香村純子
香村 純子(こうむら じゅんこ、1976年5月28日[1][2] - )は日本の脚本家。愛知県生まれ[2]。フリーランス。
人物・来歴
編集子供の頃から「スーパー戦隊シリーズ」のファン[3]。本格的に視始めたのは『電子戦隊デンジマン』あたりからで、「ウルトラシリーズ」、「仮面ライダーシリーズ」それぞれ新作の放映が無かった頃に子供時代を過ごしたことから、「スーパー戦隊シリーズ」のファンになっていった[1][3]。高校・大学時代は演劇部に所属し、脚本や制作などを担当していたそうである[3]。
脚本家になる前は、地元・愛知で事務職に就いていたが、スーパー戦隊シリーズの脚本を書きたいという気持ちが強くなって、退職し2001年に上京[3]。脚本家になることについては、同じ女性で同様に元会社員で、28歳でデビューした小林靖子のことも意識していた[1][3]。東映アニメーション研究所の実写コースでシナリオを2年間学び、その後ぶらざあのっぽのシナリオ講座を受講[3]。2006年にぶらざあのっぽに入社。
初めて手掛けた脚本は、兄弟子からもらったドラマCDの作品[1][3]。当初はゲームの脚本に呼ばれたが、向いていないとして少女漫画原作のドラマCDへ回った[3]。
「スーパー戦隊シリーズ」には2008年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』第20話「兄妹バトル!?」から参加[2][3]。2011年の『海賊戦隊ゴーカイジャー』では計16話のストーリーを執筆している。そして2016年の『動物戦隊ジュウオウジャー』では初の単独メインライターを担当した[2][3]。
2012年には、『仮面ライダーウィザード』にきだつよしと供にメインライターとして参加[3]。同作品のチーフプロデューサーである宇都宮孝明によれば、きだとのスケジュールとの兼ね合いで、ダブルメインライター体制になった[3][4]。劇場版2作品を含み20本以上のストーリーを執筆。
同年11月からは、ぶらざあのっぽから独立し、フリーランスのライターとして活動[1]。
交友関係
編集脚本家の荒川稔久は同じ中学校の先輩である[5][6][3]。香村曰く、荒川との縁で「スーパー戦隊シリーズ」に係わることが出来たとのこと[1]。荒川は、最初は同郷で「スーパー戦隊シリーズ」が好きと聞いたことから呼んだが、同じ中学校であるとまでは知らなかったと述べている[6]。
脚本家の田中仁は東映アニメーション研究所の同期である[7]。ただし当時はコースが異なるため面識はなく、互いに脚本家を目指してから知り合った[7]。田中はメインライターを務めたアニメ『Go!プリンセスプリキュア』で香村を招き、翌年香村は自身がメインライターを務めた『動物戦隊ジュウオウジャー』に田中を呼んでいる[7]。
作品
編集太字はメインライター・シリーズ構成を担当した作品。
特撮
編集- スーパー戦隊シリーズ
- 炎神戦隊ゴーオンジャー[3](2008年 - 2009年)全50話中1話執筆[8]
- 天装戦隊ゴセイジャー(2010年 - 2011年)全50話中3話執筆
- 海賊戦隊ゴーカイジャー(2011年 - 2012年)全51話中16話執筆
- 非公認戦隊アキバレンジャー(2012年)全13話中6話執筆
- 動物戦隊ジュウオウジャー(2016年 - 2017年)全48話中34話執筆
- 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(2018年 - 2019年)全51話中33話執筆
- 機界戦隊ゼンカイジャー(2021年 - 2022年)全49話中47話執筆[注釈 1]
- 仮面ライダーシリーズ
- 仮面ライダーウィザード(2012年 - 2013年)全53話中22話執筆[注釈 2]
- 仮面ライダードライブ(2014年 - 2015年)全48話中4話執筆
- 仮面ライダーセイバー(2021年)[注釈 3]
- 仮面ライダーガヴ(2024年 - )[9]
- ガルーダの戦士ビマX (Satria Garuda Bima-X)(2014年 - 2015年)全50話中19話執筆[注釈 4]
映画
編集- スーパー戦隊シリーズ
- 愛を歌うより俺に溺れろ!(2012年)[注釈 5]
- 仮面ライダーシリーズ
- 劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land(2013年)
- 仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦「仮面ライダーウィザード 約束の場所」(2013年)
- 映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ(2018年)
- セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記(2021年) [注釈 6]
テレビアニメ
編集- プリキュアシリーズ
- Go!プリンセスプリキュア(2015年 - 2016年)全50話中10話執筆
- キラキラ☆プリキュアアラモード(2017年)全49話中6話執筆
- ヒーリングっど♥プリキュア(2020年 - 2021年) シリーズ構成、全45話中19話執筆[注釈 7]
- わんだふるぷりきゅあ!(2024年)
- Gift 〜ギフト〜 eternal rainbow(2006年)
- オオカミ少女と黒王子(2014年)
- B-PROJECT〜鼓動*アンビシャス〜(2016年)
ドラマCD
編集- ちとせげっちゅ!!(2005年 - 2006年)
- 茅島氏の優雅な生活(2006年)
- ネクラートホリック(2007年)
- 特殊戦闘員育成機関 ヒーローアカデミーJ(2008年)
- ジェラールとジャック(2008年)
- 世界一初恋(2008年 - 2010年)
- SUPER LOVERS スーパーラヴァーズ 2(2011年)
- SUPER LOVERS スーパーラヴァーズ 3(2012年)
- 文豪シリーズ 「不良文豪とホスト」(2012年)
- 文豪シリーズ 「文豪の神様」(2012年)
- 烈車戦隊トッキュウジャー オリジナルアルバム サウンドエクスプレス1号車(2014年)
オリジナルビデオ
編集- 蜜×蜜ドロップス(2006年)
- 仮面ライダードライブ シークレット・ミッション type HIGH-SPEED!(タイプ・ハイスピード) ホンモノの力! タイプハイスピード誕生!(2015年)
- 機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー(2022年)
- 暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー(2023年)[注釈 8]
その他
編集- 海賊戦隊ゴーカイジャー ファイナルライブツアー2012(2012年)
- 動物戦隊ジュウオウジャー ファイナルライブツアー2017(2017年)
- B-PROJECT on STAGE「OVER the WAVE!」(2017年)[注釈 9]
- 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー ファイナルライブツアー2019(2019年)
- ヒーリングっど♥プリキュア 感謝祭 オンライン(2021年)
- 機界戦隊ゼンカイジャー スピンオフ ゼンカイレッド大紹介!(2021年) [注釈 10]
- 機界戦隊ゼンカイジャー ファイナルライブツアー2022(2022年)
- ツーカイザー×ゴーカイジャー ~ジューンブライドはたぬき味~(2022年)
- 仮面ライダースーパーライブ2023(2022年)[11]
作詞
編集- 界賊の唄(2021年、マイクスギヤマと共作詩、歌:ツーカイザー /ゾックス・ゴールドツイカー(増子敦貴))
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f 『宇宙船』Vol.152(2016年春号 ホビージャパン)p.64 - 65(香村純子インタビュー)より
- ^ a b c d ジュウオウジャー公式完全読本 2017, pp. 53–55, 「Zyuohger Writer Interview 01 香村純子」
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 「スーパー戦隊制作の裏舞台 香村純子」『スーパー戦隊 Official Mook 21世紀 vol.16 動物戦隊ジュウオウジャー』講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2017年6月24日、32頁。ISBN 978-4-06-509527-0。
- ^ 谷村康弘 編「Catch the Heroes Part 2 〔インタビュー〕宇都宮孝明」『宇宙船』 vol.138、ハイパーホビー〈ホビージャパンMOOK464〉、2012年10月1日、76頁。ISBN 978-4-7986-0477-0。
- ^ 『ハイパーホビー』2011年10月号(徳間書店)より[要ページ番号]
- ^ a b ジュウオウジャー公式完全読本 2017, pp. 56–57, 「Zyuohger Writer Interview 02 荒川稔久」
- ^ a b c ジュウオウジャー公式完全読本 2017, pp. 58–59, 「Zyuohger Writer Interview 03 田中仁」
- ^ a b c 荒川稔久と共作。
- ^ “『仮面ライダーガヴ』脚本は香村純子氏 『ルパパト』以来タッグの杉原輝昭監督「エグいところはエグく描く」”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年8月11日). 2024年8月11日閲覧。
- ^ “「騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー」2月公開”. 映画ナタリー. (2019年12月21日) 2019年12月21日閲覧。
- ^ kamenrider_liveの2022年11月14日のツイート、2022年12月2日閲覧。
参考文献
編集- 『動物戦隊ジュウオウジャー公式完全読本 野性解放』ホビージャパン、2017年6月24日。ISBN 978-4-7986-1472-4。