雨に唄えば』(あめにうたえば、原題:Singin' in the Rain)は、アーサー・フリード作詞、ナシオ・ハーブ・ブラウン英語版作曲によるアメリカ合衆国ポピュラーソング[1]

雨に唄えば
楽曲
英語名Singin' in the Rain
リリース1929年 (1929)
作詞者アーサー・フリード
作曲者ナシオ・ハーブ・ブラウン
言語英語
1952年の同名映画でのジーン・ケリー歌唱シーン

1929年公開の映画『ハリウッド・レヴィユー』で紹介されて以降、1952年同名映画を筆頭に多くのアーティストによって歌われている。

解説

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製作背景・リリース

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本曲の初公開時期は不明瞭である。現在ではリリースや著作権登録が行われた1929年の楽曲と扱われているが、元々は1928年1927年とも[2])にブロードウェイハリウッド・ミュージック・ボックス・シアター英語版で開催されたステージ『ハリウッド・ミュージック・ボックス・レビュー英語版』の演目のために作られ発表されたといい、同レビューの出演者だったダンサーのドリス・イートン・トラヴィス英語版と8人の男性による合唱で初めて歌われたとされる[1][3]

1929年、映画『ハリウッド・レヴィユー』で本曲が使われ初リリースされた。この映画ではクリフ・エドワーズが歌い、発売されたレコードはポップチャートで3週1位を記録。楽譜の売り上げも良く、以来、本曲はスタンダード・ナンバーとなり多くのアーティストにカバーされた[1][4]

映画

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1952年、作詞したアーサー・フリードの提案から、この曲を翻案し主題歌ともなった同名のミュージカル映画が公開された[2]。雨の中で本曲を歌い踊るジーン・ケリーのパフォーマンスは映画史に残る名場面となり、AFIアメリカ映画で使われた曲から選んだベスト100曲のリスト『アメリカ映画主題歌ベスト100』では3位を獲得した[5]。そのため、本曲は同作のために書かれたと間違われることもある。

作詞者フリードが後にMGMミュージカル映画の名プロデューサーとして名をはせたこともあり、アンソロジー映画ザッツ・エンターテインメント』冒頭でこの曲が紹介されるなど、同社のミュージカル作品を象徴する曲としても知られる[1]

その他

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この曲は32小節のコーラスの前に歌詞があり、当時一般的だった内部ブリッジが含まれているのではなく、曲を開始からブリッジのコーラスが繰り返される前に24小節の歌詞が続くという、当時としては珍しい形態をしている。

日本百貨店などでは、外でが降り出したことを店内に知らせるためのBGMとして用いられている場合がある[6]

主なカバー

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その他
  • カート・ブラウニング - フィギュアスケートの演目として、ブラウニングの作品を代表するのがこの曲である。

リミックス版

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2005年8月、ミント・ロワイヤルによるリミックス版がシングルとしてリリースされ[15]全英シングルチャートで最高位20位を記録した[16]

2008年、公開オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』にて、当時無名のダンサーだったジョージ・サンプソン英語版にて本曲を使用したため、同年には英国のiTunesトップ100で1位になった。また、同年6月1日には全英シングルチャートに28位と再浮上し[17]、翌週には1位を記録[18]。45,987部を売り上げた。

チャート (2005年) 最高位
UK シングルス (OCC)[16] 20
チャート (2008年) 最高位
UK シングルス (OCC)[18] 1
アイルランド (IRMA)[19] 3

主な使用作品

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※初期のMGM製作のミュージカル映画には多く使用されている。1952年の同名映画は除外。

脚注

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  1. ^ a b c d Tony, Sarabia (2000年7月16日). “'Singin' in the Rain'”. NPR 100. NPR Music. National Public Radio. 2022年5月12日閲覧。
  2. ^ a b Brian, Eggert (December 3, 2017). “Singin’ in the Rain”. Deep Focus Review. 2022年5月12日閲覧。
  3. ^ Travis, Doris Eaton (2003). The Days We Danced. Marquand Books. ISBN 0-8061-9950-4. https://archive.org/details/dayswedancedstor00trav 
  4. ^ Doris Eaton Travis, Among the Last of the Ziegfeld Girls, Dead at 106”. Playbill. Playbill.com (May 11, 2010). 2010年5月12日閲覧。
  5. ^ AFI's 100 Years...100 Songs”. American Film Institute. 2016年7月17日閲覧。
  6. ^ <ニュースレター5月号>日本橋髙島屋S.Cで過ごす雨の日の一日”. PR TIMES (2019年5月23日). 2022年5月12日閲覧。
  7. ^ Electric recordings I (1926-1934) - Discography of Francisco Canaro”. sites.google.com. 2020年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月12日閲覧。
  8. ^ “榎本健一/甦るエノケン・榎本健一大全集”. 紀伊國屋書店ウェブストア. https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-10-4988006034259 2022年5月18日閲覧。 
  9. ^ A Bing Crosby Discography”. BING magazine. International Club Crosby. December 9, 2017閲覧。
  10. ^ Leif Garrett, Same Goes for You”. Discogs. December 16, 2016閲覧。
  11. ^ Charts.de: Taco (Singles)”. charts.de. 2011年3月29日閲覧。[リンク切れ]
  12. ^ Prom 22: A Celebration of Classic MGM Musicals, John Wilson Orchestra, Royal Albert Hall, London”. The Independent (October 23, 2011). 2022年5月12日閲覧。
  13. ^ “山崎育三郎、「ミラーボール」をテーマにしたカバー・アルバム『MIRROR BALL'19』7月3日発売”. タワーレコード. (2019年5月29日). https://tower.jp/article/feature_item/2019/05/20/0704 2022年5月12日閲覧。 
  14. ^ “ダイアナ・クラール 3年ぶりのアルバム『This Dream of You』 故トミー・リピューマとの最後の録音を収録した未公開音源集”. HMV&BOOKS online. (2020年9月28日). https://www.hmv.co.jp/news/article/2008171030/ 2022年5月18日閲覧。 
  15. ^ “That's me singin' in the rain”. (March 4, 2005). http://news.bbc.co.uk/1/hi/magazine/4312217.stm 
  16. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2022年5月25日閲覧。
  17. ^ Official Singles Chart Top 100 (01 June 2008 - 07 June 2008)”. UK Singles Chart. 2022年5月25日閲覧。
  18. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2022年5月25日閲覧。
  19. ^ The Irish Charts – Search Results – Singin' In The Rain”. Irish Singles Chart. 2022年5月25日閲覧。
  20. ^ a b c d e Hess, Earl J.; Dabholkar, Pratibha A. (2009). Singin' in the Rain: The Making of an American Masterpiece. Lawrence, Kansas: University Press of Kansas. p. 124. ISBN 978-0-7006-1656-5. https://archive.org/details/isbn_9780700616565/page/124