開戦事由
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開戦事由(かいせんじゆう)とは、戦争行動の正当化の理由を意味する国際法上の用語。
由来
編集由来はラテン語の casus belli であり、casus は「出来事」、belli は「戦争の」という意味である。
区別
編集この言葉は普通、条約該当事由とは区別される。
開戦事由は相手国に対しての直接的な攻撃、または脅迫を行うときに用いられるが、条約該当事由は同盟国(集団安全保障または集団的自衛権条約に加盟している国)への攻撃、または脅迫に対する報復措置を行うときに用いられる[1][2] 。
用法
編集この用語は17、18世紀の政治論の勃興期にグロティウス、ビュルラマキや他の人物によって書かれた開戦法規 (jus ad bellum) に関する本によって一般的となった[3][4] 。
政府が形の上で戦争を行うことになった理由を作り出して、戦争を行うことこそが最後の手段 (ultima ratio) であり、実際にそうする「正当な理由」を有していると主張するという、「正当な理由」という狭義を超えて、国家が紛争を起こしたい広義な解釈をされる事もある。
また、正式に宣戦布告していない時の状況を後に記述する際に、その語が広く使われる前の出来事であっても遡及して使われる。
合法
編集現在、国際法で合法とされている開戦事由は正当な自衛行為、相互安全保障条約を結ぶ国の防衛、国際連合憲章第7章第42条による軍事的制裁の3つである。
関連項目
編集参考文献
編集- ^ Bynkershoek, Cornelius van (2007). A Treatise on the Law of War. Lawbook Exchange. ISBN 1584775661
- ^ Bynkershoek, Cornelius van (1995). On Questions of Public Law. William S. Hein & Company. ISBN 1575882582
- ^ Russell, Frederick H. (1997). The Just War in the Middle Ages. Cambridge University Press. ISBN 052129276X
- ^ Childress, James F. (1978). “Just-War Theories: The Bases, Interrelations, Priorities, and Functions of Their Criteria”. Theological Studies 39: 427–45.