馬鞍山ニュータウン
馬鞍山ニュータウン(ばあんざん-、中国語: 馬鞍山新市鎮, 英語: Ma On Shan New Town)は、香港のニュータウンである。沙田区に属し、同名の山から名付けられた。
馬鞍山 Ma On Shan | |
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ニュータウン中心部の空撮(2017年) | |
座標:北緯22度25分40秒 東経114度14分25秒 / 北緯22.427676度 東経114.240275度 | |
国 | 香港 |
地区 | 新界東 |
行政区 | 沙田区 |
人口 (2015) | 208,097人 |
開発年 | 1980年 |
馬鞍山ニュータウンは沙田ニュータウンの延長線上にあるが、開発された年代は比較的新しく、都市計画も大きく異なっている[1]。そのため、同じく1980年代に開発された天水囲ニュータウンや将軍澳ニュータウンとともに「第三代ニュータウン」と呼ばれる[2]。
歴史
編集馬鞍山では、新石器時代末期(約3〜4千年前)から南宋時代にかけての出土物が見つかっている。1980年代以前、この地域は小さな村落であり、村民たちは農業や漁業など、伝統的な産業で生計を立てていた。日本企業が磁鉄鉱を採掘するため、馬鞍山を拠点としていた時期には、何千人もの労働者が集まっていた[3]。しかし、1970年代の石油危機以降、採掘コストが大幅に上昇した。そのため香港政府はここをニュータウンとして開発することに決め、鉱山は1976年に閉鎖された。
馬鞍山ニュータウンの開発は、1980年に開始され[4]、数十年間継続的に開発が続いた結果、住宅団地やショッピングモールが建ち並ぶエリアとなっている。
地理
編集馬鞍山は、沙田区の北東部に位置し、沙田区の中心街とは梅子林路で隔てられている。また、東側では西貢北(行政区は大埔区)の十四郷に隣接している。1866年の清朝の地図「新安縣全圖」のなかには、「馬鞍山」と「沙田」の地名が記載されている。
住宅
編集馬鞍山には、独自の中心街を有しており[5]、当初は恒安邨の北に設置する計画であったが[6]、現在は港鉄馬鞍山駅付近に主要施設が集中している。駅周辺には、大型ショッピングモール、馬鞍山公園、プロムナード、体育館、プール、公共図書館などが立地する。
公営住宅
編集画像 | 名称 | 入居年 | 棟数 | 開発機関 | 種類 |
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恒安邨 | 1987年 | 7 | 香港住宅委員会 | 賃貸購入計画 | |
耀安邨 | 1988年 | ||||
利安邨 | 1993年 | 5 | 賃貸住宅 | ||
頌安邨 | 1996年 | ||||
欣安邨 | 2011年 | 3 | 賃貸住宅 (当初はサンドイッチクラス住宅計画) |
公的分譲住宅
編集- 錦鞍苑[7]
- 富安花園[8]
- 錦禧苑[9]
- 錦英苑[10]
- 富輝花園[11]
- 福安花園[12]
- 錦龍苑[13]
- 富宝花園[14]
- 錦豊苑[15]
- 錦泰苑[16]
- 雅景臺[17]
- 曉峯湾畔[18]
- 錦暉苑[19](2020年8月27日入居開始)
- 錦駿苑(現在建設中)
-
錦鞍苑
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富安花園(2014年8月)
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錦禧苑
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錦英苑
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富輝花園
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福安花園
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錦龍苑
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富宝花園
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錦豊苑
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錦泰苑
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雅景臺
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曉峯湾畔
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錦暉苑(2020年10月)
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建設中の錦駿苑(2020年10月)
民間住宅
編集- 新港城[20](開発:恆基兆業地産)
- 雅典居[21](開発:新鴻基地産)
- 雅濤居[22](開発:信和置業、凱德集團)
- 海濤居[23](開発:恆基兆業地産)
- 海典居[24](開発:信和置業)
- 海典湾[25](開発:信和置業)
- 海栢花園[26](開発:長江實業)
- 馬鞍山中心(開発:南豐發展)
- 迎濤湾[27](開発:華懋集團)
- 聽濤雅苑[28](開発:長江實業)
- 觀瀾雅軒(開発:恆隆地産)
- 嘉華星濤湾(開発:嘉華國際)
- 嵐岸(開発:長江實業)
- 翠擁華庭[29](開発:長江實業・和記黄埔)
- 銀湖・天峰(烏渓沙駅上部、開発:港鐵公司・信和置業)
- 天宇海(開発:長江實業)
- 迎海(開発:恆基兆業地産・新世界發展・培新集團)
- 星漣海(開発:長江實業)
- 雲海(開発:新鴻基地産)
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新港城
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雅典居
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雅濤居
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海濤居
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海典居
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海典湾
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海栢花園
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馬鞍山中心
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迎濤湾
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聽濤雅苑
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觀瀾雅軒
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嘉華星濤湾
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嵐岸
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翠擁華庭
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銀湖・天峰
-
天宇海
-
迎海
仮設住宅
編集- 興安臨時房屋区(1999年に解体)
- 城安臨時房屋区(1999年に解体)
郷村
編集- 烏渓沙村
- 烏渓沙新村
- 長径村
- 渡頭湾村
- 大水坑村
- 梅子林村
- 馬鞍山村
- 信義新村
-
大水坑村
-
烏渓沙村牌坊
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梅子林村
-
馬鞍山上村
商業施設
編集馬鞍山には多くのショッピングモールがあるが、これらは大型住宅の建設に伴って建設されたもので、テナントはほとんどがレストランチェーンで占められており、選択肢が少ないために「美食砂漠」とも称されている[30]。
民間商業施設:
- 馬鞍山廣場
- 新港城中心
- 馬鞍山中心
- 迎海薈
- We Go MALL
- 雅濤居購物商場
- 迎濤湾廣場
住宅併設型商業施設:
- 恒安商場
- 耀安商場
- 頌安商場
- 利安商場
- 錦泰商場
- 錦英商場
- 富安商場
- 福安商場
- 富輝商場
- 富宝商場
ホテル:
- 海澄軒
-
新港城中心
-
馬鞍山廣場
-
迎海薈
-
恒安商場
-
利安商場
-
頌安商場
-
耀安商場
-
海澄軒
交通
編集鉄道
編集-
大水坑駅
-
恒安駅
-
馬鞍山駅
-
烏渓沙駅
-
屯馬線の列車
-
烏渓沙駅交通センター
主要な道路
編集- 馬鞍山路
- 西沙路
- 馬鞍山繞道
- 恒康街
- 錦英路
- 寧泰路
- 烏渓沙路
- 耀沙路
- 落禾沙里
- 鞍禄街
- 恒徳街
- 亜公角街
歩行者用通路
編集馬鞍山の中心部には、商業施設や住宅のディベロッパーが建設した歩行者専用の通路が張り巡らされており、住宅と商業施設、交通センター、バス停などを、雨や暑さを避けながら行き来することができるようになっている。2004年には馬鞍山線馬鞍山駅が開通し、馬鞍山廣場や新港城中心と通路で結ばれたため、地区間の移動さえも可能となった。
連接する住宅
編集- 福安花園
- 海濤居/新港城廣場
- 新港城第4期/新港城中心/馬鞍山市中心公共運輸交匯處
- 馬鞍山駅
- 海栢花園/馬鞍山廣場/海栢花園公共運輸交匯處
- 新港城第1期/新港城中心大街
- 新港城第3期/新港城中心大街
- 新港城第2期
- 富輝花園/富輝商場
- 馬鞍山中心
- 海典居
- 馬鞍山公園
- 鞍禄街花園
公共施設
編集- 烏渓沙ユースヴィレッジ:別称・烏渓沙ユースキャンプ。小学生の修学旅行や学生の卒業旅行先として知られる。
- 馬鞍山公共図書館
- 馬鞍山公園
- 馬鞍山遊泳池
- 馬鞍山運動場
- 馬鞍山遊楽場
- 馬鞍山体育館
- 馬鞍山郊野公園
- 馬鞍山ウォーターフロントプロムナード
- 大水坑サイクリングパーク[31]
- 馬鞍山白石ゴルフセンター[32]
-
烏渓沙ユースヴィレッジ
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馬鞍山公共図書館
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馬鞍山公園
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馬鞍山遊泳池
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馬鞍山運動場
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馬鞍山遊楽場
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馬鞍山体育館
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馬鞍山郊野公園
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馬鞍山ウォーターフロントプロムナード
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大水坑サイクリングパーク
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馬鞍山白石ゴルフセンター
宗教施設
編集- 馬鞍山聖フランシス教会
- 中国キリスト教播道会安福堂
- キリスト教香港信義会
- 中華キリスト教会合一堂馬鞍山堂
- 馬鞍山浸信会
- 循道衛理馬鞍山堂
出典
編集- ^ “歴史背景”. www.pland.gov.hk. 2020年12月6日閲覧。
- ^ “區新線新”. 2009年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月6日閲覧。
- ^ “馬鞍山開礦事業 - 鞍山歳月 - 馬鞍山民康促進會”. mos.hk. 2020年12月6日閲覧。
- ^ 20 Years of New Town Development, P.28, Territory Development Department, Hong Kong Government:1993
- ^ “政府的規劃發展”. www.pland.gov.hk. 2020年12月6日閲覧。
- ^ 《沙田》——〈馬鞍山發展〉,沙田政務處,1995年11月
- ^ “錦鞍苑簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “富安花園簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “錦禧苑簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “錦英苑簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “富輝花園簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “福安花園簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “錦龍苑簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “富寶花園簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “錦豐苑簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “錦泰苑簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “雅景臺簡介”. 2010年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年5月20日閲覧。
- ^ “曉峯灣畔簡介”. 2006年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年5月20日閲覧。
- ^ “錦暉苑簡介”. 2020年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月18日閲覧。
- ^ “新港城”. 2021年2月5日閲覧。
- ^ “雅典居”. 2021年2月5日閲覧。
- ^ “雅濤居”. 2005年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年5月27日閲覧。
- ^ “海濤居”. 2010年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月5日閲覧。
- ^ “海典居”. 2005年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年5月19日閲覧。
- ^ “海典灣”. 2011年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月5日閲覧。
- ^ “海栢花園”. 2013年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月5日閲覧。
- ^ “迎濤灣”. 2007年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月5日閲覧。
- ^ “聽濤雅苑”. 2013年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月5日閲覧。
- ^ “翠擁華庭”. 2013年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月5日閲覧。
- ^ “【美食沙漠】馬鞍山冇嘢食之謎 街坊:以後會日日食吉野家”. 蘋果日報. (2018年8月1日) 2018年8月13日閲覧。
- ^ “馬鞍山單車公園”. 2021年2月5日閲覧。
- ^ “馬鞍山白石哥爾夫球中心(白石倶楽部)”. 2021年2月5日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- ウィキメディア・コモンズには、馬鞍山ニュータウンに関するカテゴリがあります。