雷獣目
雷獣目(らいじゅうもく、Astrapotheria)ないし輝獣目は哺乳類の絶滅した目の一つ。新生代暁新世後期から中新世中期にかけて、南アメリカに分布していた。アストラポテリウム科Astrapotheriidae、 トリゴノスティロプス科Trigonostylopidae、エオアストラポスティロプス科Eoastrapostylopidaeの3科を属せしむ。
雷獣目 Astrapotheria | |||||||||||||||||||||||||||
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アストラポテリウム
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地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||
暁新世 - 中新世 | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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名称
編集「雷獣」ことAstrapotheriaという火獣目をも思わせるユーモラスな目名は、アストラポテリウムを発見したヘルマン・ブルメイステル(de:Hermann Burmeister)による命名である。これは復元されたアストラポテリウムの威容が、雷のごとく咆哮する姿をイメージさせたためである。
生態
編集雷獣目は午蹄中目の中の一群であり、南アメリカ大陸で独自に進化をとげた哺乳類と考えられており、他の動物との系統関係は明らかになっていない。
代表的な種であるアストラポテリウムでは、体長2.5mから3m、体高1.4m、体重約1tに達する。草食であり、姿や生態はカバやバクに類似していたと考えられている。上顎に湾曲した牙状の犬歯があり、長く伸びている。また、鼻部の骨格形状がゾウに類似していることから、30cm程度の伸びた鼻が復元されることも多い。[1] ヒラルコテリウム・ミヨウ (Hilarcotherium miyou)は特に大型であり、体重が6.5t 弱とアフリカゾウに匹敵する体躯に達したと考えられる。[2]
ギャラリー
編集骨格
編集想像図
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アストラポテリウム
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アストラポテリウム
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アストラポテリウム
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アストラポテリウムの頭部 (ロバート・ブルース・ホースフォール)
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大型種グラナストラポテリウム
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大型種パラストラポテリウム
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トリゴノスティロップス
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トリゴノスティロップス
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トリゴノスティロップス
脚注
編集- ^ 今泉忠明『絶滅巨大獣の百科』(データハウス 1995年)
- ^ Carillo Sánchez, Juan David. 2018. Systematics of the South American Native Ungulates and the Neogene Evolution of Mammals from Northern South America (PhD thesis), 1–285. チューリッヒ大学. Accessed 2018-11-24.