青雲丸
青雲丸(せいうんまる)は、独立行政法人海技教育機構が保有する航海練習船。本項目では、1997年に就航した2代目を取り扱う。
青雲丸 (2代) | |
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横浜港新港ふ頭に接岸中の本船(2009年7月26日) | |
基本情報 | |
船種 | 練習船 |
船籍 | 日本 |
所有者 | 海技教育機構 |
運用者 | 海技教育機構 |
建造所 | 住友重機械工業横須賀造船所[1](第1220番船) |
母港 | 東京港[2] |
航行区域 | 遠洋[1] |
信号符字 | JLLY[1] |
IMO番号 | 9177600[1] |
MMSI番号 | 431103000[3] |
経歴 | |
起工 | 1996年3月6日[1] |
進水 | 1997年3月4日[1] |
竣工 | 1997年9月25日[1] |
就航 | 1997年 |
現況 | 就航中 |
要目 | |
トン数 | 1,767 トン(純トン)[1] |
総トン数 | 5,890 トン(国際)[1] |
載貨重量 | 2,673.00 トン[1] |
排水量 | 6,325.42 トン(満載)[1] |
全長 | 115.997 m[4][1] |
垂線間長 | 105.00 m[4][1] |
幅 | 17.90 m[4] フィン張出時23.008m[1] |
深さ | 10.80/8.30 m(船楼甲板/上甲板)[4][1] |
満載喫水 | 6.30 m[4] |
機関方式 | ディーゼル |
主機関 | 三井-MAN B&W 6L50MC 1基[4][1] |
推進器 | 4翼可変ピッチプロペラ 1軸[4][1] |
最大出力 | 10,500 PS(連続)[4][1] |
最大速力 | 21.0 ノット[4] 20.4ノット[1] |
航海速力 | 19.5 ノット[4][1] |
航続距離 | 15,000海里[4] |
搭載人員 | 252名(職員33名、部員39名、実習生180名)[4][1] |
概要
編集東京海洋大学海洋工学部(旧東京商船大学)、神戸大学海事科学部(旧神戸商船大学)、海技大学校、商船高等専門学校、海上技術短期大学校及び海上技術学校の学生・生徒の航海実習訓練を目的として建造された航海練習船である。青雲丸 (初代)の代船として住友重機械工業横須賀造船所で建造され、1997年3月4日に進水、1997年9月25日に竣工した。進水式には皇太子徳仁親王、皇太子徳仁親王妃雅子の行啓を仰いだ。船名板の船名「青雲丸」の文字は、当時の運輸大臣であった亀井善之揮毫による[1]。
略歴
編集特徴
編集大きさ、使われ方等、本船の後に建造された銀河丸に近い[要出典]。 船橋は2層構造で航海船橋の真下に実習船橋を設けている[5]。 船体中央に第一教室(180名収容の階段教室)と第二教室(88名収容と蔵書約6000冊の書庫)を設けるため、機関室をセミアフトに配置している[5]。 毎年夏期に75日程度の日数で実施する世界一周航海を余裕を持って行うため、航海速力19ノット以上を誇る高速船になっている[5]。
事件
編集2017年7月、青雲丸の実習生3人が自殺、自殺未遂、失踪したことを、8月30日海技教育機構が発表した[6]。3人は海技大学校2年の男子生徒で、7月から青雲丸に乗船、約3カ月間の訓練中予定であった[6]。
- 7月13日、19歳の生徒Aが停泊中の青雲丸から海に飛び込んだ。陸にたどり着いたAは助かったが、教員に「船に乗るのが嫌になった。船員の仕事が不安になった」と話し、自殺を図ったことを明かした[6]。
- 7月21日、20歳の生徒Bは、実習継続の悩みを教官に打ち明けて下船、帰省した。7月24日、Bと保護者から船へ戻る旨の連絡があったが、Bは7月28日名古屋市で自殺した[6]。
- 7月30日、21歳の生徒Cは、「船の道に進みたくない。失踪する」と保護者らにメールし、上陸中の自由時間に失踪、行方不明となった[6]。
同機構は、いじめやパワハラは確認されていないとしながらも、同じ船で事件が相次いだことを重くみており、第三者委員会を設置し、背景の調査を行った。また、国土交通省も対策本部を設置した[6]。
2017年10月、行方不明だった生徒Cが、10月4日に自宅に戻ったことを同機構が発表した。健康状態に問題はなく、第三者委員会が今後Cから聞き取り調査を行い、2017年中に調査報告書をまとめる方針を示した[7]。
ギャラリー
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海技教育機構の練習船 青雲丸の後ろ姿 横浜港・大さん橋にて
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海技教育機構の練習船 青雲丸を前から横浜港・大さん橋にて
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海技教育機構の練習船 青雲丸の煙突 横浜港・大さん橋にて
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海技教育機構の練習船 青雲丸の夜の様子 横浜港・新港ふ頭にて
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海技教育機構の練習船 青雲丸 曇りの横浜港・新港ふ頭にて
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海技教育機構の練習船 青雲丸を横から 横浜港・新港ふ頭にて
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x “青雲丸の概要”. 海技教育機構. 2017年5月10日閲覧。
- ^ 後方からの写真より
- ^ “海上移動業務において使用される番号順の局の識別信号の表 有効期限:平成26年12月31日”. 総務省. 2017年5月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 矢吹、倉持(1998,p263)
- ^ a b c “練習船・青雲丸 Seiun Maru”. 艦艇と船艇の写真館. 2012年3月2日閲覧。
- ^ a b c d e f 同一船で自殺・未遂相次ぐ=第三者委が背景調査-海技教育機構 - 時事通信(2017年8月30日、2017年10月13日閲覧)
- ^ 下船後不明の練習船実習生、自宅に戻っていた - 読売オンライン(2017年10月13日、2017年10月13日閲覧)
参考文献
編集- 矢吹英雄、倉持貴好「航海訓練所練習船「青雲丸」の概要」『日本造船学会誌』第826号、日本船舶海洋工学会、1998年4月、262-267頁、NAID 110003868470、2017年1月9日閲覧。