鈴木 浩(すずき ひろし、1945年昭和20年)8月27日 - 2023年令和5年)6月11日)は、日本の牧師神学者日本福音ルーテル教会の牧師と、ルーテル学院大学及び日本ルーテル神学校の教授を務めた。専門は歴史神学組織神学教義学)。

経歴

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1945年、静岡県に漁師の子として生まれる[1]。母教会は焼津教会[2]。日本ルーテル神学大学(現在のルーテル学院大学)、および日本ルーテル神学校を卒業し、1981年に牧師として按手される[3]。牧師としては日本福音ルーテル教団の大岡山教会(東京)、諏訪教会(長野)、名古屋教会(愛知)などで牧会した[4]

1989年から1993年にかけてルーサー・ノースウェスタン神学校(米国・ミネソタ州)に留学し、古代の教父アウグスティヌス原罪論に関する研究で博士号(神学)を取得。論文題目はThe Doctrine of Original Sin: Its Historical Essentials and Doctrinal Essenceで、指導教授はカール・ヴォルツであった。

当初は新約学に関心があったが、ヤロスラフ・ペリカンルーテル派)の『キリスト教の伝統』に出会ったことで教会史を専門とするようになった[5]。本書全5巻はのちに鈴木の個人訳として教文館から出版されている。このほかにも、英語圏で定評のあるメイエンドルフ正教会)やゴンサレスメソジスト)、マクグラス聖公会)らさまざまな教派の著作も翻訳しており、日本におけるキリスト教神学の知識の普及に寄与した。

1997年、ルーテル学院大学に専任教員として着任し、以後は大学と日本ルーテル神学校で教鞭をとる他、附属のルター研究所の所長も長く務めた[4]。2016年1月の最終講義には大学・教会関係者のみならず、公開講座を通じて「鈴木ファン」となった一般市民をふくむ130名を超える人たちがつめかけた[6]。同大学名誉教授になる[7]

2016年10月にスウェーデンルンドルーテル教会ローマ・カトリック教会の合同で行われた宗教改革500周年記念礼拝(前年行事)[注釈 1]には、日本のルーテル教会を代表して出席している[8]。また、2018年に刊行された『聖書協会共同訳 聖書』では、日本福音ルーテル教会を代表して編集委員を務めるなど、西方教会の伝統に対する深い学識をもとに、エキュメニカルな活動にも精力的に取り組んだ[9]

2023年6月11日、逝去。77歳[10]。6月19日にルーテル学院大学チャペルにて葬儀が行われた[注釈 2][11]

著書・訳書等

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著書

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訳書

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メディア出演

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脚注

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注釈

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  1. ^ 2017年の宗教改革500周年の準備イベントとして、その前年の2016年10月にルーテル教会とカトリック教会の「合同の祈り」がもたれた。司式はルーテル世界連盟ムニブ・ユナン議長と、カトリックの教皇フランシスコが共同で行った。
  2. ^ 葬儀の司式は教え子の高村敏浩、説教は神学校同期の高井保雄、友人代表として江藤直純が挨拶をした。

出典

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  1. ^ 鈴木浩先生「焼いた魚を食べるイエス」(2016年4月7日).日本福音ルーテル健軍教会HP。2022年6月24日閲覧。
  2. ^ 『宣教100周年記念誌 エルピス』(日本福音ルーテルなごや希望教会、2015年)、p.19。
  3. ^ JELC教職按手・認定者一覧 日本福音ルーテル教会HP. 2022年6月24日閲覧。
  4. ^ a b 訳者略歴、J・ペリカン『キリスト教の伝統―教理発展の歴史』第1巻(教文館, 2006年)
  5. ^ Suzuki, Hiroshi Augustine, acknowledgments, The Doctrine of Original Sin: Its Historical Essentials, Luther Northwestern Theological Seminary, St. Paul, MN, 1993, vii-viii.
  6. ^ 鈴木浩先生 最終講義及び懇親会. Motoo's Blog(石居基夫(ルーテル学院大学学長)の個人ブログ).2022年6月24日閲覧。
  7. ^ 学部教員一覧(ルーテル学院大学HP). 2022年6月24日閲覧。
  8. ^ ルター新聞68号(ルーテル学院大学(日本ルーテル神学校)ルター研究所ニュース、2017年4月)、p.6。
  9. ^ 「聖書 聖書協会共同訳について」(日本聖書協会、2018年12月)
  10. ^ 【訃報】鈴木浩さん(ルーテル学院大学名誉教授).キリスト新聞HP(2023年6月15日).2023年6月27日閲覧。
  11. ^ 鈴木浩先生のご葬儀について(2023年6月14日)(日本福音ルーテル三鷹教会HP).2023年6月27日閲覧。