高雄捷運シタディス電車
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高雄捷運シタディス電車(たかおしょううんシタディスでんしゃ)は台湾で高雄捷運の高雄ライトレール(環状軽軌、LRT環状線)で運行される超低床路面電車。
高雄捷運環状軽軌シタディス電車 | |
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衛生局駅停車中電車(2021年1月) | |
基本情報 | |
運用者 | 高雄捷運公司 |
製造所 |
フランス アルストム (ラ・ロシェル工場) |
製造年 | 2018年-2019年(初期発注分) |
製造数 | 15編成75両 |
運用開始 | 2020年11月2日 |
投入先 | 環状軽軌 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,435 mm |
最高運転速度 | [1]50 km/h |
設計最高速度 | [1]80 km/h |
編成定員 | [1]250人 |
編成重量 | 44t |
編成長 | [1]33.40 m |
全幅 | [1]2,650 mm |
全高 | [1]3,600 mm |
車体 | アルミニウム合金 |
台車 | [2]アルストム・Ixège Evolution |
概要
編集LRT二期の増備分として15編成の追加入札が行われ[3](p25)、2017年1月にアルストム・中国鋼鉄連合が一期でUrbosを納入したスペインのCAFを破り同社の超低床電車のブランドであるシタディス X-05シリーズのうち3台車5車体の305系列が採用された[4]。二期事業の車両調達費用30億ニュー台湾ドル(NT$)のうち、中央政府補助は15.35億NT$[3](p25)。
第1編成は製造されたラ・ロシェル工場からアントワープへ陸送され[5]、そこから基隆港への海上輸送を経て[6]、2018年9月5日に高雄市の前鎮機廠に搬入され[7]、同月末に二期区間での試運転を開始した[8]。
その後第2編成が12月13日に[9]、以降は2019年6月末に最後の第11編成が搬入された[10]。
台湾では台北捷運VAL256(マトラ)以来のフランス製車両の調達となる[注 1]。
納入以後は建設中の二期区間で試運転を繰り返していたが、2019年9月より既存開業区間でも夜間試運転を開始した[11]。
1期区間におけるCAF仕様の制御システムとの整合性試験を経て、2020年11月2日より既存開業区間での運用を開始[12]。
仕様
編集シタディスの5連節車体3台車仕様305型をベースに[13]、同社の急速充電システムを追加し、駅間が全線無架線の高雄ライトレールに対応。黒主体の外観などを除き、機器仕様は先代Urbosに限りなく近づけている。
Ixège Evolutionはそれまでの超低床電車で主流だった車軸なし独立台車モデルではなく車軸のあるタイプで、構造の簡略化が保守性の向上と軽量化をもたらしている[2][14]
架線レスについてはアルストムの従来のSRS(ground-based Static Charging System、地表からの静的充電システム)ではなく、一期Urbosのニッケル水素キャパシタによるパンタグラフからの急速充電システムACRと仕様を揃えた同社のリチウムイオン式「Ecopack」が採用されている[15](p16)。キャパシタは1モジュールにリチウムイオン二次電池30セル、計48モジュールのパック2基を備え[15](p16)。、出力は出荷時が9kWhで、100万回放電後の残量でも7kWhの出力性能を確保している[15](p16)[16]。Urbosと同じく駅停車時に次の停車駅までの走行電力の充電を20秒で可能としている[5]。
Urbosと比較して、座席は編成全体で2席増加し、中央のスタンションポールは天井まで伸びず半身分の高さに、カードリーダーは両サイドのドア橫に変更され、1列車あたり6台に増やされている[17]。また座席もFRPではなくモケット材が採用された[17]。
Urbosとの比較
編集台湾で初の事例である第1期Urbos 3との相違は以下の通り。
項目 | 第1期・Urbos 3 | 第2期・Citadis X-05 305 |
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製造 | CAF | アルストム |
愛称 | 小緑緑 | 小黒[18] |
全長 | 34,166 mm | 33.4 m |
全幅 | 2.65 m | |
全高 | 3.6 m | |
構成 | Mc1–S1–T–S2–Mc2 | M1–SC1–NP–SC2–M2[19](p26) |
素材 | アルミニウム合金 | |
無架線 | 全区間 | |
電気方式 | DC750V | |
キャパシタ | ニッケル・水素充電池による | リチウムイオン |
出力[15](p16) | 8kWh | 9kWh |
台車 | 1,5両目は動力台車、2,4両目は無台車、3両目は無動力台車 | |
座席 | FRPx64 | モケットx66 |
編成定員 | 250 | |
IC乗車カード端末 | 4台 | 6台 |
配属
編集全数が前鎮機廠に配属される。
脚注
編集注釈
編集- ^ マトラはその後ドイツのシーメンスに吸収され、同社のブランドとなっている。
出典
編集- ^ a b c d e f 高雄好過日”. facebook.com. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2023年3月21日 - ウェイバックマシン “
- ^ a b “シタディス最新モデル「X05」を発表(2014年11月26日)”. 総合車両製作所 (2016年3月9日). 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2020年2月17日 - ウェイバックマシン
- ^ a b 高雄輕軌捷運二階續建 (含車廂購置)專案報告”. 高雄市議會議事資訊整合查詢系統. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2022年5月22日 - ウェイバックマシン 高雄市政府 (2019年5月2日). “
- ^ Alstom to supply trams for Kaohsiung LRT Stage 2”. IRJ(インターナショナル・レールウェイ・ジャーナル) (2017年1月23日). 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2021年3月9日 - ウェイバックマシン “
- ^ a b Alstom ships first Citadis LRV for Kaohsiung”. IRJ (2018年8月16日). 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2019年7月30日 - ウェイバックマシン “
- ^ 高雄輕軌二階新車亮相 下月運抵高雄上線測試”. 蘋果日報. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2019年1月25日 - ウェイバックマシン “
- ^ 高雄二階輕軌首列列車從比利時離港 9月下旬實地試車”. 聯合報. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2019年3月23日 - ウェイバックマシン “
- ^ “高雄輕軌二階首列車輛 月底開始試車”. 中国時報. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2018年9月10日 - ウェイバックマシン
- ^ 高雄輕軌二階第二列車輛順利卸載”. 自立晩報/Yahoo奇摩 (2018年12月13日). 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2019年1月3日 - ウェイバックマシン “
- ^ 大事紀要”. 高雄環狀輕軌捷運(第二階段)統包工程計畫網站. 2019年7月1日閲覧。 “
- ^ 高雄輕軌二階段列車 深夜進行六車班測試”. EBC 東森電視 (2019年9月18日). 2019年9月21日閲覧。 “
- ^ “高雄輕軌二階列車明起上路 展現一、二階系統整合成果”. 自由時報. (2020年11月1日). オリジナルの2020年11月18日時点におけるアーカイブ。 2020年11月1日閲覧。
- ^ CITADIS® X05”. 2017年11月9日時点のX05 - Product sheet - English.pdf?epslanguage=en-GB オリジナルよりアーカイブ。2019年5月5日閲覧。 “
- ^ 【民報】【影音】高雄輕軌二階首列車「C15壽山公園站」上線測試!”. www.peoplenews.tw. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2018年12月31日 - ウェイバックマシン “
- ^ a b c d 「高雄環狀輕軌捷運建設(第二階段)統包工程機電系統之國外供應廠商參訪視察案」”. 高雄市政府研究發展考核委員會. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2020年7月5日 - ウェイバックマシン 高雄市政府捷運工程局 (2018年1月2日). “
- ^ Wire-Free Technology”. 米国交通輸送調査委員会. p. 20. 2019年10月14日閲覧。 アーカイブ 2019年11月20日 - ウェイバックマシン James Varney(Alstom) (2019年4月22日). “
- ^ a b 高雄輕軌二階首列車上線測試 明年通車至C17站”. 聯合報 (2018年9月27日). 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2019年8月27日 - ウェイバックマシン “
- ^ 高雄輕軌二階首列車測試 「小黑」車頭吸晴”. 台湾蘋果日報 (2018年9月27日). 2019年5月5日閲覧。 “
- ^ 「高雄環狀輕軌捷運建設(第二階段)統包工程」軌道-車輛-號誌-通訊工程107年度材料國外查核、檢驗及測試作業出國報告”. 高雄市政府研究發展考核委員會. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2020年7月5日 - ウェイバックマシン 高雄市政府公務出國報告資迅網 高雄市政府捷運工程局 (2018年9月20日). “