異常感覚
(錯感覚から転送)
異常感覚(いじょうかんかく、パレステジア[4]、英: Paresthesia)とは、ピリピリ、チクチク、ヒリヒリ、痺れ、などの異常な感覚がある状態のことである[2]。 あまり一般的ではないが、冷たい感覚や皮膚上を這うような感覚と表現される場合もある[5]。体のどの部分にでも起こるが、最も一般的なのは腕や脚である[2]。一過性の場合と慢性の場合がある[2]。
異常感覚 | |
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別称 | 感覚異常、知覚異常、パレステジア[1]、錯感覚 |
発音 | [ˌpærɪsˈθiːziə, -ʒə] |
概要 | |
診療科 | 神経学 |
症状 | ピリピリ、チクチク、ヒリヒリ、痺れ[2] |
原因 | 神経圧迫、手根管症候群、脳卒中、多発性硬化症、横断性脊髄炎、腫瘍、ビタミンB12欠乏症、鉛中毒、糖尿病、ギランバレー症候群、脳炎[2][3] |
治療 | 原因によって異なる[2] |
頻度 | 一般的[2] |
分類および外部参照情報 |
語源と定義
編集英語の"Paresthesia"はギリシャ語の「そば」を意味する「para」と「感覚」を意味する"aesthesis"に由来する[5]。口語的には英語圏ではピンと針(英: pins and needles)と表現される[6]。これらの感覚は皮膚に触れずに起こる[5]。錯感覚(dysthesia)にも似た意味があるが、触れられて異常な感覚が生じた場合のみに使用される[7]。なお、書籍や辞書によっては異常感覚をdysthesia、錯感覚をparesthesiaとしていたり、訳語の関係が一定しておらず、触れたときに異常を感じるかどうかにおいても一定していない[8]。その結果、神経学用語集改訂第3版においては、異常感覚・錯感覚とparesthesia/dysthesiaを対応させていない[8]。
原因と診断
短時間の場合の一般的な原因は神経の圧迫によるものである[2]。長期間の場合は、手根管症候群、脳卒中、多発性硬化症、横断性脊髄炎、腫瘍、ビタミンB12欠乏症、鉛中毒、糖尿病、ギラン・バレー症候群、脳炎によって生じることがある[3]。診断は、症状と診察とさらなる検査による[2]。
治療
治療は、根本にある原因によって異なる[2]。重症度を緩和するための取り組みには、カプサイシンクリーム、カルバマゼピン、ガバペンチンなどが用いられる[9]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 日本医学会医学用語辞典
- ^ a b c d e f g h i j “Paresthesia Information Page”. National Institutes of Health. National Institute of Neurological Disorders and Stroke (14 June 2018). 2020年時点のオリジナルよりアーカイブ。3 October 2018閲覧。
- ^ a b FACP, Fred F. Ferri, MD (2011) (英語). Ferri's Differential Diagnosis: A Practical Guide to the Differential Diagnosis of Symptoms, Signs, and Clinical Disorders. Elsevier Health Sciences. p. 374. ISBN 978-0-323-07699-9. オリジナルの2021-08-28時点におけるアーカイブ。 2020年12月2日閲覧。
- ^ “国際疼痛学会 痛み用語 2011年版リスト(日本ペインクリニック学会用語委員会翻訳)”. 日本ペインクリニック学会. p. 7. 2024-07^15閲覧。
- ^ a b c Loring, David W.; Bowden, Stephen (2015) (英語). INS Dictionary of Neuropsychology and Clinical Neurosciences. Oxford University Press. p. 279. ISBN 978-0-19-536645-7. オリジナルの2021-08-28時点におけるアーカイブ。 2020年12月2日閲覧。
- ^ ““pins and needles”はどんな症状のこと?”. 日経メディカル. 2024年7月15日閲覧。
- ^ Larner, A. J. (2006) (英語). A Dictionary of Neurological Signs. Springer Science & Business Media. p. 101. ISBN 978-0-387-26214-7. オリジナルの2021-08-29時点におけるアーカイブ。 2020年12月2日閲覧。
- ^ a b 「1 しびれ感の意味と意義」『しびれが診える−エキスパートのアプローチ』(PDF)中外医学社、978-4-498-32850-1 。2024年11月21日閲覧。
- ^ Braddom, Randall L. (2010) (英語). Physical Medicine and Rehabilitation E-Book. Elsevier Health Sciences. p. 1092. ISBN 978-1-4377-3563-5. オリジナルの2021-08-28時点におけるアーカイブ。 2020年12月2日閲覧。