電動ポンプサイクル(でんどうポンプサイクル、: electric pump-fed cycle)は二液推進系ロケットエンジンの動作サイクルの1つである。燃料と酸化剤をそれぞれ専用の電動ポンプで0.2 - 0.3MPaから10 - 20MPaに昇圧して燃焼室に送り込むものである。ポンプを駆動する電動機電池直流電圧インバータ交流電圧に変換して駆動する[1]。一般的にはインバータとブラシレスDCモーターを組み合わせて用いる。この場合、駆動波形は正弦波に限らず双方向に電流が流れる波形が用いられる[2]

電動ポンプサイクルの概略図。酸化剤と燃料はポンプに供給され、昇圧されて燃焼室に送られる。ポンプの動力はバッテリーからの電力であり、バッテリーの直流電圧をインバータで所要の交流に変換して供給する。燃料は熱交換器を通って燃焼室およびノズルを冷却したあと燃焼室に送り込まれて燃焼する。

用途

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電動ポンプサイクルを採用した液体燃料ロケットエンジンには、以下のものがある。

また、電動ポンプサイクルエンジンを使用するロケットには、以下のものがある。

脚注

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  1. ^ Rachov, Pablo; Tacca, Hernán; Lentini, Diego (2013). “Electric Feed Systems for Liquid-Propellant Rockets",”. Journal of Propulsion and Power (AIAA) 29 (5): 1171–1180. doi:10.2514/1.B34714. https://www.aacademica.org/hernan.emilio.tacca/9.pdf 2016年9月16日閲覧。. 
  2. ^ a b c Propulsion”. Rocket Lab. 2016年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月19日閲覧。

関連項目

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