過去のない男』(フィンランド語Mies vailla menneisyyttäL'Homme sans passéThe Man Without a Past)は、2002年公開のフィンランド映画

過去のない男
Mies vailla menneisyyttä
監督 アキ・カウリスマキ
脚本 アキ・カウリスマキ
製作 アキ・カウリスマキ
出演者 カティ・オウティネン
マルック・ペルトラ
音楽 レーヴィ・マデトーヤ
撮影 ティモ・サルミネン
編集 ティモ・リンナサロ
配給 日本の旗 ユーロスペース
公開 フィンランドの旗 2002年3月1日
フランスの旗 2002年5月22日CIFF
日本の旗 2003年3月15日
上映時間 97分
製作国  フィンランド
ドイツの旗 ドイツ
フランスの旗 フランス
言語 フィンランド語
製作費 FIM 8,000,000
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第55回カンヌ国際映画祭グランプリ及び女優賞受賞、サン・セバスティアン国際映画祭国際批評家連盟賞、ハンブルク映画祭ダグラス・サーク賞受賞。

サウンドトラックに、楽曲「ハワイの夜」(クレイジーケンバンド)と「Motto Wasabi」(小野瀬雅生ショウ)が採用されている。これは、カウリスマキ・ファンである小野瀬雅生が、自分たちのCDが出るたびに、かかさずカウリスマキに送っていて、彼等のサウンドが気に入られたためである。

ストーリー

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フィンランドヘルシンキ。午前4時着の列車でこの地に着いた男は、公園で仮眠中に3人組のチンピラにバットで頭を殴られ昏倒した。執拗に殴打されトランクを荒らされ、身分証は捨てられて病院に搬送される男。一時は死んだと診断されたが、男は奇跡的に蘇生し病院から歩き去った。

その後、港の岸辺で再び昏倒していた男を救ったのは、コンテナに住む貧しいが人の良い一家であった。徐々に回復していったが、身元を尋ねられても答えられない男。頭を殴られたことで、彼は記憶を失っていたのだ。

過去を失った男であったが、港町の人々は彼に快く手を貸してくれる。コンテナ一家の主人は金曜日にスープとパンを配給する救世軍の元に男を連れて行き、「人生は後ろには進まない」と励ます。地元の悪徳警官は彼に空きコンテナを貸し与え、電柱から電気を盗む方法も伝授した。近くにじゃがいもを数個植えて畑とする男。壊れて捨てられていたジュークボックスを機械工に直してもらい、音楽のある生活も手に入れた。

職安では名前がないという理由で門前払いを受けたが、救世軍の事務所で仕事を得る男。そこに属する下士官の独身女性・イルマと仲を深めながら、男は徐々に生活力を発揮し始める。

救世軍の聖歌隊であるバンドのメンバーを家に招き、ジュークボックスの、ブルースロックを聞かせる男。高齢の女性指揮官に、世俗的な演奏も救世軍の宣伝になると持ちかけると、昔は歌っていたという彼女はボーカルとしてマイクの前に立った。マネージャーとしてライブを企画し、入場料も設定する男。

港で溶接工事を見て、思わず試すと腕利きの溶接工と分かり、その場で採用される男。名前は適当で良いから口座を作れと言われて銀行に行くと、ライフルを持った老人の強盗と遭遇し、女性行員と共に金庫室に閉じ込められてしまった。救出後に警察で身元を語れず、一時は強盗の仲間かと疑われる男。

釈放された男の跡をつけ、話しかける銀行強盗の老人。彼は土木工事会社の社長だが不況で倒産し、銀行に会社を差し押さえられて口座も凍結されたのだという。従業員の最後の給料が未払いなことを気に病んだ社長は、強盗をして自分の預金を盗み出し、社員の各々の名を書いた封筒に小分けにしていた。自分はお尋ね者だからと男に封筒を託し、自殺する社長。遺言に従って社員たちを探し歩いた男は、律儀に大金を配り終えた。

「名無しの銀行強盗」という記事になり新聞に顔写真が載る男。それを見て、ヌルメスに住む妻が警察に名乗り出た。男はルヤネンという名の溶接工だったのだ。何も思い出せないルヤネンだが、妻のある身なら帰さねばと初恋を諦めるイルマ。

教えられた住所を訪ね、妻と対面するルヤネン。彼はギャンブル狂いで家庭内別居し、職を探して南部に行ったきりだったと話す妻。6月に離婚は成立し、すでに交際相手もいると言われ、妻に別れを告げてヘルシンキに戻るルヤネン。

イルマと電話連絡が付かぬまま町へ向かい、彼を殴った3人組のチンピラと遭遇するルヤネン。3人組はルヤネンにナイフを向けたが、駆けつけた大勢の労働者に囲まれ袋叩きにされた。地元の我々を苦しめて来た罰だと見て見ぬふりをする悪徳警官。今夜は親睦会だと聞いたルヤネンは会場からイルマを連れ出し、手をつないで家路についた。

キャスト

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役名 俳優 日本語吹替
イルマ カティ・オウティネン 藤生聖子
過去のない男 マルック・ペルトラ英語版 菅生隆之
救世軍のマネージャー、バンドのヴォーカリスト アンニッキ・タハティ 重松朋
救世軍バンド マルコ・ハーヴィスト&ポウタハウカ
ハンニバル タハティ
ニーミネン ユハニ・ニユミラ 塚田正昭
カイザ・ニーミネン カイヤ・パリカネン 浅井晴美
造船所の事務員 エリナ・サロ
アンティラ サカリ・クオスマネン 楠見尚己
バーのオーナー アンネリ・サウリ
銀行員 オウティ・マエンパー
調査の役人 ペルッティ・スヴェーホルム

外部リンク

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