青春の光と影
「青春の光と影」(原題: Both Sides, Now)は、ジョニ・ミッチェルが作詞作曲した楽曲。ジュディ・コリンズによって最初にレコーディングされ、以後多くのミュージシャンにカバーされた。
「青春の光と影」 | ||||||||
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ジュディ・コリンズ の シングル | ||||||||
初出アルバム『Wildflowers』 | ||||||||
B面 | Who Knows Where the Time Goes? | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチ・シングル | |||||||
録音 | ニューヨーク(1967年) | |||||||
ジャンル | フォークロック | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | エレクトラ・レコード | |||||||
作詞・作曲 | ジョニ・ミッチェル | |||||||
プロデュース | マーク・アブラムソン、デヴィッド・アンダール[1] | |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
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ジュディ・コリンズ シングル 年表 | ||||||||
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「青春の光と影」 | |||||||||||||
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ジョニ・ミッチェルの楽曲 | |||||||||||||
収録アルバム | 『青春の光と影』 | ||||||||||||
リリース | 1969年5月[2] | ||||||||||||
録音 | ロサンゼルス、A&Mスタジオ | ||||||||||||
ジャンル | フォークロック | ||||||||||||
時間 | 4分32秒 | ||||||||||||
レーベル | リプリーズ・レコード | ||||||||||||
作詞者 | ジョニ・ミッチェル | ||||||||||||
作曲者 | ジョニ・ミッチェル | ||||||||||||
プロデュース | ジョニ・ミッチェル[2] | ||||||||||||
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ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では171位にランクされている[3]。
概要
編集1967年3月、ミッチェルは飛行機の中で「青春の光と影」を書き上げた。「I've looked at clouds from both sides now」という歌詞はソール・ベローの小説『雨の王ヘンダソン(Henderson the Rain King)』から来ている。彼女は次のように述べている[4][5]。
私は飛行機でソール・ベローの『雨の王ヘンダソン』を読んでいた。本の初めで雨の王ヘンダソンもちょうど飛行機に乗っていた。彼はアフリカに向かう途中で、下に広がる雲を眺めていた。私は本を置き、同じように窓の外の雲を見た。それからすぐさま曲を書き始めたの。その時にはこの曲が有名になるなんて全く分からなかった。
1967年10月発売のジュディ・コリンズのアルバム『Wildflowers』に初めて収録された。その1年後の1968年10月にシングルカットされ、コリンズのバージョンは12月21日付のビルボード・Hot 100で8位を記録した[6]。ビルボードのイージーリスニング・チャートで3位、カナダRPMチャートで6位、イギリスで14位を記録した。B面はサンディ・デニーが書いた「時の流れを誰が知る」。
文化放送『ユア・ヒット・パレード』では1969年度の年間1位[7]を記録。
彼女のバージョンは1969年2月公開のアメリカ映画『Changes』(邦題:青春の光と影)に使用された[8]。
ミッチェル本人が歌ったものは1969年5月1日発売のアルバム『青春の光と影( Clouds )』に収められている[9]。1974年発売のライブ・アルバム『マイルズ・オブ・アイルズ』にライブ・バージョンが、2000年発売のアルバム『ある愛の考察~青春の光と影(Both Sides Now)』に再録音バージョンが収録されている。また、1974年4月22日にロンドンのニュー・ヴィクトリア・シアターで演奏したときの映像がBBCの番組『The Old Grey Whistle Test』で放映された[10]。
その他のカバー・バージョン
編集- 1968年
- ハーパース・ビザール - シングル。
- アン・マレー - 『What About Me』に収録。
- クロディーヌ・ロンジェ - 『Colours』に収録[11]。
- フランク・シナトラ - 『Cycles』に収録。
- ディオン - 『Dion』に収録。
- オズモンド・ブラザーズ - 『The Wonderful World of The Osmond Brothers』に収録。
- レナード・ニモイ - 『The Way I Feel』に収録。
- ロバート・グーレ - 『Both Sides Now』に収録。
- デイヴィ・グレアム - 『Large as Life and Twice as Natural』に収録。
- 1969年
- ナナ・ムスクーリ - 『Dans Le Soleil Et Dans Le Vent』にフランス語バージョン「Je N'ai Rien Appris」を収録[12]。
- ビング・クロスビー - 『Hey Jude/Hey Bing!』に収録。
- ジミー・ロジャース - 『The Windmills of Your Mind』に収録。
- ニール・ダイアモンド - 『Touching You, Touching Me』に収録。
- オリヴァー - 『Good Morning Starshine』に収録。
- スキータ・デイヴィス - 『"maryfrances"』に収録[13]。
- ガボール・ザボ - 『1969』に収録。
- 1970年
- シラ・ブラック - 『Sweet Inspiration』に収録。
- マリー・ラフォレ - 『Marie Laforêt Vol. VII』にフランス語バージョン「Je N'ai Rien Appris」を収録[14]。
- グレン・キャンベル - 『Try a Little Kindness』に収録。
- ウィリー・ネルソン - 『Both Sides Now』に収録。
- ヒュー・マセケラ - 『Reconstruction』に収録。
- スタン・ゲッツ - 『Marrakesh Express』に収録。
- ディジー・ガレスピー - 『Cornucopia』に収録。
- 1971年以降
- ザ・タイガース-『フィナーレ』(1971年)に収録。
- トム・クレイ - 『What the World Needs Now Is Love』(1971年)に収録[15]。
- クレオ・レーン - 『Feel the Warm』(1972年)に収録。
- 井口典子&ヤング101 - 『ステージ101/赤い屋根の家』(1972年)に収録。
- カーチャ・エプシュタイン - 『Katja』(1973年)にドイツ語バージョン「Beide Seiten」を収録[16]。
- ジム・ネイバース - 『The Twelfth of Never』(1973年)に収録。
- フェアポート・コンヴェンション - 『Moat on the Ledge: Live at Broughton Castle, August '81』(1982年)に収録。
- ホール - 『Pretty on the Inside』(1991年)に収録。
- 原田知世 - 『カコ』(1994年)に収録。
- b-flower - 『Clover Chronicles I』(1994年)に収録。
- ダイアン・リーヴス - 『Quiet After the Storm』(1994年)に収録。
- アン・サリー - 『Voyage』(2001年)に収録。
- 村上ゆき - 『Both sides, now〜青春の光と影』(2004年)に収録[17]。
- メリー・ホプキン - 『Live at Royal Festival Hall 1972』(2005年)に収録。録音は1972年[18]。
- ドリー・パートン - 『Those Were the Days』(2005年)に収録。ロンダ・ヴィンセント、ジュディ・コリンズと共に歌っている。
- ヘイリー・ウェステンラ - 『Odyssey』(2005年)に収録。
- ハービー・ハンコック - 『リヴァー〜ジョニ・ミッチェルへのオマージュ』(2007年)に収録。
- ポール・アンカ - 『Classic Songs, My Way』(2007年)に収録。
- ジョン・バロウマン - 『Music Music Music』(2008年)に収録。
- ティナ・アリーナ - 『Songs of Love & Loss 2』(2008年)に収録。
- レイチェル・ヤマガタ - コンピレーション・アルバム『The Village: A Celebration of the Music of Greenwich Village』(2009年)に収録。
- 早川えみ - 『Twilight in Jazz』(2009年)に収録。
- やもり - 『あなたと歌おう』(2010年)に収録。
- カーリー・レイ・ジェプセン - 「コール・ミー・メイビー」(2011年)に収録。
- スーザン・ボイル - 『誰かが私を見つめている』(2011年)に収録。
- メラニー・チズム - 『Stages』(2012年)に収録。
- 羊毛とおはな - 『LIVE IN LIVING '13』(2013年)に収録。
- エミリア・ジョーンズ -『コーダ あいのうた』オリジナル・サウンドトラック(2021年)に収録。
- 原田知世 - 『恋愛小説4 〜音楽飛行』(2023年)に収録。
脚注
編集- ^ a b 45cat - Judy Collins - Both Sides Now / Who Knows Where The Time Goes - Elektra - USA - EK-45639
- ^ a b Joni Mitchell - Clouds
- ^ Joni Mitchell, 'Both Sides Now' | 500 Greatest Songs of All Time | Rolling Stone
- ^ Hilburn, Robert (December 8, 1996). “Both Sides, Later”. Los Angeles Times August 10, 2017閲覧。
- ^ Bellow, Saul (1985). Henderson the Rain King. Penguin Books. p. 280. ISBN 0-14-007269-1 . "We are the first generation to see the clouds from both sides." .. more likely "And I dreamed down at the clouds, and thought that when I was a kid I had dreamed up at them, and having dreamed at the clouds from both sides as no other generation of men has done, one should be able to accept his death very easily." Chapter 5 para 7.
- ^ Music: Top 100 Songs | Billboard Hot 100 Chart | THE WEEK OF DECEMBER 21, 1968
- ^ 小藤武門『S盤アワーわが青春のポップス』アドパックセンター、1982年、95頁。ISBN 4-900378-02-X。
- ^ Changes - IMDb
- ^ Joni Mitchell / ジョニ・ミッチェル「CLOUDS / 青春の光と影」|ワーナーミュージック・ジャパン
- ^ Joni Mitchell - A Chronology of Appearances - 1974.04.22 New Victoria Theatre London, England
- ^ Claudine Longet - Colours (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Nana Mouskouri - Dans Le Soleil Et Dans Le Vent (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Skeeter Davis - "maryfrances" (Vinyl, LP) at Discogs
- ^ Marie Laforêt - Marie Laforêt Vol. VII (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Tom Clay - What The World Needs Now Is Love (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Katja Ebstein - Katja (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Both sides,now〜青春の光と影 | MURAKAMI YUKI 村上ゆき
- ^ Mary Hopkin - Live At Royal Festival Hall 1972 (CD, Album) at Discogs