頑火輝石
頑火輝石(がんかきせき)、エンスタタイト(英: enstatite)は、ケイ酸塩鉱物の一種。マグネシウムを主成分とする斜方輝石[4]。
頑火輝石 enstatite | |
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頑火輝石 | |
分類 | ケイ酸塩鉱物 |
シュツルンツ分類 | 9.DA.05 |
Dana Classification | 65.1.2.1 |
化学式 | Mg2Si2O6 |
結晶系 | 斜方晶系 |
へき開 | 二方向に完全 |
モース硬度 | 5.5 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | 黄緑色、褐色 |
条痕 | 淡灰褐色 |
比重 | 3.2 |
文献 | [1][2][3] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
性質・特徴
編集化学組成は Mg2Si2O6 で、Mg が Fe2+ に置換した斜方輝石が鉄珪輝石(てつけいきせき、ferrosilite、フェロシライト)。頑火輝石(En)と鉄珪輝石(Fs)とは連続固溶体をつくるため、En50Fs50 を境にする。かつては2種間を古銅輝石(こどうきせき、bronzite) - 紫蘇輝石(しそきせき、hypersthene) - 鉄紫蘇輝石(てつしそきせき、ferrohypersthene) - ユーライト(eulite)に分けていたが、現在では使われない。
学名は、ギリシャ語で『対抗する』を意味する"Enstates"にちなむ。融点が高く、約1400 ℃に加熱しないと、溶け始めない[4]。つまり、頑(かたく)なに、火に対抗する。これが鉱物名の由来であり、和名も同様である[4]。
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鉄珪輝石
産出地
編集用途・加工法
編集脚注
編集参考文献
編集- 黒田吉益、諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年、138-140頁。ISBN 4-320-04578-5。
- N. Morimoto (1989). “Nomenclature of pyroxenes”. Mineralogical Journal (The Mineralogical Society of Japan) 14 (5): 198-221. doi:10.2465/minerj.14.198. ISSN 0544-2540 .
- 森本信男「7 輝石族」『造岩鉱物学』東京大学出版会、1989年、110-145頁。ISBN 4-13-062123-8。
- 松原聰『日本の鉱物』学習研究社〈フィールドベスト図鑑〉、2003年、194頁。ISBN 4-05-402013-5。
- 青木正博『鉱物分類図鑑 : 見分けるポイントがわかる』誠文堂新光社、2011年、150頁。ISBN 978-4-416-21104-5。
関連項目
編集外部リンク
編集- Orthopyroxene Subgroup (英語), MinDat.org, 2012年6月16日閲覧。
- 福岡正人. “Pyroxene〔輝石〕グループ”. 地球資源論研究室. 広島大学大学院総合科学研究科. 2012年6月16日閲覧。
- “頑火輝石”. 地質標本館. 産業技術総合研究所地質調査総合センター. 2012年6月16日閲覧。