の再改訂版を連載開始し2016年9月に完結(番外編含めると10月)。2019年6月から双葉社から中西モトオ名義で単行本が出版、2021年5月からは文庫版(双葉文庫)が出版されている。イラストはTamaki(たまき)。
メディアミックスとして、里見有によるコミカライズ版の単行本1巻が双葉社から2021年9月9日に発売。電子書籍サイト『ピッコマ』で2021年9月1日から先行配信。『月刊アクション』(双葉社)でも2022年3月号から2024年4月号まで連載後、『漫画アクション』(同社刊)へ移籍し[1][2]、2024年4月2日号から連載中。2025年よりテレビアニメが放送予定[3]。
あらすじ
この作品記事はあらすじの作成が望まれています。 |
江戸時代、幼くして家出をした甚太と妹の鈴音は、たまたま出会った元治に助けられ、彼の故郷である葛野(かどの)の村で元治の娘・白雪とともに新しい生活を送ることになる。
時は経ち、天保十一年。齢十八になった甚太は、村の『いつきひめ』(葛野で信仰されている土着神に祈りを捧げる巫女)を護衛する巫女守(みこもり)という仕事をしていた。ある日、村の近くに現れた鬼を討伐しに出かけた際に、鬼を退治することには成功したが、その鬼から鬼の能力を受け継ぎ、甚太の体も鬼となってしまう。一方、甚太が鬼退治で村を離れているスキを狙って鬼が村を襲い、『いつきひめ』であった白雪が殺されてしまう。また、その白雪を殺した相手が、実は鬼にかどわかされて鬼に身を転じてしまった妹の鈴音であった。鬼となった鈴音の力は強大で、「今から百七十年後に全ての人を滅ぼす災厄となり、永久に闇を統べる王が生まれる」という。
鬼となった甚太は名前を甚夜と変え、鬼となった妹を止めるために、江戸時代、幕末、明治、大正、昭和と様々な時代を鬼討伐をしながら過ごし、力を身に着けていく。
登場人物
声の項はテレビアニメ版の声優。
葛野編
- 甚太(じんた) / 甚夜(じんや)
- 声 - 八代拓[4]
- 葛野で巫女守を務める少年。鬼に堕ちた妹の手により幼馴染の白雪を失い、自身も鬼と化す。鬼神となって現世を滅ぼすという鈴音を止めるべく、長い旅に出る。江戸に移った後、鬼狩りの浪人、蕎麦屋の店主、華族の使用人、高校生と様々な環境で過ごし、次第に復讐以外のものも抱えるようになっていくが、根本となる妹への憎悪だけは消えず、妹との決戦に挑んでいく。
- 鈴音(すずね)/ マガツメ
- 声 - 上田麗奈[4]
- 甚太の妹。兄のことを愛しながら清正と結婚した白雪に怒り狂って鬼に堕ち、白雪を惨殺する。 鬼の首魁「マガツメ」となって甚夜のもとに再び現れ、自身から生み出した娘を使って度々甚太を苦しめる。
- 白雪(しらゆき)/ 白夜(びゃくや)
- 声 - 早見沙織[4]
- 葛野で信仰されている火の神「マヒルさま」に祈りを捧げる巫女「いつきひめ」の当代。甚太とは幼馴染で互いに想い合う仲だったが、葛野の血を引かない甚太との結婚を村長から認められず、苦悩の末に「いつきひめ」として生きることを選び、清正と結ばれる。
- 清正(きよまさ)
- もう一人の巫女守で、村長の子。甚太とは折り合いが悪く、度々言い争いをしている。後に説話集『大和流魂記』を著し、甚太たちの物語を後世に伝える。
- 元治(もとはる)
- 先代の巫女守で、甚太の養父。虐待を繰り返す父から逃げ出してきた甚太と鈴音を拾い、実子白雪と共に育てる。鬼と相討ちになって死亡する。
- 〈同化〉の鬼
- 葛野を襲撃した二人の鬼の一人。他の鬼の〈力〉を吸収する〈同化〉の力を有し、そうして得た〈剛力〉を行使する。甚太に討たれるが、死に際に自身の左腕を甚太に植え付け、それが結果として甚太を鬼とすることになる。
- 〈遠見〉の鬼
- 葛野を襲撃した鬼の一人。兄を想う鈴音の心を巧みに誘導し、鬼に堕とす。甚太に討たれる間際、百七十年後に鈴音は現世を滅ぼす災厄となり、甚太との殺し合いの末に鬼神が生まれると〈遠見〉により見た未来を伝える。
江戸編
- 善二(ぜんじ)
- 須賀屋の手代。お調子者で腕っぷしはからきしだが、気の良い男で周囲の信頼も篤い。
- 奈津(なつ)
- 須賀屋の娘。幼い頃に両親を亡くし、以降重蔵のもとで育てられてきた。重蔵の本当の子供ではない、実は愛されていないのではないか、という不安から鬼を生み出してしまう。その鬼を甚夜が斬って以降、善二と共に喜兵衛に通うようになる。
- 重蔵(じゅうぞう)
- 須賀屋の主人で、甚夜の実父。妻が鬼に犯されて生まれた子である鈴音を忌み嫌い、虐待していた。再開後も親子として関わることはないが、甚夜のことは息子として認めている。人を鬼に変える酒「ゆきのなごり」を常飲していた結果鬼に堕ち、甚夜に討たれる。
- 茂助(もすけ)
- 姿と気配を消す〈隠形〉の能力を持つ鬼。人に化けて裏長屋で暮らしていたが、妻が攫われた末に死体で発見され犯人を捜していた。人を襲っていた鬼を見つけるが返り討ちに遭い、その力を甚夜に託す。
- はつ
- 茂助の妻。男に攫われ、犯された末に殺された。その絶望から鬼となり、夫のもとに一刻も早く帰りたい一心から〈疾駆〉の力を操る。
- おふう / 三浦ふう
- 蕎麦屋「喜兵衛」の看板娘。季節の花を愛でることを好み、甚夜にも教える。幼い頃に明暦の大火で家族を失い、時の流れが異なる結界を作る能力〈夢殿〉を得た鬼で、甚夜よりも年上なため「甚夜君」と呼ぶ。結界に迷い込んできた定長と知り合った後、結界の中で20年ばかり過ごして現世に帰還。定長と義理の親子として、蕎麦屋を始めた。
- その後も甚夜との付き合いは続いたが、明治維新を境に別れる。平成の世になって葛野で再会。「三浦花店」の店主をしており、周囲には「童顔な40代女性」としている。
- 三浦定長兵馬(みうら さだなが ひょうま)
- 直次の兄で、今は蕎麦屋「喜兵衛」の店主。おふうの作り出す結界に迷い込み、そのままおふうと20年あまり過ごし、現世に帰還。周囲から自身の記憶が失われていたため、武士の身分を捨ておふうと共に喜兵衛を営むようになった。
- 三浦直次在衛(みうら なおつぐ ありひら)
- 喜兵衛の常連で、三浦家の嫡男。兄が周囲の記憶に存在しないことに思い悩み、甚夜に調査を依頼する。幕末に京都に渡り倒幕派の一員となるが、武士がないがしろにされる明治の世に絶望し、鬼となる。血液を刀に変化させる力〈血刀〉を用いて甚夜と決闘し、敗れる。
- 夜鷹(よだか)/ 三浦きぬ
- 最下級の街娼を指す言葉である「夜鷹」を名乗る娼婦。甚夜は娼婦同士のネットワークを頼って、情報屋として交流している。紆余曲折の末に直次と結婚し、直次が鬼となって家を出るまで付き従う。後に自身の半生を記した手記「雨夜鷹」を著す。
- 秋津染吾郎(あきつ そめごろう)
- 付喪神使いの名跡「秋津染吾郎」の三代目。犬神をはじめ、多種多様な付喪神を使役する。甚夜が京都に移って以降は甚夜の営む「鬼そば」の常連となり、甚夜と親友のような関係を築く。四十三年ぶりに甚夜の前に姿を表したマガツメと戦い、その末に命を落とす。
幕末編
- 杉野又六(すぎの またろく)
- 会津畠山家中屋敷にて御坊主を務める男。妖刀「夜刀守兼臣」の一振りを手に入れ、思わず妻で試し斬りをしてしまう。自身の凶行が受け入れられず、自分は妖刀に操られたのだと思い込んでいた。
- 畠山泰秀(はたけやま やすひで)
- 会津畠山家中屋敷の主。典型的な佐幕派の武士で、鬼の力によって攘夷を果たそうとしている。
- 土浦(つちうら)
- 泰秀に仕える鬼。身体を一時的に硬化させる〈不抜〉の力を有する。七尺(約2.1m)近い巨躯から鬼子と呼ばれ、故郷で村八分同然の扱いを受けていた。唯一交流のあった少女も土浦と関わっていたことから迫害され、結果として土浦を罠に嵌めることを強要される。裏切られたと思った土浦は少女らを殺害し、故郷を逃げ出し、その先で泰秀に拾われる。
- 夕凪(ゆうなぎ)
- 対象の記憶に応じた幻覚を見せる力〈空言〉を持つ鬼。廃寺で捨て子を育てており、その子を甚夜に託した。
- 野茉莉(のまり)
- 甚夜の娘。元々は捨て子であり、夕凪から甚夜に託された。甚夜のことは本当の父親のように慕っており、周囲もとても仲のいい親子として認識している。二十歳の頃に東菊の能力によって記憶を改変され、甚夜に関する記憶を失う。
- 岡田貴一(おかだ きいち)
- 〈力〉を持たない下位の鬼ながら、剣技のみで高位の鬼に匹敵する剣の達人。忠義や名誉、信念のために刀を振るう者たちを「濁っている」と評し、刀を持つなら人を斬るべきであるという考えのもと、殺戮を是とする。甚夜と一線を交えた後には、甚夜の依頼を受け度々共闘することもある。平成の世まで生き続け、戻川高校近くのコンビニの店長をしている。
明治編
- 兼臣(かねおみ)
- 戦国期の刀匠、兼臣が妻である鬼女の血を混ぜて作った四振りの妖刀「夜刀守兼臣」を持つ女。主人を殺した地縛という鬼を追っており、その間甚夜の営む「鬼そば」に居候する。
- その正体は、「夜刀守兼臣」の一振り、〈御影〉そのもの。地縛に奪われた主人、南雲和紗の魂を取り戻すべく、魂なき主人の遺体を〈御影〉の力で操っていた。体を失った後は喋る刀となり、甚夜に振るわれることとなる。
- 宇津木平吉(うつぎ へいきち)/ 秋津染吾郎
- 三代目秋津染吾郎の弟子。鬼を嫌っており、鬼である甚夜の営む蕎麦屋「鬼そば」に師が足繁く通っていることを苦々しく思っている。一方で野茉莉に惹かれており、鬼そばには自身も通っている。
- 三代目秋津染吾郎の死後、秋津染吾郎の名を継ぐ。体術を組み合わせた戦闘スタイルで、大正の頃には「稀代の退魔」と呼ばれるほどの実力者となる。野茉莉と結婚しており、他人同士という関係ながら甚夜と野茉莉が再会できるよう計らった。
- 向日葵(ひまわり)
- マガツメの長女。マガツメが兄を愛する心を斬り捨てた結果生まれた存在。そのため甚夜にはかなり好意的で、目的が同じならば共闘することもある。保有する力〈向日葵〉で設定した対象を遠隔から監視するすることが出来る。
- 地縛(じしばり)
- マガツメの娘の一人。束縛してでも兄と一緒にいたい、というマガツメの思いから生まれた存在。保有する力〈地縛〉によって鎖を操り、鎖に縛られた相手の能力を封じる。かつて兼臣を振るった少女、南雲和紗の魂を〈地縛〉によって奪ったため、南雲和紗と瓜二つの外見をしている。
- 東菊(あずまぎく)
- 触れるだけで苦しみを癒す「癒しの巫女」と呼ばれる、高位の鬼。実際は保有する力〈東菊〉によって辛苦の記憶を消去しているだけに過ぎない。
- その正体はマガツメの娘の一人。いがみ合った過去、あるいは憎悪に狂った醜い自分を忘れて、また仲のいい兄妹に戻りたいという思いから生まれた存在。白雪の頭蓋を取り込んでいるため、白雪の外見、性格を継承している。甚夜と出会ったことでマガツメの娘としての記憶を取り戻し、野茉莉の記憶を改変して甚夜のことを忘れさせる。
大正編
- 藤堂芳彦(とうどう よしひこ)
- 渋谷にある小さなキネマ館「暦座」で働く少年。家を抜け出しよく訪れる希美子と仲が良く、そのため叡善の陰謀に巻き込まれることとなる。
- 赤瀬希美子(あかせ きみこ)
- 赤瀬子爵家の令嬢。流行り物に目がなく、度々屋敷を抜け出す。赤瀬家の使用人である甚夜のことは「じいや」と呼んで懐いている。祖父の誠一郎によって叡善への生贄とされるはずであったが、父充知と甚夜たちの尽力によって生き延びる。芳彦と結婚して100歳を越えるまで生き、共に暦座を守り抜く。
- 南雲叡善(なぐも えいぜん)
- 南雲男爵家の元当主で、隠居し八十四歳となった今でも南雲家を牛耳る老人。人の身ながら、人を喰らって貯蓄した命を使用する再生能力を有する。人造の怪異「コドクノカゴ」を創り、それを南雲の手で討伐することで没落した南雲家の再興を図ろうとする。
- 溜那(りゅうな)
- 叡善により体を改造され、人造の怪異「コドクノカゴ」となった少女。甚夜の手で助け出され、暦座の一員となる。
- 井槌(いづち)
- 叡善に付き従う鬼の一人。技術の発達によって怪異がさしたる脅威でなくなった現状に怒りを覚え、現世を滅ぼしかねない「コドクノカゴ」を創ろうとしている叡善に従っている。
- 近代兵器でも敵わない甚夜には憧れを抱き、敗色濃厚となっても果敢に立ち向かう。甚夜もその心意気を認め、一太刀で斬り伏せた後はとどめを刺さなかった。目を覚ました後は暦座の一員となり、叡善に立ち向かう。
- 吉隠(よなばり)
- 叡善に従う鬼の一人。半陰陽で、元はミズチに仕える神聖な巫女として慕われていた。しかし時代が変わり神への信仰心が薄れると故郷を追われ、見世物となり、その末に鬼となった。自身の行動理由を「八つ当たり」と評し、甚夜の絶望を楽しむように、悪辣な手段で甚夜を苦しめ続ける。保有する力は対象を何があろうと死なない状態にする〈戯具〉と、感情を物理的干渉に変える〈織女〉。
- 赤瀬充知(あかせ みちとも)
- 希美子の父で、赤瀬家現当主。入婿であり家内の立場が弱く、義父には逆らえない。叡善が何やら企んでいることは知っており、学生時代からの知り合いである甚夜に希美子の護衛を頼む。
- 赤瀬志乃(あかせ しの)
- 希美子の母。小さな頃はかなりのお転婆で、度々夫にその頃のことをからかわれている。希美子が甚夜のことを「じいや」と呼ぶのは、かつて志乃が甚夜の名を「じいや」と呼び間違え、そこからずっと「じいや」と呼んでいたため。
- 本木宗司(もとき そうし)
- 浅草の骨董屋「古結堂」の店主の孫。幼馴染の小尋を取り込んだマガツメの娘、古椿が討たれる姿を見て、甚夜を小尋の仇として恨むようになる。
- 三枝小尋(さえぐさ こひろ)
- 宗司の幼馴染。吉隠によって連れ去られ、古椿に取り込まれる。
- 古椿(ふるつばき)
- マガツメの娘の一人。甚夜を操ってでも逢瀬を楽しみたいという思いから生まれた存在。叡善によって攫われ、改造され、もはやマガツメの娘としての自我は失われている。三枝小尋を取り込み、小尋と瓜二つの姿をとる。保有する〈古椿〉は、人間の意志を乗っ取り操る能力。
昭和編
- ほたる
- 玉ノ井近くの赤線区域「鳩の街」の娼婦。自らを買った客と一夜限りの恋を演出することを信条とする。梶井匠と恋仲であったが、死病にかかり死期の近い自分が妻となって匠を苦しめることを厭い、逃げ出して娼婦となった。
- 梶井匠(かじい たくみ)
- ほたるを探して鳩の街に訪れた若き医師。ほたるとは家族ぐるみでの付き合いがあり、親戚の家をたらい回しにされていたほたるを引き取り、恋仲となる。
- 本木青葉(もとき あおば)/ 柚原青葉(ゆのはら - )
- 鳩の街の娼婦。娼婦といっても十六歳であり、まだ客を取ったことはない。鳩の街を訪れた陣甚夜に最初に出会い、それから甚夜を家に泊めている。
- 実は本木宗司の孫であり、祖父から押し付けられる三枝小尋の復讐を嫌がり家を飛び出した。亡くした祖父になにかしてやりたいという思いから甚夜と一戦を交え、甚夜を夜刀守兼臣〈鬼哭〉に封印する。
- 桜庭ミルクホールの店長
- 鳩の街にある娼館「桜庭ミルクホール」の店主。三十代から四十代の、女言葉を使う男。
- 七緒
- 青葉の働く娼館「イチカワ」の娼婦であり管理者。マガツメの娘水仙が成り代わった姿だが、マガツメとの関わりはほぼない。妹の切り捨てた思いと向き合おうとする甚夜を受け入れ、マガツメの情報を甚夜に語る。自分を愛して欲しいという鈴音の思いから生まれた存在。保有する力〈水仙〉は、対象への干渉を自身に移し替える力。
- あけみ
- 桜庭ミルクホールで働く娼婦。生活苦ではなく、身一つで稼げる手段として娼婦になることを選んだ娘。父と義母に逆らえず、本心を隠す母を嫌っており、その姿を思い出させるほたるにも良い感情を抱いていない。
- 高森啓人(たかもり けいと)
- 浅草に住む少年。甚夜を封印した〈鬼哭〉が安置されている神社に日々訪れる青葉を慕っている。
- 柚原七緒(ゆのはら ななお)
- 青葉の娘。啓人とやよいと仲が良く、度々3人で遊んでいる。
- 姫川夜宵(ひめかわ やよい)
- 葛野にある甚太神社の娘。浅草に訪れた際に〈鬼哭〉に封印されている甚夜に話しかけられ、悩みを打ち明ける。後に啓人と結婚し、みやかを産む。
平成編
- 姫川みやか(ひめかわ - )
- やよいの娘で、当代のいつきひめ。自分では感情表現が苦手だと思っているが、周囲からはクールだと思われている。戻川高校の一年生で、マガツメや吉隠の生み出した怪異に巻き込まれていく。
- 梓屋薫(あずさや かおる)
- 戻川高校の一年生で、みやかとは中学以来の親友。明るく素直な性格の持ち主で、口裂け女に襲われたことから甚夜と交流するようになる。明治時代にタイムスリップしたことがあり、その時の名残で甚夜からは「朝顔」と呼ばれる。
- 白峰八千枝(しらみね やちえ)
- 薫とみやかの中学時代の恩師。気風のいい男前な教師として、多くの生徒から慕われていた。吉隠により、息子をコトリバコの原料にされた上殺される。
- 藤堂夏樹(とうどう なつき)
- 薫らのクラスメート。芳彦と希美子の曾孫であり、幼い頃から親しくしている甚夜を「じいちゃん」と呼んでいる。
- 桃恵萌(ももえ もえ)
- 薫らのクラスメートで、かなり派手な服装をした少女。秋津染吾郎の名を継ぐ存在であり、その十代目。手作りの携帯ストラップを付喪神とし、甚夜と共闘する。
- 富島柳(とみしま やなぎ)
- 薫らのクラスメートで、その容姿と人柄からよく女子人気が高い。吉岡麻衣と仲が良く、彼女が虐められている現場を目撃して都市伝説〈ひきこさん〉になってしまう。麻衣の思いもあり自力で人に戻り、その後は部分的に〈ひきこさん〉の力を行使できるようになる。
- 吉岡麻衣(よしおか まい)
- 薫らのクラスメートで、引っ込み思案の少女。中学時代に図書室で富島柳に声を掛けられて以来交流が続いており、今では常に一緒にいるようになっている。甚夜から過去の話をよく聞いており、実際に過去の甚夜に会った薫並みに甚夜の過去について詳しい。
- 兼臣(かねおみ)
- 戦国期の葛野で暮らした刀匠。鬼を妻とし、四振りの妖刀「夜刀守兼臣」を打った。
- 夜刀(やと)
- 兼臣の妻となった鬼。集落の者たちに鍛冶場が襲撃された際に殺害されたとされていたが、平成の世まで生き延びており、夫との思いの籠った刀の行末を見届ける。
- 鈴蘭(すずらん)
- マガツメの末娘。保有する〈鈴蘭〉により、対象の人間の完璧な複製体を作成できる。〈鈴蘭〉の力で失われた人々を複製し、もう一度葛野の日々を再現するためにマガツメが産んだ存在。
既刊一覧
小説(単行本)
- 中西モトオ(著)・Tamaki(イラスト) 『鬼人幻燈抄』 双葉社、全14巻
- 「葛野編 水泡の日々」2019年6月21日発売[5]、ISBN 978-4-575-24185-3
- 「江戸編 幸福の庭」2019年10月18日発売[6]、ISBN 978-4-575-24216-4
- 「江戸編 残雪酔夢」2020年2月21日発売[7]、ISBN 978-4-575-24253-9
- 「幕末編 天邪鬼の理」2020年6月19日発売[8]、ISBN 978-4-575-24290-4
- 「明治編 徒花」2020年10月23日発売[9]、ISBN 978-4-575-24339-0
- 「明治編 夏宵蜃気楼」2021年2月19日発売[10]、ISBN 978-4-575-24377-2
- 「明治編 君を想う」2021年6月18日発売[11]、ISBN 978-4-575-24417-5
- 「大正編 紫陽花の日々」2021年10月21日発売[12]、ISBN 978-4-575-24457-1
- 「大正編 終焉の夜」2022年2月26日発売[13]、ISBN 978-4-575-24492-2
- 「大正編 夏雲の唄」2022年6年22日発売[14]、ISBN 978-4-575-24534-9
- 「昭和編 花街夢灯籠」 2022年10月20日発売[15]、ISBN 978-4-575-24574-5
- 「平成編 逢う日遥けし」2023年2月22日発売[16]、ISBN 978-4-575-24607-0
- 「平成編 終の巫女」2023年7月26日発売[17]、ISBN 978-4-575-24640-7
- 「平成編 泥中之蓮」2023年11月22日発売[18]、ISBN 978-4-575-24697-1
小説(文庫)
- 中西モトオ(著)・Tamaki(イラスト) 『鬼人幻燈抄』 双葉社〈双葉文庫〉、既刊7巻(2024年3月13日現在)
- 「葛野編 水泡の日々」2021年5月13日発売[19]、ISBN 978-4-575-52471-0
- 「江戸編 幸福の庭」2021年9月9日発売[20]、ISBN 978-4-575-52501-4
- 「江戸編 残雪酔夢」2022年3月10日発売[21]、ISBN 978-4-575-52554-0
- 「幕末編 天邪鬼の理」2022年9月8日発売[22]、ISBN 978-4-575-52606-6
- 「明治編 徒花」2023年3月15日発売[23]、ISBN 978-4-575-52652-3
- 「明治編 夏宵蜃気楼」2023年9月13日発売[24]、ISBN 978-4-575-52693-6
- 「明治編 君を想う」2024年3月13日発売[25]、ISBN 978-4-575-52739-1
漫画
- 中西モトオ(原作)・里見有(作画) 『鬼人幻燈抄』 双葉社〈アクションコミックス〉、既刊7巻(2024年9月11日現在)
- 2021年9月9日発売[26][27]、ISBN 978-4-575-44004-1
- 2022年3月10日発売[28]、ISBN 978-4-575-44015-7
- 2022年9月8日発売[29][30]、ISBN 978-4-575-44024-9
- 2023年3月15日発売[31]、ISBN 978-4-575-44034-8
- 2023年9月13日発売[32]、ISBN 978-4-575-44041-6
- 2024年2月29日発売[33]、ISBN 978-4-575-44047-8
- 2024年9月11日発売[34]、ISBN 978-4-575-44060-7
テレビアニメ
この節には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。 |
2025年に連続2クールで放送予定[3]。当初2024年6月よりTOKYO MXほかにて放送予定だったが[35]、制作の遅延により延期された[3]。
キャスト
スタッフ
脚注
出典
- ^ a b “悠木碧原作による“闇甘”ファンタジー「キメラプロジェクト:ゼロ」月アクで連載開始”. コミックナタリー. ナターシャ (2022年1月25日). 2023年3月15日閲覧。
- ^ “月刊アクションが休刊、「メイドラゴン」「つぐもも」など各作品の移籍先が明らかに”. コミックナタリー (ナターシャ). (2024年2月24日) 2024年2月24日閲覧。
- ^ a b c “TVアニメ『鬼人幻燈抄』7月開始予定→放送延期を発表 「2025年に2クール連続での国内放送を予定」”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年6月5日). 2024年6月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “鬼人幻燈抄:ファンタジー小説がテレビアニメ化 今夏放送 八代拓が甚太に 上田麗奈、早見沙織も”. まんたんウェブ. MANTAN (2024年2月22日). 2024年2月22日閲覧。
- ^ “鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々”. 双葉社. 2023年3月15日閲覧。
- ^ “鬼人幻燈抄 江戸編 幸福の庭”. 双葉社. 2023年3月15日閲覧。
- ^ “鬼人幻燈抄 江戸編 残雪酔夢”. 双葉社. 2023年3月15日閲覧。
- ^ “鬼人幻燈抄 幕末編 天邪鬼の理”. 双葉社. 2023年3月15日閲覧。
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- ^ “鬼人幻燈抄:テレビアニメが6月27日スタート 初回は1時間SP 追加キャストに白熊寛嗣、近藤唯”. まんたんウェブ. MANTAN (2024年5月9日). 2024年5月9日閲覧。
- ^ a b “アニメ「鬼人幻燈抄」6月27日に1時間SPで放送開始、鬼役に白熊寛嗣&近藤唯”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年5月10日). 2024年5月10日閲覧。
外部リンク
- 鬼人幻燈抄 - 小説家になろう
- 鬼人幻燈抄 (@kijin_novel) - X(旧Twitter)
- 鬼人幻燈抄 - 双葉社 ライトノベル
- 鬼人幻燈抄 - 双葉社 漫画
- 『鬼人幻燈抄』 - テレビアニメ公式
- 『鬼人幻燈抄』TVアニメ公式 (@kijin_anime) - X(旧Twitter)