重田園江
重田 園江(おもだ そのえ、1968年2月22日[1] - )は、日本の政治学者。明治大学政治経済学部教授。専門は現代思想、政治思想史、社会思想史、ミシェル・フーコー研究。アナキスト[2]。
人物
編集兵庫県西宮市生まれ。名古屋市立神丘中学校、愛知県立明和高等学校[3]を経て、1990年3月早稲田大学政治経済学部政治学科卒業[4]。藤原保信門下。
1990年4月、女性初の総合職(幹部候補)として日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)へ入行。しかしサラリーマン生活は性に合わず1年で退職。
浪人を経て1992年4月、東京大学大学院総合文化研究科相関社会科学専攻修士課程に入学[3]。1994年同課程を修了し、修士(学術)の学位を取得[4]。博士課程に進み、1997年3月に同研究科国際社会科学専攻博士後期課程を単位取得満期退学。 1997年から1999年、日本学術振興会特別研究員[3]。1999年4月明治大学政治経済学部の専任講師に就任[3]。2003年同助教授(2007年、改組に伴い准教授)を経て、2011年4月[3]から現職。 この間、2005年から2007年までイギリス・ケンブリッジ大学客員研究員。現在(2023年度時点)、明治大学政治経済学部・政治学科長[5]。
2011年、『連帯の哲学 I』で第28回渋沢・クローデル賞受賞。 2022年5月から、朝日新聞の「政治季評」(年4回)を執筆している。
著書
編集単著
編集- 『フーコーの穴:統計学と統治の現在』(木鐸社、2003年)ISBN 978-4-8332-2337-9
- 『連帯の哲学Ⅰ:フランス社会連帯主義』(勁草書房、2010年)ISBN 978-4-326-35154-1
- 『ミシェル・フーコー:近代を裏から読む』(ちくま新書、2011年)ISBN 978-4-480-06627-5
- 『社会契約論:ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ』(ちくま新書、2013年)ISBN 978-4-480-06742-5
- 『統治の抗争史:フーコー講義1978-79』(勁草書房、2018年)ISBN 978-4-326-30271-0
- 『隔たりと政治:統治と連帯の思想』(青土社、2018年)ISBN 978-4-7917-7117-2
- 『フーコーの風向き:近代国家の系譜学』(青土社、2020年)ISBN 978-4-7917-7303-9
- 『ホモ・エコノミクス:「利己的人間」の思想史』(ちくま新書、2022年)ISBN 978-4-480-07464-5
- 『真理の語り手:アーレントとウクライナ戦争』(白水社、2022年)ISBN 978-4-560-09475-4
訳書
編集- イアン・ハッキング『偶然を飼いならす:統計学と第二次科学革命』石原英樹共訳(木鐸社 1999年)ISBN 978-4-8332-2274-7
論文
編集- 「リスクを細分化する社会」『現代思想』28巻1号(2000年)
- 「正しく測るとはどういうことか?」『現代思想』28巻10号(2000年)
- 「GIS――空間を掌握する」『現代思想』30巻11号(2002年)
- 「戦争としての政治――1976年講義」『現代思想』31巻16号(2003年)
- 「Histoire de la pensee politique comme la guerre」『政経論叢』(2004年)
- 「カール・シュミットの『アメリカ帝国』論」山下範久編『帝国論』(講談社[講談社選書メチエ], 2006年)
- 「連帯の哲学」『現代思想』(2007年)
- 「戦争から統治へ――コレージュ・ド・フランス講義」芹沢一也・高桑和巳編『フーコーの後で――統治性・セキュリティ・闘争』(慶應義塾大学出版会,2007年)