韓国式自然農法
韓国式自然農法(かんこくしきしぜんのうほう、英語: Korean Natural Farming)は韓国の趙漢珪(ちょうかんけい、チョー・ハンギュ、Cho Han-kyu)が実践している自然農法(有機農業)である。
概要
編集趙漢珪は1935年に韓国京畿道水原に生まれ、地元の高校を卒業後農業に従事し、1965年農業研修生として来日、3年間日本の土着農業について学んだ。特に、幸福会ヤマギシ会の創始者・山岸巳代蔵、祈祷師・柴田欣志[1]、栄養週期理論の提唱者・大井上康の論理や実践から多くを学んだという。[2]
韓国へ帰国して、キムチをはじめとする発酵文化などの先人の知恵を綜合して現代農業に生かせるような「韓国式自然農法」を志した。これは土着微生物を採取・培養し、自家製農業資材を作って応用を目指そうとするものである。 [3]
参考資料
編集- 趙漢珪・農山漁村文化協会『土着微生物を活かす―韓国自然農業の考え方と実際』(農山漁村文化協会、1995)
- 趙漢珪 (監修, 原著), 日韓自然農業交流協会『天恵緑汁のつくり方と使い方―植物発酵エキスで作物に活力を』(農山漁村文化協会、1998)
- 姫野祐子・趙漢珪『はじめよう!自然農業』( 創森社、2010)
- Cho Yongsang「Jadam Organic Farming」(Seoul: ULA、2014)、日本語版:趙英相著、佐藤嘉作監修、朱善花・西山志津子訳『超低コストで前進する有機農業』( ソウル:www.jadam.jp、2017年)
関連項目
編集脚注
編集- ^ 柴田欣志は神奈川県鎌倉市在住の祈祷師。 柴田は、第二次世界大戦終戦直後の混乱期に、「酵素は皇祖に通ずる」と言う理論(単なる語呂合わせ)に基づき、田畑に酵素を入れた肥料(酵素肥料)を施すことで皇祖神の恩恵によって土中の栄養価が高まり、収穫高が増えると考える農法(一種の信仰)を「酵素法」という名称で広めた。 柴田とその支持者(信者)たちは、柴田が長野県での結核療養中に夢のお告げで授かったと称する「柴田酵素」を推奨し、これを用いて「コオソ様」と唱えながら農業を行えば、収穫高が2から10倍増すると喧伝していた。化学の研究者等専門家からは、柴田欣志は「神がかり」と言われて相手にされなかったが、敗戦後の極度の食糧難と社会経済情勢の大混乱を背景に一部の農民からは支持を集め、横浜市のように推進する自治体まであり、一大ブームとなった。しかし、1947年に当時の農林省(現在の農林水産省)が行った馬鈴薯を用いた比較試験の結果によって酵素肥料には効果が全く無いことが明らかとなり、「酵素法」は廃れた。 酵素肥料の効能については今日に至るまで科学的根拠が示されておらず、また、1947年の農林省の試験結果を覆すような酵素肥料の効果を示す実証データすら存在しないため、偽肥料というほかない。
- ^ 姫野祐子・趙漢珪『はじめよう!自然農業』(創森社、2010) p. 28
- ^ Natural Farming: Oriental Herbal Nutrient (ハワイ大学 Sustainable Agriculture, February 2014)